- ベストアンサー
語形成の問題とは?
- 形態論の大きな分野として語形成の問題がある。
- 語形成には様々なプロセスがあり、語彙素を変えるか変えないかで大きく分かれる。
- 語形成のプロセスには屈折、派生、混成、異分析、省略などのタイプがある。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
質問者が選んだベストアンサー
以下のとおりお答えします。文中と文末の2か所に答えを書きます。 形態論の大きな分野として語形成の問題がある。語形成には様々なプロセスがあるが、語彙素を変えないか変えるかで大きく分かれ、同じ語彙素内部での語形変化は「屈折」と呼ばれる。語彙素を変えるプロセスでは、構成要素の性質の違いによってタイプが分かれる。たとえば、「実用的」と「実用本」というペアで比べてみると、「実用」の後ろに付いた「的」が自立できず[a 接辞]である前者は[b 複合語]であるのに対し、同じ「実用」の後ろに付いた「本」も[c 語根]である後者は[d 混成語(かばん語)]となる。[d 混成語(かばん語)]にもタイプがある。たとえば、「やぶく」という動詞は、「やぶる(破る)」と「さく(割く)」のそれぞれ部分を合成してできており、そうした形態素の部分から成る[d 混成語(かばん語)]は[e 派生語]と呼ばれる。「バスジャック」という単語は「バス+ジャック」と分析できるが、「ジャック」は乗り物を乗っ取る「ハイジャック」を飛行機のイメージから「ハイ(高い)+ジャック」と誤って分析したことに基づいている(元の英語 hijack は乗り物の乗っ取り全般を指し、語源は諸説あるが high とは無関係)。このような、本来の語源や語構成と異なる分析に基づいて形態素を切り出すことを[f 異分析]という。合成とも異なる語形成プロセスもある。「テレビ」や「スマホ」は、各々「テレビジョン」や「スマートフォン」の一部を省略することによって作られているが、そうした(しばしば長い)単語の一部を省略して新たな語を作ることを[g 刈り込み]という。 a. 接辞 b. 複合語 c. 語根 d. 混成語(かばん語) e. 派生語 f. 異分析 g. 刈り込み