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ラッカーシンナーの疑問・その2
以前、ラッカーシンナーの引火点の質問をした者ですが、新たに教えて欲しい事が出来ましたのでよろしくお願いします。 1週間程前に、ラッカーシンナーの爆発限界が1%~10%という事で教えて頂きました。 これは、 ラッカーシンナー:空気 1%:99% 10%:90% という事でした。 そこで教えて欲しい事は、このような割合の混合気は どのような臭いがするのか、という事です。 1)普通の人であれば(健常者)あきらかにラッカー シンナーの臭いを感じる。 2)ラッカーシンナーの混合気である事を意識しないと はっきりとは感じられない。 3)まったく臭いがしない。 上記の3つの中で選択するとしたら(1%:99%)、 (10%:90%)はそれぞれどれに当てはまるのでしょうか? それから、もう1つは爆発限界の1%~10%という範囲があるのはどうしてなのでしょうか? 気温が関係しているのでしょうか? 寒いときは空気の密度が濃く、暑くなるにしたがって 空気の密度が薄くなる(酸素の量?が変わる)。 空気が濃いときのラッカーシンナーの気体量が1%で薄くなると10%になるという事でしょうか? おわかりになる方がいましたら教えて下さい。
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1) (法)、(令)、(則)を調べてみましたが、「休憩を取る」等の記述はありませんでした。 「連続して作業」の解釈でよいと思われます。 正確なところは、労基署で確認なさってください。 100ppmは感知についてのデータです。人体に継続的影響を及ぼす濃度は、一般的に管理 濃度の数倍以上と考えてよいかと思います。 2) その通りです。しかし、シンナー蒸気はすべて空気より重いですから、上方向に拡散 するより、横に広がって行くほうが多いと思います。 上方濃度が低いからといって安心はできません。 3) その通りです。それに加えて、蒸発による冷却消火もあると考えてよいでしょう。 しかし、現実には溶剤で完全に火炎を覆うことは出来ませんから、一部残った火炎に よって、火災は更に広まるでしょう。
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- dojustice
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補足欄のご質問3)を読み誤っておりました。 消える理由は、可燃ガス濃度が「下限よりも下がるから」ではなくて、「上限よりも上がるから」です。
- dojustice
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前回のご質問(QNo.1112664)も拝見させていただきました。QNo.1112664で未解決の問題 もあるかと思いますので、こちらで合わせてご回答させていただきます。 1.臭気 ラッカーシンナーにもいろいろありますが、一般的なラッカーシンナーの主成分である トルエンの性状について調べてみますと、「ヒトは100ppm(0.01%)で一過性の刺激臭を 感じる」とされています。 また、労働安全衛生法(施行令21条 62 トルエン)では、「作業中の管理濃度を 50ppm(0.005%)」と規定しています。 (石油化学製品の安全データシートです。トルエンは7にあります。その他の シンナー成分のデータもあります) http://www.jpca.or.jp/61_f.htm (施行令第21条です。トルエンは62にあります) http://www.tb-labo.co.jp/html/standard/work.shtml これらのことから、爆発下限界である1%という濃度は、人にとっては強烈な刺激臭 を感じる環境であり、おそらく1%と10%の区別は付かないであろうと推測されます。 しかし、爆発下限界よりはるかに低いから安全であるとは言えません。 トルエン(C6H5CH3)は、分子量92.1で空気(29.0)の約3倍の重さがありますから地表面 に滞留する性質があります。(シンナーのその他の成分もほとんど同じ) 人間の背丈の高さでの濃度は低くても、地表では高濃度の可能性があります。 そういう所へうっかり入っていくと、(特にこれからの時期は)衣服等からの静電気 放電により着火する可能性があります。 