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土製品とは
今、土製品と埴輪の違いについて迷っています。 私的には土製品はただ単に土で作られた製品で、埴輪はその土製品の中で古墳の周りに立てられているものという解釈をしていたのですが、ある文章に「~古墳から猪と犬の土製品が出土しており、これらの埴輪の祖形ともいえる。」とかかれており古墳からでたのならそれは埴輪ではないのか?とわからなくなってしまいました。 土製品と埴輪の違いを知っている方がいればぜひ回答をお待ちしています。
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619さま 埴輪と土製品の区別ですか。 大学のレポートでしょうか? ここでいう土製品は、小型・形象なもののことですね。 一般論と思いますが、ここでいう狭義の土製品は埴輪や土器も含めて、広義では土製品でしょう。 その中から、使用方法・形態などの特徴で区分された土製品が、埴輪・土器といった呼称で分類されている、ということでは。 広義の土製品の型式分類としての形式設定ということで・・・。 とはいえ、小型・形象の土製品を「土製品」と呼称しているために発生する混乱ですよね。 記述の「~古墳・・・埴輪の祖形・・・」は橿考研の埴輪の動物園の図録では?、と思いますが、もしそうなら「~古墳」は京都府加悦町の蛭子山1号墳・作山1号墳のことですね。 脱線してしまいましたが、 ご質問は「動物形土製品も埴輪と呼称すべき?」ということで、それが妥当かどうかですね。 先年、小学館から刊行された「考古資料大観・埴輪」の中で、車崎先生が簡単に同様の器物に対して解釈をされていましたので、ご参照ください。 それは、これらを明確に区分することを目的としてた記述ではなく、現状の用語の混乱を整理するものだった、と記憶しています。 しかし、蛭子山・作山の正報告書が刊行されていないため、動物形埴輪と動物形土製品の出土状況を比較検討することができない、という最大の問題があります。 細切れの資料報告としては、 ・加悦町教育委員会発刊「蛭子山古墳(2)」 ・加悦町教育委員会発刊「史跡蛭子山古墳・作山古墳整備 報告書」 ・加悦町・加悦町教育委員会発刊「シンポジウム 日本海三大古墳はなぜ丹後につくられたのか その謎に迫る」発表記録集 ・愛媛大学考古学研究室編「シンポジウム 前期古墳の副葬品と地域間関係」発表資料集 (題名は少し違うかもしれませんが・・・) などがあります。ただし、入手の困難なものもありますが・・・。 また、作山1号墳では、動物形土製品のほかにも、棒状・円盤状などの食物を模した可能性がある供物形土製品も出土しています。これらと動物形の比較が解明の鍵の一つと思いますが。 ということで、解釈は難しいですが、 そもそも「動物形土製品が動物形埴輪の祖形」というのも一つの解釈です。資料的に動物形土製品の出土例は極端に少ないですし、多くの方々の認定を受けるまでには至っていないと思われますし、注目もされていないと思います。 ですから、他の解釈が入る余地は十分あると思いますが。 私個人的には、蛭子山・作山の動物形土製品が動物形埴輪の祖形とは思っていません。 前者も棒状などの土製品と同じく供物の一種と考えています。 ということで、両者は用途が異なるということから、同一形式ではなく、埴輪と一括名称で呼称することはできない、と思います。 しかし、これら供物形土製品としての形式名がないですね。供物形土製品で十分だとも思いますが。 どうしても、新名称が、ということなら、 「古墳土偶」とか・・・。・・・センスがないですね。 では。
お礼
遅くなってすいません 本当に詳しいご説明ありがとうございました。 またいずれ蛭子山のほうにも直接足を運んで見たいと思います。