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ラノベ、小説を書くときの「ネタ元の調べ方」について

よろしくお願いします。 例えば伝説や神話に出てくる、英雄、怪物、武器など、何を見て、どこまでを調べれば良いのか全く分かりません。 単純に「天叢雲剣」と調べても、ウィキペディアのみでも沢山の情報を見れますが、参考文献の数などから、何をどう見ていけば良いのかが迷います。それこそネットで調べても、色々な情報を見れますので、まさに情報に限りがありません。また現地に行って取材を、専門家から意見を伺えば、なども含めれば「調べる」とは一体何なのかが、膨大すぎて逆に分からなくなります。 「それ全部見るよ、やるよ」と言われればそれまでですが、プロの作家の方などは、果たしてそれを全部見て、一言一句覚えて、始めて自作に「天叢雲剣」を出しているのでしょうか? 正直、あまり現実味がありません。反面、だからこそのプロだとも思い、感服と尊敬をしております。 何かご存じの方がいらっしゃれば、教えて頂けたら幸いです。

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  • eroero4649
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回答No.5

>まさか普段何気なく見ていたプレートアーマーも、史実とフィクションではズレがあるんですね。勉強になります。 歴史とファンタジーの違いについて、大人気ファンタジー作品「ベルセルク」を例にして説明しましょう。 まず、ガッツの左腕には大砲が仕込まれていますからそこらへんのテクノロジー的に16世紀以降じゃないと困ります。前回の回答でも書いたプレートアーマーも16世紀以降ですからそこらへんとかは16世紀ぽいです。でも16世紀というともう大航海時代。どう考えてもあの世界は大航海時代ではなく12世紀くらいの感じですね。 舞台であるミッドランドはイギリスっぽい雰囲気ですが、ガッツが生まれた背景の「何十年と終わるともしれない戦争が続いていた」は1618年から1648年までドイツで続いた三十年戦争をモチーフにしているのは明らかです。鷹の団という傭兵集団が活躍していたというのも三十年戦争ぽい。でも三十年戦争は火縄銃と大砲の戦争の時代です。歩兵の傭兵集団が活躍していたのは、ルネサンス期のイタリアです。 キリスト教のような法王庁からやってきたモズグズという異端審問官が出てきます。異端審問官というと、15世紀のスペインです。 また疫病のようなものが流行っている描写もありますが、あれは14世紀のペストの流行をモデルにしているのは明らかです。 ちなみに歴史的には、ペストが流行をして衛生環境が良い貴族階級はあまりペストの損害を受けず、衛生環境が悪い農民が多く病死したために労働力不足が起こり、西ヨーロッパでも蔓延していた農奴制が終わるきっかけになります。西ヨーロッパを中心に民主主義が誕生することになったのは、ペストが一因だったのです。労働力が足りなくなったので、貴族も労働環境を改善しないと農民の労働力不足に対応できなくなったのです。なんか現代日本みたいですね。別にコロナで人々が亡くなったわけではないですが「感染症のパンデミック後の深刻な労働力不足」は同じです。 更にマンガでは「クシャーン帝国」というのが登場しますが、クシャーンというと、現実に存在した王朝は「クシャナ朝」です。しかしこのクシャナ朝、時代は1世紀から3世紀にかけての王朝で、しかも存在したのは今のイランからアフガニスタン、パキスタン、インド北部にかけてです。でも確かにクシャーン帝国の人たちはターバンを巻いてカレーっぽい。私はあれを「カレー帝国」と呼んでいます。 けれどよく考えれば、ヨーロッパとインドの間には途中に「イスラム教徒」がいたはずです。ヨーロッパのキリスト教徒はトルコ以東のイスラム教徒といわゆる「十字軍」で戦います。確かに法王庁とクシャーン帝国の関係は十字軍ぽい。でもクシャーン帝国はイスラムじゃなくてカレーだ。しかも十字軍は聖地エルサレム奪回の戦いだから、ヨーロッパは攻める側。マンガではミッドランドにカレー帝国が攻めてきてますから、それのモデルは「オスマン帝国によるヨーロッパ侵略」で、これは14世紀から16世紀にかけての出来事です。 と、ここから分かるのは、「ベルセルク」という作品は故三浦健太郎先生がヨーロッパのファンタジーもののネタに使えそうなものは全部ぶっこんだ「ごった煮」であることがよくお分かりいただけるかと思います。入れすぎやろ、三浦先生。だからお話は完結できなくなりました。 まあそもそも真面目に考えれば、戦争と疫病であんな荒廃した状況じゃ戦争は続かないですよ。あんなんでどうやって軍隊を維持するのでしょうね? 三十年戦争が続けられたのは、戦場となったのがドイツなのですが、やってきていた軍隊はオーストリアやスウェーデン、フランスといったようなドイツからすれば外国の軍隊同士の戦争だったのです。で、当時の軍隊は生活に必要な物資の確保はお上品にいうと現地調達、はっきりいうと略奪によって成り立っていたのです。ドイツ人目線だと三十年戦争というのは、外国の軍隊があっちこっちからやってきて略奪される時代だったのです。そりゃ国土も荒れ果てますよねという話。 という元ネタを持ち込んであーだこーだとやるのは、無関係な他人だから面白いのです。創作する人がそこまで考えたら、余計な知識を持った読者からのツッコミが怖くて書けなくなります。 創作する人ってもっとマンガや映画や小説を読んでいいと思うんですよね。優れた創作作品というのは、どれもこれもどっかしら「ツッコミどころ」があるんですよ。それっておかしくない?って。名作「ブラックジャック」もブラックジャックはじゃんじゃん手術して患者はじゃんじゃん治ってるけど、その過程で少なくとも数ヵ月の時間は経っているはずです。だけど作中じゃほんの一週間程度の出来事くらいで時間が過ぎていきます。ひとつひとつストーリーをこなしていたら、あっという間にブラックジャックはおじさんになってしまいます。