1~10%の高濃度中に暫くいると、嗅覚は麻痺してあまり感じなくなります。 しかし、トルエン蒸気は肺から血液中に入り、脳神経を麻痺させ、数分後には昏倒 する可能性があります。 こういう状況下での救出には必ず「有機溶剤用の防毒マスク」を着用した上で、入って いかなければなりません。これをしないと共倒れになってしまいます。 シンナー事故中毒死の記事を見つけたので添付します。 http://www.oita-press.co.jp/read/read.cgi?2003=10=06=109420=2 (ニュースですので、ある程度時間がたつと削除されます) いろいろなラッカーシンナーのデータです。 http://www.kuboko.co.jp/MSDS/60.html 2.爆発限界 燃焼も爆発も化学的には酸化反応の一種です。反応速度の遅いのが一般に言われる 「酸化」であり、より急速な酸化が「燃焼」、更に急激な酸化反応を行うものが 「爆発」です。 燃焼を成立させるには、(1)燃える物(可燃物)があること (2)燃焼を支える物 (支燃性ガス:例えば酸素)があること (3)発火温度に達していること) が要件です。 燃焼の形式には「拡散燃焼」と「予混合燃焼」があります。 「拡散燃焼」は、例えばローソクが燃えるときのように「可燃物が十分な高温(発火 温度)に達しているところへ支燃性ガスが継続的に供給される」という燃焼形態です。 支燃性ガスの供給が拡散により行われるので、燃焼速度が制限され、比較的穏やかな 燃焼を継続します。 「予混合燃焼」は、「あらかじめ、可燃物(ガス)と支燃性ガスが適当な割合で混合 されていて、これが発火温度になる」ことで燃焼を開始するものです。 この状態の燃焼は、支燃性ガスの助けが要りませんので、多くの場合、一気に反応が 進み「爆発」という形態をとります。 分かりやすい例として、水素(H2)と酸素(O2)が反応して、水(H2O)が生成する燃焼反応 を見てみます。 2H2 + O2 = H2O 水素2モルに対し酸素1モルが必要です。 容積はモル数に比例しますから、H2:O2=2:1の容積比にあるときが、最良の燃焼状態を 生み出すことになります。%で言えばH2 66.6%, O2 33.3%のときです。 この混合比にあるとき(他のガスがないとき)、水素と酸素は瞬時にして燃焼(爆発) します。 このときの火炎伝播速度は音速を超えるので、衝撃波を起こし、爆発の中でも最も 強烈な「爆轟」と呼ばれる現象を起こします。 (上記比率にガスが混ざっている状態を「爆鳴気」という) 空気中で行われる一般的な燃焼は、このように「完全に燃焼に寄与するガス(可燃性・ 支燃性ガス)だけ」で行われるものでなく、「反応に預からないガス」が存在し、 これが燃焼反応を妨げる冷却剤の役割をします。 水素ガスの濃度が低いところでは、窒素および酸素が、逆に水素ガスが高濃度で 燃焼に必要な量以上に存在するときは、水素ガス自身が冷却材になってしまいます。 これが爆発限界の「下限」と「上限」を作る理由です。 この現象は分子論的には、可燃ガス分子・支燃ガス分子・不活性ガス分子が存在する 中で、適量に混合された可燃ガス分子・支燃ガス分子が燃焼(発熱)し、その高温 が周囲に伝達(四方八方に)されて行く過程で、付近に同じような混合ガスがあれば 燃焼は継続する(連鎖反応)が、燃焼できる状態にない混合分子に出会えば、その 部分、温度が下がる→燃焼が遮断される・・・というふうに考えるのが正しいのです が、分かりやすく言えば「冷却」と考えてもよいのではないかと思います。 このように考えてくると、同じ「爆発限界に入っている」とはいっても、混合比率に よってその燃焼速度(火炎伝播速度)には差があるわけですから、爆発の強度にも 強弱があることになります。 可燃性ガスおよび引火性液体のデータです。 http://www.fintech.co.jp/etc-data/bakugen-data.htm この表によると、水素ガスの爆発限界は、4.0~75%となっていますが、上記 2:1の 構成比率になる水素濃度は30%で、これはこの爆発限界のほぼ中央にあることが わかります。 O2濃度 (100-30)x21/100=14.7% 30/14.7≒2 つまり、4.0~75%の爆発限界の中でも、H2 30%のとき最も強力であると推測されます。 トルエン(C6H5CH3)1モルの燃焼には、9モルのO2が必要で、容積比は1:9となります。 