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確率変数の独立性とV(X+Y+Z)=V(X)+V(Y)+V(Z)について
いつもありがとうございます。高校数学の勉強をしています。数学Bの「確率分布」の章です。 教科書では次のように言っています。 「二つの確率変数XとYが互いに独立であるとき、分散Vについて V(X+Y)=V(X)+V(Y)が成り立つ。」これは証明があり理解できました。 続いて、「3つ以上の確率変数の独立性についても2つの場合と同様に定義される」と言います。 その後、次のような説明があります。 「確率変数X,Y,Zが任意の値a,b,cについてP(X=a,Y=b,Z=c)=P(X=a)P(Y=b)P(Z=c)を満たすとき、X,Y,Zは独立であるという。 このとき、X+YとZは互いに独立となり、 V(X+Y)=V(X)+V(Y)を繰り返し用いると、次のことが成り立つ。 確率変数X,Y,Zが独立ならば、 V(X+Y+Z)=V(X)+V(Y)+V(Z)」 上の「このとき、X+YとZは互いに独立となり」という部分がどうしても証明できません。 (1) あまりに自明なことなのに私がドつぼにはまってしまい苦しんでいるのか、 (2) もう少しレベルの高い勉強をしないと理解できないことなのか、 どちらかと思うのですが、なぜX+YとZは互いに独立となるのか教えてください。よろしくお願いいたします。
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Xがとり得る値を e_1, e_2, …, e_n とします。これは、Xがこれらの値をとる確率をすべて合計すると、1になることを意味します。 Σ[k=1 to n] P(X = e_k) = 1 (ア) つぎに、任意の値dについて、X+Y が d になる確率を求めます。このとき、X は e_1, e_2, …, e_n のどれかなので、Yは d - e_1, d - e_2, …, d - e_n になります。そこで、X+Yがdになる確率は、次のように表わせます。 P(X+Y=d) = Σ[k=1 to n] P(X = e_k, Y = d - e_k) (イ) XとYは独立なので、(イ)は次のように書き換えられます。 P(X+Y=d) = Σ[k=1 to n] P(X = e_k) P(Y = d - e_k) (ウ) つぎに、X+Y が d で、 Z が 任意の値 c になる確率を求めます。 P(X+Y=d, Z=c) = Σ[k=1 to n] P(X = e_k, Y = d - e_k, Z=c) (エ) X,Y,Zは独立なので、(エ)は次の式に書き換えられます。 P(X+Y=d, Z=c) = Σ[k=1 to n] P(X = e_k) P(Y = d - e_k) P(Z=c) (オ) P(Z=c)は定数(kに無関係)なので、Σの外に出せます。 P(X+Y=d, Z=c) = {Σ[k=1 to n] P(X = e_k) P(Y = d - e_k)} P(Z=c) (カ) (カ)に(ウ)を代入すると、 P(X+Y=d, Z=c) = P(X+Y=d) P(Z=c) (キ) したがって、X+Y と Z は独立です。(証明終)
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- ymmasayan
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> X+YとZは互いに独立となり ここは直感で理解すれば十分ではないでしょうか。 部品A(長さの確率変数X)、B(同じくY)、C(同じくZ)があって これを組み立ててX+Y+Zの長さを持つ製品を作るとします。 X,Y,Zが独立とするとA+Bを組み立てたものとCとの間には因果関係は 全く有りませんからX+YとZはやっぱり独立になりますね。 ピントはずれだったらご免なさいね。
お礼
ymmasayan さん、たしかに因果関係をチェックするとそういうことが言えますね。簡潔でわかりやすい例でよくわかりました。 どうもありがとうございました。お礼がたいへん遅れて申し訳ありませんでした。 今後ともよろしくお願いいたします。
補足
長い間ご返事を致さず申し訳ありませんでした。すみませんがもう少しお待ちください。 よろしくお願いいたします。
- grothendieck
- ベストアンサー率62% (328/524)
これは難しい問題です。集合の記号を使ってXがaという値を取る事象をA(X=a)と書き、P(X=a,Y=b)の替わりにP(A(X=a)∩A(Y=b))と表わすことにします。Xがa1…an の範囲の値をとるとすると、X+Yがdとなる事象は A(X+Y=d) = (A(X=a1)∩A(Y=d-a1))∪…∪(A(X=an)∩A(Y=d-an)) となります。すると集合論より A(X+Y=d)∩A(Z=c) = ((A(X=a1)∩A(Y=d-a1))∪…∪(A(X=an)∩A(Y=d-an)))∩A(Z=c) = (A(X=a1)∩A(Y=d-a1)∩A(Z=c))∪…∪(A(X=an)∩A(Y=d-an)∩A(Z=c)) と書けることとコルモゴロフの確率の公理 「A1,A2,…An が同時には起らないとき P(A1∪A2∪…∪An)=P(A1)+P(A2)+…+P(An) 」 を使うと P(A(X+Y=d)∩A(Z=c)) = P(A(X=a1)∩A(Y=d-a1)∩A(Z=c))+…+P(A(X=an)∩A(Y=d-an)∩A(Z=c)) ここでX,Y,Zが独立であることより P(A(X=a1)∩A(Y=d-a1)∩A(Z=c))+…+P(A(X=an)∩A(Y=d-an)∩A(Z=c)) = P(A(X=a1))P(A(Y=d-a1))P(A(Z=c))+…+P(A(X=an))P(A(Y=d-an))P(A(Z=c)) = (P(A(X=a1))P(A(Y=d-a1))+…+P(A(X=an))P(A(Y=d-an)))P(A(Z=c)) = P(A(X+Y=d))P(A(Z=c)) となることから、X+YとZは独立になります。
お礼
grothendieck(#2)さん、 素早い、ていねいな証明をどうもありがとうございました。「あるk’に対してd-e_k'に対応するYの値が存在しない場合」について#1の場合と同じ疑問を起こしましたが、解決できました。 詳しい式の展開、感謝申し上げます。
補足
長い間ご返事できなくて失礼いたしました。すみませんがもう少しお待ちください。よろしくお願いいたします。
お礼
shkwta(#1)さん、さっそくにていねいな証明をどうもありがとうございました。(イ)と(ウ)が大切な式ですね。 最初(イ)がどうしてもわかりませんでした。Σ[k=1 to n]のnは∃N≦n を満たすあるNの方がいいのではないかと思ってしまいました。というのは、あるk’に対してd-e_k'に対応するYの値が存在しない場合、どうしたらいいのだろうかという自ら起こしてしまった疑問に答えることができなかったのです。 しかし、よくよく考えてみるとそのようなYの値に対する確率は0だから無視できる、だからΣ[k=1 to n]という表現は正しいのだということにやっと気がつきました。 それにしても、確率の勉強は奥が深く感じます。今回の質問でますます先のことを勉強したくなりました。。 shkwtaさんとgrothendieck(#2)さんの証明はいずれもよくわかりましたが、高校生にも理解できる、回答がいちばん早かったということでshkwtaさんに良回答20Pを差し上げました。 たいへん助かりました。重ねてお礼申し上げます。
補足
長いこと、ご返事できなくてすみませんでした。もう少しお待ちください。よろしくお願いいたします。