それはまあ滅茶苦茶乱暴にいうと、世界はインフレなのに、日本はデフレだったからです。
分かりやすくいうと、アメリカの株価がそうですね。ブラックマンデーだのリーマンショックだのというとんでもない暴落が時々起きるけれど、長い目で見ると値段は右肩上がりになっています。
つまり1ドルの価値が徐々に下がっている。ポジティブな言い方をすると「生産性が向上している」といえます。労働者一人がより多くを稼げるようになると、社会全体としてはインフレになるわけです。これは経済的には成長していることになります。
一方の日本は、いわゆる「失われた30年」の間でデフレが続きました。社会全体がデフレになったわけですが、これは逆にいうと労働者の生産性が落ちている(もしくは現状維持)といえるわけです。つまり成長がない。いいとこ現状維持に過ぎないのです。
世界がどんどん成長しているのに、日本だけが現状維持をしていたら、そりゃいつか追いつかれて、そして追い抜かれてしまいます。
失われた10年ではまだアドバンテージがあって、失われた20年で追いつかれて、失われた30年で追い抜かれたのです。
今の日本のダメなところは、新しいものに対する拒絶反応が強すぎることでしょうね。例えば世界はキャッシュレス決済がすごい勢いで進んでいます。中国なんてずっと前から財布で現金を持ち歩かなくなっている。でも日本ではまだまだ現金決済にこだわる人たちが多いわけですよね。
70年代、80年代の日本では新しいものが出ると、それに飛びつく人たちが沢山いました。だから新しいものが広まってゆくという好循環もありました。ただそれはいいことばかりとは限らず、その代わりに伝統的なものなどはカッコ悪いものだと否定もされてきました。
そういう古いものが再評価されるようになったのはいいことではありますが、そうするとイノベーションは起きない問題がありますね。
お礼
なるほど。世界はインフレ、日本はデフレの結果ですか。それと、キャッシュレスは、確かに飛びつかないですね。まだまだ、データ上のお金を信用していないところはありますね。しかし、それでも、GDPが世界第三位だから、JAPANには拍手を送りたいと思います(笑)ありがとうございました。