C6H5CH3+9O2=7CO2+4H2O この表によると、トルエンの爆発限界は、1.4~6.7%ですが、1:9の容積比になるトル エン濃度は2.3%のときで、これもこの爆発限界の範囲内にあることがわかります。 O2濃度 (100-2.3)x21/100=20.5% 20.5/2.3≒9 不活性ガスを混合したとき、爆発限界がどう変わるかの実測データを見つけました。 本質問後段の解決に役立つかと思います。 http://www.jnc.go.jp/park/q-a/fbr/08.html 今回ご質問の数時間後から、ご質問や他の回答に対する書き込みなどをずーっと拝見 しておりましたが、ご質問の趣旨が (1)業務上、例えば防火管理者として防災面での知識が必要なのか、 (2)単に爆発現象のメカニズムに関心があるのか 絞りきれず、どうご回答しようかと迷っておりました。 だいたい上記のご説明で、ご質問及びその他の書き込みに対し、総括的なご説明を 終えた、と考えていますが、なお至らないところがありましたら、遠慮なく補足欄から、 再質問してください。
補足
大変詳しいご回答ありがとうございました。 (専門的で少しムズかしいかな?) 私、会社で「有機溶剤作業主任者」という職務に就いています。そして、職場内で「ラッカーシンナー」を 金属の洗浄剤として使用しています。 したがって、シンナー中毒、火災等が発生しないように管理・改善を積極的に会社側に伝え、よりよい環境の作業場にする必要があります。ただ、実際に毎日作業するのは私ではありません。ですので、私だけでなく、作業者に少しでも詳しく、わかりやすく「ラッカーシンナー」の危険性を説明し、理解してもらいたいと考えています。少しの異常でも連絡してもらえるような状態にしたいと思っています。簡単ですが「ラッカーシンナー」の事について知りたい趣旨は上記の 理由からです。 そこでまたお聞きしたいのですが、 1)作業中の管理濃度が50ppmというのは、継続的に 作業をしてもよい上限の濃度という意味なのでしょ うか?健常者であれば体内に残留せず、体外に排泄 される濃度という事なのでしょうか? そして刺激臭を感じる100ppmの場合は継続的に吸 い込んでいると中毒になるという事でしょうか? (あるいは、50ppm以上ならば体内に残留する?) 2)「上限」と「下限」の事ですが、たとえば「ラッカ シンナー」をフタのない容器に入れて大気中に放置 した場合、気体になります。(蒸発していく) 「ラッカーシンナー」の濃度としては、液面が100% で、液面から遠くなるにしたがって、0%になりま す。(空気と混合されるから) そして、「上限」は10%の所で「下限」は1%の所と なり、この範囲で引火が起きる。 と理解すればよいのでしょうか? 3)非常に変な質問かと思うのですが、「ラッカーシン ナー」によって燃焼している所に、大量の「ラッ カーシンナー」を一度に加えると、燃焼が遮断され るのでしょうか? (爆発限界の「下限」よりも下がるから消える?) 以上、教えて下さい。よろしくお願いします。
- nitto3
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爆発するような濃度では相当なシンナー臭がします。 そんな中に居ると数分で急性のシンナー中毒になります。 爆発燃焼するのは幅があるのです、 その場合1%以下ならマッチを擦っても何も起こらないです。 密閉した10%以上なら炎を上げて一瞬燃えますが酸素不足で直ぐ消えてしまいます。 開放された場所ですと酸素が供給され爆発限界に入ってしまいます。 空気の少しばかりの密度はそんなに影響しないでしょう。
お礼
ご回答ありがとうございます。 回答の事でお聞きしたいのですが、「なんとなくシンナーの臭いがするな、シンナー臭いな」と感じる程度の漏れでは火種による引火の危険はないとの判断で間違いはないのでしょうか? それから、爆発燃焼の幅という意味がよくわからないのですが、開放された場所・密閉された場所でのそれぞれ、1%と10%の爆発燃焼の違いはどのような状況になるのでしょうか?あるいは5%だったらどのような状況になるのでしょうか? 具体的な例などがあれば教えて下さい。 よろしくお願いします。
お礼
ご親切なご回答有り難う御座いました。 質問3)の内容が間違っていた事に今朝、布団の中で気が付きました。ご回答のとうりで、「ラッカーシンナー」の濃度は100%に近くなるのですから、「上限」ということになりますよね。 これで「ラッカーシンナーの引火」について、シロウトの私でも十分理解する事ができました。作業者にもわかるように説明が出来ると確信しています。