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高校化学(無機) さらし粉と塩酸の反応
教えて頂きたいことがあります。 塩素の実験室的製法のひとつにさらし粉と塩酸の反応がありますが、この反応では、先に次亜塩素酸イオンと塩酸による弱酸遊離反応により次亜塩素酸が生じ、生じた次亜塩素酸と塩化物イオンとの酸化還元反応が進むとあります。 なぜ、次亜塩素酸と塩化物イオンとの酸化還元反応よりも先に次亜塩素酸イオンと塩酸による弱酸遊離反応が進むのでしょうか。 宜しくお願い致します。
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もし本当にそうならば、 ブレーンステッド - ローリーの酸塩基反応 (プロトンの授受) が、 ほぼ一瞬で終わるのに対して、 酸化還元反応は一般に素反応が多く、 反応が一瞬では終わらない。 これが理由かと思われます。 弱酸の遊離により HClO が生じます。 HClO + HCl ⇔ Cl2(g) + H2O これは塩素の自己酸化還元反応の逆反応で、平衡は右に偏っています。 HClO + HCl → Cl2(g) + H2O Cl2(g) が自発的に発生します。 詳しくみると、 (i) 2HClO + 2H^+ + 2e^- ⇔ Cl2(g) + 2H2O :E°=1.63 (V) (ii) Cl2(g) + 2e^- ⇔ 2Cl^- :E°=1.36 (V) (ii) の系の Cl2(g) が (i) の系の Cl2(g) を酸化する自己酸化還元反応。 Cl2(g) + H2O ⇔ HClO + H^+ + Cl^- E1=1.63ー(RT/2F)*ln(pCl2/[HClO]^2[H^+]^2) E2=1.36ー(RT/2F)*ln([Cl^-]^2/pCl2) 酸化還元平衡状態では E1=E2。差を取ると、 E2ーE1=ー0.27ー(RT/F)*ln([HClO][H^+][Cl^-]/pCl2)=0 (V) (RT/F)*ln([HClO][H^+][Cl^-]/pCl2)=ー0.27 (V) (RT/F)*ln(pCl2/[HClO][H^+][Cl^-])=0.27 (V) K=pCl2/[HClO][H^+][Cl^-]=e^{0.27*F/(RT)}=3.7*10^4>>1 逆反応:HClO + H^+ + Cl^- ⇔ Cl2(g) + H2O の平衡は大きく右に偏り、 自発的に HClO + H^+ + Cl^- → Cl2(g) + H2O が起こります。
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- nious
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No.1 ですが、 一般にオキソ酸が酸化剤として働いて、 気体が発生するとき、その反応速度は遅いようです。 例えば HClO4, HClO3, HClO, H2SO4, HNO3 等です。 この中で HNO3 だけは濃度を高くすると、 反応速度が急激に増加し NO, NO2(g) が生じます。 最低でも 3(M) 以上の濃度が必要なようです。
お礼
nious 様 補足頂きありがとうございます。 参考にさせて頂きます。
お礼
nious 様 ご回答頂きありがとうございます。 内容的に、わたしには難しいところもありますが、参考になりました。