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永井荷風の叙勲について
永井荷風は、ウナギは万人ことごとく、うまいと思って食うものとなせば、大なるあやまりなり。勲章は誰しも欲しがるとなせば、更に大なるあやまりなりと言って、いささか勲章を軽蔑ぎみであったのに、なぜ文化勲章を喜び勇んで受けたのですか?やはり勲章は誰しも欲しがるものですか?
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なるほど、そういう自家撞着的な面はあったかも知れませんね。個性や独創性豊かな御仁の永井荷風氏のこと、想像に難くないってとこです。もっとも、ご本人としては別に矛盾とも何とも思っていなかったのではないか、とも考えられます。ある意味、大変な「変わり者」だったわけですから。外出するときはいつも自分の全財産を持ち歩いたとか、「女は結婚すると途端に奸物になる」とか言って独身を通したとか。また、直接面識があるという先輩から聞いた話によりますと、あるとき銀行に今の価値に換算して一億円を超えるほどのお金を預けたら、頭取がふっ飛んできて、畳に頭をこすりつけんばかりに平身低頭してお礼を述べたそうです。ところが当の御仁、それが気に入らんといって即刻解約したそうです。ことほど左様に、いわゆる一般常識など通用しなかった御仁だっただけに、勲章を軽蔑しつつ、その類の文化勲章を有難く押し戴いたとしても、さほど驚くには足りない、というのが妥当な推測と言えるでしょうね。
お礼
ご回答ありがとうございます。大変勉強になりました。目からウロコが落ちました。