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塗料の科学的な分類、ラッカーとエナメルの違い
- 塗料の科学的な分類やラッカーとエナメルの違いについて調査しました。
- アクリル系塗料にはラッカー、アクリル水彩、エナメルという細かい分類がありますが、ラッカーやエナメルの違いについては明確ではありません。
- ラッカーよりもエナメルの方が身体に良いとされており、エナメルは空気と触れることで固まると言われていますが、その根本的な違いについては分かりません。
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「エナメル」というのは本来は塗膜成分(ビヒクル、展色剤)に顔料を混ぜた塗料の総称です。つまりクリアー塗料に対して色つきの塗料をエナメルと言います。 http://www.protoolshop.net/yomoyama/tosoyogo.htm#e http://www.what-myhome.net/04e/enameru.htm http://www.geocities.jp/penkiya_sugimoto/c01_toryou.html しかし模型の世界では「酸化重合型塗料」、いわゆる油性のペンキの事を「エナメル塗料」と呼ぶ習慣があります。 酸化重合型とは酸素と化合して硬化する樹脂を塗膜成分にします。模型で使っているのは「アルキド樹脂塗料」と言います。油絵の具ともほとんど同じ原理のものです。乾性油という酸素と反応して固体になる油を塗膜として使っています。 アルキド樹脂塗料もシンナー(薄め液)で薄めますが、シンナーの成分はテレピン油かそれに近い物質です。シンナーが先に蒸発し残った乾性油が酸素と反応して固化します。シンナーが乾いただけではまだ乾性油の反応が始まったばかりですから本当に乾く(正確には固化する)のはそれからあとで、時間がかかります。 https://www.sankyo-chem.com/sinna-2.html アクリルラッカーは固体のアクリル樹脂を蒸発する溶剤で溶かして液状にしてあります。「溶剤型塗料」といいます。 溶剤が蒸発して無くなると固体が残ります。 溶剤が蒸発するともう塗膜は完成していますから固化までが早い。 Mr.カラー、アクリルラッカー用のシンナー(薄め液)の成分は 〈IPA(イソプロピルアルコール)、イソブタノール、メチルエチルケトン、ジアトンアルコール、ブチルセロソルブ〉 だそうです。プラモデルを作るスチレン樹脂を侵さない物を使っています。 https://blogs.yahoo.co.jp/chopper50520/8837294.html マニキュア除光液はアセトンが多くあとは酢酸ブチルとかアルコール類だと思われます。スチレン樹脂を溶かすのでアクリルラッカーシンナーとは別のものですが 共通する物質(酢酸ブチル、アルコール)も入っているので、同じにおいがするのはそのせいでしょう。 アクリルエマルジョンはアクリル樹脂の元になるものを水に混ぜています。水と脂がなぜ混ざるかというと界面活性剤つまり洗剤のようなものを入れているからです。水が蒸発するとアクリル樹脂が残りアクリル樹脂同士はくっついてしまい膜を作りますからもう水には溶けなくなります。 http://www.saiden-chem.co.jp/t_about_ema.html http://www.holbein-works.co.jp/technical_info/2008/10/post-81.html マニキュアはアクリルラッカーよりもラッカー(ニトロセルロースラッカー)に近いです。 http://www.j-poison-ic.or.jp/ippan/M70263.pdf 油性塗料(ハンブロールエナメルとか)のシンナーも毒ですから換気には気をつけた方がいいです。特にエアブラシを使ってミストを吸い込むと良くない。 皮膚からも吸収するので手にもあまりつけない方が良いです。
お礼
回答頂いた直後にお礼を書き込んだつもりだったのですが、何故か反映されていませんでした、、、こんなに丁寧な回答を頂いたのに、失礼なことをしてしまってすみません、、、 絵画で用いられる塗料については、テンペラ~油絵の具まで原料から作ったことがあるのでなんとなく分かるのですが、化学塗料となるとあまりに複雑すぎてどうにも理解することができずにいます。 これはもう、触ってみるしかないので、しばらくプラモでも作りながら、いろいろな塗料を使ってそれぞれの特性を理解していきたいと思います。 ご教授いただきまして本当にありがとうございました。