バーテンダーのmoominx2です。
お酒のアルコール度数の種類について回答しますね。
まず、ビール、日本酒、ワインなどの醸造酒についてです。
醸造酒は原料となる穀物、もしくは果物に酵母菌を入れ、アルコール発酵させたお酒のことです。
アルコールはご存知のように殺菌作用があります。
殺菌されるのは酵母菌も同じことで、アルコール発酵酵母は14°~16°ぐらいのアルコール濃度で死んでしまい、それ以上アルコール発酵を続けることができなくなります。
ワインのアルコール度数がこのあたりなのはこのため。
日本酒は低温下においてゆっくりと発酵させるため、16°~18°ぐらいまでアルコール度数が上がります。
また、日本酒独特の製法「火入れ」の作用によって若干アルコール度数が上がるため、17°~19°ぐらいの製品が目立ちます。
ビールのアルコール度数に関しても、日本での製品が4°~5.5°が主となっておりますが、ビールの歴史が長いヨーロッパでは様々なアルコール度数のビールが存在します。
中でも世界最強のビールとして有名なビール「サミクラウス」(16°)なんてのもあります。
ビールはもともと水のあまり良くない場所で、水代わりに飲むことを目的に作られたアルコール飲料なため、あまり高いアルコール度数は求められませんでした。
続いてブランデー、ウィスキーなどの蒸留酒についてです。
蒸留酒は蒸留の度合いによってアルコール度数は自由に変えられますが、樽で熟成する事を前提にアルコールの濃度が決定されています。
樽材の影響を最も受けやすいアルコール濃度は65°~75°と言われており、樽に詰め、熟成させることによって、樽材(木材)の細かい気泡から徐々にアルコールが抜け、アルコール度数は低くなっていきます。
熟成のピークを迎えた蒸留酒のアルコール度数は55°~65°(熟成年数や樽に詰められたアルコール度数によって変化)になります。
多くのウィスキー、ブランデーは複数の樽で熟成したお酒同士をブレンドして作られます。
樽によってアルコール度数が違うので、統一の基準を設ける必要があるため、40°もしくは43°の基準が設定されているのです。
ですから、ブレンドせず、樽から出したままで製品化されるものに対してはアルコール度数を統一する必要がないので、こちらも様々なアルコール度数の商品が存在します。
さて、焼酎のアルコール度数の違いですが、税制のために分かれていると聞いたことがあります。
飲み方に関してですが、同じ条件で蒸留していると仮定すれば、よりアルコール濃度の高い方が、それだけ不純物が少ないと判断できます。
「不純物」と聞くと、何か悪い物にも感じますが、原料の持つ「香り」や「うまみ」もこの「不純物」に分類されます。
ですから、アルコール度数の低い焼酎は割らないか、割っても氷だけ、水だけのようにシンプルな飲み方の方が原料のもつうまみや香りを楽しむことができるでしょう。
もっとも、「甲類焼酎」は高濃度で蒸留したアルコールを単純に水で割っただけですから、その違いは感じられないと思いますが・・・
お礼
ありがとうございます。 と言うことは20度をあまり他のものを加えないで飲んだ方が味わいがあるということでしょうか。 「いいちこ」を飲んでみようと思ったのですが、20度と25度があって迷ってしまって買えませんでした。20度を買ってみようと思います。