簡単にいえば、
一定のリズムで歌うのが「詩」
曲に合わせて歌うのが「詞」です。
現代日本語でも「作詞家」「歌詞」と使いますよね。
「詞」は、唐代、西域から入ってきた新しい音楽に詞をつけることから始まりました。「漢文・唐詩・宋詞・元曲」という言葉があるように、宋代に特に流行しました。
曲に合わせて詞が作られますが、例えば「憶江南」という曲調では、句式が三五七七五、押韻が二・四・五句目というように形式が決まっています(「憶江南」はかなり短いものです)。
「詞」は、「詩餘」とも呼ばれますが、句によって長短ふぞろいなので「長短句」とも呼ばれますね。中国文学の研究者の間では、「詩」と区別するため、「ツー」(中国語の発音から)と呼ぶようです。
「詩」は、「近体詩」(唐代)では、五言詩・七言詩の形式に固定されますが、「古詩」では四言・三言・五言・七言・六言詩があり、押韻も比較的自由です。
ちなみに漢代の「楽府」(漢の宮廷が当時の民間歌謡を収集したもの)のリズムから生まれたのは、五言詩の形式です。