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蒸気圧について
参考書に、『真空な容器に純水を入れたものと、何か水溶液を入れたものがあります。両方とも同じ温度で放置しておくと、純水はどんどん蒸発していくのに対し、水溶液は蒸発しにくい。なぜなら、蒸気になろうとして水は出ていくのだけれど、溶質がたくさん溶けていると、そこにぶつかってしまうからです。よって蒸気になりにくい。だから、純水に比べ、水溶液のほうが蒸気圧が低い。』とありました。水溶液のほうが、純水に比べて蒸発しにくい理由は理解できるのですが、蒸気になりにくいと蒸気圧が低くなるのが理解できません。どうしてもイオン化エネルギーと同じ考え方をしてしまい、『なりにくいもの程、力が大きくなるのだから蒸気圧も高くなるのでは?』と考えてしまいます。蒸気圧では、どう考えたらいいのか分かりやすく説明して下さい!
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>>『なりにくいもの程、力が大きくなるのだから蒸気圧も高くなるのでは?』 よくはまる穴ですね。^^なりにくいもの程、力が大きくなる(正しくは「大きい」)。この力は液相での力ですので、引き留めようとする力、になります。ですからそれに打ち勝つためには、余分なエネルギー、通常は熱、が必要になります。つまり力が大きいと熱が必要。熱が余分に必要だから出て行きにくい。 混合物でも完全に解け合っている分けでは無いと話は違い、蒸気圧はそれぞれの物質で独立になってしまいます。 #1の方の比喩で行くと、 あるクラスにやんちゃな子だけがA人がいる、他のクラスにはやんちゃな子A人とおとなしい子B人がいる、やんちゃな子とおとなしい子は互いに何のけん制もし合わないとする。外に出てくる子はどちらが多いか? 当然A+B人のクラスの方が多い。仮定からA人もB人も相手に無関係に出てくるから、数が多い方がたくさん出てくる。 ところが溶液というのは「独立でない」のです。独立であれば蒸気圧降下は起こり得ません。ベンゼンと水の「共沸」のようにそれぞれ純物質の蒸気圧を示します。これが上記の独立なA人とB人の例です。 溶液になったときから状況は一変します。溶液になったと言うことは「相互作用している」事を意味します。分かり易い例ですとイオン性結晶を水に溶かします。イオン性結晶は水の中で解離しイオンの周辺に水が配位します。この効果はイオンの近傍だけでなくかなり遠方まで水をクラスター化させます、つまり水分子は常にイオンの影響を感じ続けるのです。すると液相から水分子が飛び出すときに純水では感じなかったよけいな「しがらみ」を振り切らなくてはならなくなります。一方気相から凝縮する方の水分子は水の相互作用でけでなくクラスターの一部として取り込まれるために居心地が良くなってしまいます。 簡単に言うなら溶液から水が飛び出すときには溶液を「濃縮」しなくてはならない。水分子が凝縮すると溶液は「希釈」される。純水の場合そんなことは起こらな い。 子供たちの例で説明すればB人の子供たちは複数人で遊べるゲーム機を持っているが外ではプレーできない。外に出てくる子供はがくんと減ってしまいます。
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- zairyouya
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基本的にどんな凝縮相であっても蒸気になっているものです。ただそれが大きいか小さいかの違いで。25℃で鉄でさえ10^-65atmというびびたるものですが蒸気圧をもっているんです。ですからこの問いに対しては活量という考え方をすれば分かりやすいと思います。 純粋AにBを混ぜるとAの活量は下がります。活量の定義は活量=今ある蒸気圧(atm)/純粋な物質のもつ蒸気圧(atm)[標準状態はどこにとってもいいですが・・・]です。今ある蒸気圧(atm)=純粋な物質のもつ蒸気圧ですから純物質では活量は1となり、混合物ではその割合に対応し活量は低下します。つまりAの蒸気圧は下がります。ただし、ガスの場合は標準状態を1atmにとることが多いとだけのべておきます。 もう少しわかりやすくいうと水にエタノールを少しずつ混ぜれば水の蒸気圧はさがりますが、エタノールの蒸気圧は上がります。温度が分かりその温度での活量曲線さえ分かればそれぞれの量は計算できますから 定量的にイメージがつくと思いますが、
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お礼が遅くなり、申し訳ありません。ありがとうございました。
- ie-
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下記の方と同じですが、 入射頻度と吸着エネルギ(同じ物質同士の場合、凝集のエネルギ)により蒸気圧が決定します(多分) 入射頻度は圧力に吸着エネルギは物質に依存します。 ということで、入射頻度と吸着エネルギを調べてみると疑問に思っている事がすっきりしそうだと思いますよ。結構簡単な数式で表されているはず。
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お礼が遅くなり、申し訳ありません。ありがとうございました。
- shkwta
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密閉容器に気体と液体が入っているところを考えてください。 気体部分では、分子が飛び回っています。壁や液面に衝突します。この衝突で及ぼす力が圧力です。単位体積あたりの分子の数が多いほど、圧力が大きくなります(衝突回数が増えるからです)。また、温度が高いほど圧力が大きくなります(温度が高い=分子運動が激しい=衝突の勢いが大きい)。まずここまで確認しておいてください。 飛び回っている気体は、液面にもぶつかって飛び込んできます。 つぎに、液体でも分子運動が起こっています。このため、液体の表面からは分子が飛び出していきます。温度が高いほど、単位時間に飛び出す分子の数が多くなります。 ここで、単位時間に、気体から液体に飛び込む分子の数と、液体から飛び出す分子の数がちょうどつりあったとき(平衡といいます)の気体の圧力が、蒸気圧です。 さて、ここで液体に他の物質(溶質)を溶かしたとしましょう。この溶質は蒸発しないものとします。すると、液体から飛び出す分子の数が減少します。なぜ減少するのかは、つぎのたとえ話で考えてください。 -------------------- クラスにやんちゃな子とおとなしい子がいます。やんちゃな子はすぐ教室のそとに飛び出します。A組は全員やんちゃですが、B組にはおとなしい子が1割います。どちらの組のほうが、飛び出す子が多いでしょうか。 --------------------- ということで、飛び出す分子が減少するのは、溶質分子が妨害するからではなくて、単に割合が減るからです。ただし、濃度が高いときは、溶媒分子間の引力と、溶媒と溶質の分子間の引力の差が飛び出す分子の数に影響してきます。 飛び出す分子が減少すると、飛び込む分子の方が多いので、気体部分の分子が減ります。すると気体部分の圧力が下がり、飛び込む分子が減ります。そして再び、飛び出す分子と飛び込む分子の数が等しくなります。このようにして、蒸気圧が下がった状態で新しい平衡に達します。 これが、溶液の方が蒸気圧が低くなる原理です。
お礼
お礼が遅くなり、申し訳ありません。丁寧な説明をして頂き、ありがとうございました。
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お礼が遅くなり、申し訳ありません。分かりやすい例や丁寧な説明をして頂き、ありがとうございました。