aravarisu458203
質問者

お礼

再度のご回答、また詳しくご説明頂き、有り難うございます。本当に勉強になります。 >創作する人がそこまで考えたら、余計な知識を持った読者からのツッコミが怖くて書けなくなります。 仰るとおりだと思います。自分はどうにも「情報を調べる」という言葉に偏りのある考えすぎ感があるようでした。 >創作する人ってもっとマンガや映画や小説を読んでいいと思う >優れた創作作品というのは、どれもこれもどっかしら「ツッコミどころ」があるんですよ。それっておかしくない?って。 こちらもごもっともだと思います。私もこの質問にご回答下さった方々のお言葉を見る内に、「そういえば、各作品はネタ元となるものをどうやって使ってるのだろうか。その通りでそのままだったろうか」と、見直しているところでした。ここもまた自分の中で「プロの作家とは~~」という固定観念があることに気づきました。 時間と言えば名探偵コナンもそうですね。まだ作中では一年の範囲でガラケーからスマホになってたり(ポケベルもあった気が)、バレンタインなどの季節イベントで起きてしまった事件は、一年に合わせて一度限りだった気がします。もう連載30周年ですが……(間違ってたら申し訳ありません) また史実を元にした大河ドラマにも「史実通りじゃ無くてツッコミどころがどうにも出てるらしいが、でもフィクションでもあるし……」とTwitterで話題になってたのも思い出しました。 不勉強さ故の「こうあるべき」思考に囚われていたと反省しております。もっと色々な作品を自由に見ていこうと思いました。改めて、ご回答有り難う御座いました。

その他の回答 (4)

  • eroero4649
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回答No.4

ファンタジー(創作)の世界なんだから、好き勝手にしていいんですよ。事実に基づく必要さえありません。 ファンタジーものの定番である「騎士のプレートアーマー」ですが、現実には騎士階級があのような格好をしていたのは16~17世紀頃で、ファンタジーものの中世世界はだいたい10~12世紀くらいです。 つまりちょうど戦国時代と鎌倉時代くらいの時代の差があります。源平ものに戦国時代の甲冑の武士が出てきたら本当は間違いなのですけれど、それがまかり通っているというか、アリなのがファンタジーの世界です。 だから「テキトーに調べてテキトーに引用する」なんてのは全然アリですよ。そもそもネットがなかった時代にゃみんな知識がなかったせいもあってどんなにテキトーでも割とセーフでしたからね。

aravarisu458203
質問者

お礼

ご回答有り難うございます。 まさか普段何気なく見ていたプレートアーマーも、史実とフィクションではズレがあるんですね。勉強になります。 >ファンタジー(創作)の世界なんだから、好き勝手にしていいんですよ。事実に基づく必要さえありません。 少し方向性が見えてきた気がします。教えて頂き、有り難う御座いました。

  • chiychiy
  • ベストアンサー率60% (18729/31183)
回答No.3

こんにちは >「それ全部見るよ、やるよ」と言われればそれまでですが、プロの作家の方などは、果たしてそれを全部見て ある程度の人にはアシスタントや出版社の担当が 調べてくれることもありますし、ご自身で資料を集めることもあります。 売れっ子になるとそういう時間もないので 出版社の編集者がある程度関与してくれていると思います。 時代と空想との矛盾点が生じなければ、特に想像したことを 羅列すればいいだけだと思います。

aravarisu458203
質問者

お礼

ご回答有り難うございます。 >出版社の編集者がある程度関与してくれていると思います。 これは確かにと思いました。以前、漫画家の方のエッセイにて、資料を集めてくれる編集の方がいてくれて助かると描いてありました。右も左も分からない今の自分にとっては正直羨ましいです。 >時代と空想との矛盾点が生じなければ、特に想像したことを羅列すればいいだけだと思います。 また、この「矛盾」に気をつけようと思いました。何かを引用するにしても、ここが大事なんだなと気づきました。あとは想像でどうするかですね。有り難う御座いました。

回答No.2

ファンタジーとかですと「あえて無視」という荒業もありますから。 洋風ファンタジーなのに「天叢雲剣」が出てもおかしくない異世界を作れば音の響きだけ拝借でもいいと思います。 歴史ファンタジーを含めた歴史モノではないのならば、そこまで調べる必要は無いかと。 歴史モノでも作者の思い込みで書かれたものもありますし⋯作者のスタンスによると思います。 どこまで調べるか、どの説を使うかは作者次第だと思います。

aravarisu458203
質問者

お礼

ご回答有り難うございます。 ご回答を拝見し、自分は「調べる」という言葉に、深く入り込んでしまっていた感じがありました。 確かに、作者次第ですね。改めて、伝説の武器とかを用いた小説は、どうやって作られているか(どこまで引用しているか)見てみたいと思います。

  • nagata2017
  • ベストアンサー率33% (7026/20697)
回答No.1

それぞれの神話だけでいいと思います。 「天叢雲剣」については 八岐大蛇退治の神話 同じ剣が 「草薙剣」と呼ばれるようになった神話 そのふたつで充分でしょう。

aravarisu458203
質問者

お礼

ご回答有り難うございます。 >「天叢雲剣」については 八岐大蛇退治の神話 同じ剣が 「草薙剣」と呼ばれるようになった神話 確かに、ごもっともです。その他にも過去に一度盗まれたとかありますが、まず骨子となるその有名な伝説を見るべきですね。有り難うございます。

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