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カール・ハウスホーファーについて
カール・ハウスホーファーについて教えてください。 「地政学」の提唱者で、若い頃日本にいて親日家で、ナチス協力者で、最期は切腹して死んだとか。 断片的な情報は出てくるのですが、どうも全体像というか「どういう人」だったのかってのがわかりません。 ナチスとの関わりによって現在「地政学」は否定された学問になっているようですが、カール・ハウスホーファーその人にはたくさん弟子もいて、その系譜は続いているようです。 いかに親日家でもドイツ人が切腹するか~、ってところから興味を持ちました。(デマゴーギーの可能性もあるようなんですが…) よろしくお願いします。
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「地政学」というのは一国の地理的条件がその国の戦略にどのような影響を与えるかということを解明しようと言う学問です。 例えば ○暖かくて豊かな地域ならば紛争は起こりにくい ○交通の要衝に当たる地域(半島など)は常に緊張状態に置かれる(バルカンや朝鮮を思いだして下さい) などの一般論が導かれます。 一国の置かれた自然環境はそれ自体国家戦略に大きな影響を与えますから、このような発想自体はハウスホーファーの発案ではありません。言葉自体はスエーデンのチェーレンという学者が地理学と政治学の語を合成して作りました。 カール・ハウスホーファーは1869年ミュンヘン生まれ。元々は軍人で、1908-10年には駐日ドイツ大使館武官として日本に滞在しました。在任中には日本が大韓帝国を併合しています。 確実なソースは出てきませんでしたが、名古屋の部隊に一時いたようです。また、日本語も流暢に喋れたようです。 その後、帰国し第一次世界大戦では陸軍少将(旅団長)にまで進みます。その後軍を辞め、研究生活に入ります。 特に日本滞在が与えた影響は大きかったらしく(韓国の併合がインパクトを与えたらしい)、「大日本」「太平洋地政治学」などの著書があります。 で、彼の唱えた地政学の理論は 1)国家は周辺の小さな勢力を文化的に吸収しながら資源の豊富な土地を求めて膨張する 2)その際、その過程で他の国家と争う運命にある 3)よって国家を運営するために必要な領土(生存圏)を確保するためならば戦争も肯定される 4)最終的には、地球上には大国をひとつ容れるだけの余地しかない というもの。 大雑把なまとめですが、結構攻撃的ですよね。これがナチスによって利用されます。「生存圏」の獲得はナチス・ドイツが起こした戦争の理論的支柱とされました。例えば独ソ戦の開始はドイツの東に於ける生存圏を確保する(もともとそこにいる”劣等人種”たるスラブ系の人々にはもっと東か、この世でないところに移住して頂くという極めて自己中心的な計画)という理由がつけられています。 #ま、ドイツ再興にはどうすればいいかハウスホーファーが考えた結果がこれなので、元々親和性の高い理論なのですが。 しかもハウスホーファー自身もナチス・ドイツで学界の総裁に就任するなど密接な関係を持ちます。そのせいで戦後バッシングを受けるハメに(本人は理論を歪められて使われたと主張)。戦犯の指定は免れましたが、1946年に割腹自殺を遂げています。なぜ割腹したのか、その理由はネット上には転がっていませんでした。
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- livewire
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確か荒俣宏の「帝都物語」の一登場人物として出てきたような・・・。 あくまでフィクションなので実際の人物像とは相当かけ離れていると思いますがが、それでも興味があればご一読下さい。
お礼
ありがとうございました。
補足
割腹自殺は本当なんですね。経歴を見る限りでは「軍人上がりの学者」って感じですが、ナチスのオカルトな面を演出したとか、日本にいた頃に秘密結社に入っていたとか奇妙な噂がいくつもあって、「帝都物語」だの「鋼の錬金術師」だのに特別出演(?)している怪人物なので興味を持ったんです。 日本にいた経歴と切腹にはやはり関連があると見るべきでしょうか。なまじな根性でできることじゃないですものね切腹なんて。ありがとうございました。