• ベストアンサー

ウジは糞便の何を栄養としているのしょうか

汚い話で恐縮ですが、表題の通りの疑問です。自然界で最も多い食料源なのでしょうか。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • 4017B
  • ベストアンサー率73% (1341/1821)
回答No.5

質問者は少し勘違いなされているかもしれません。何故なら「糞便の何を」と問うてますが、実際には人糞を含めたほぼ全ての糞便(排泄物)には、いわゆる一般的な食物とされるモノと同じ様に様々な栄養素が大量に含まれています。 ですので人間も自分のウンコを再利用して食べ続ける事は理論的には可能です。可能ですが…まあ実際には不可能で、それこそが人間を含めた多くの生物が糞便を忌避し、また同時にハエやフンコロガシなどが好んで糞便に集る理由でもあります。 栄養学的、つまり "食べ物" としての糞便を考えてみた場合、前述の様に栄養自体はかなり豊富な食べ物です。そもそも論になりますが、特殊な細菌などを除けば、ほとんど全ての生物は食べた食物を100%完全に消化吸収する事は出来ません。 人間、ホモサピエンスの場合、一般に食べたモノの中に含まれる栄養素の8割を吸収すると言われていますが…コレは食べる前の食事量の重量と、食後に排泄された糞便の重量とを単純比較して言っているに過ぎないので。実際に食物中に含まれていた栄養素をどれだけ無駄なく消化吸収出来たかの正確な数値はよく分からないのです。 近年のマウスを使った糞便内残留栄養素を調査した研究では、タンパク質や食物繊維は当然として、何と様々なビタミン類もかなり多く含まれている事が明らかになっています。ものによっては与えた餌よりも含有率が高くなる傾向を示すモノもあり、「糞便=残りカス」であり栄養素はほとんど残っていないという認識は大きく間違っている研究結果となっています。 - https://www.jstage.jst.go.jp/article/expanim1978/35/4/35_4_381/_article この結果を踏まえると同じ雑食性哺乳動物である人間もある程度は似た様な傾向を示すのではないかと推測出来ます。従って通常、大型生物が排出した糞便にはまだまだ利用価値の高い栄養素が豊富に残っていると考えて差し支えないでしょう。 また仮に9割9分の栄養素が消化吸収されているとしても、ハエなどの昆虫類小動物からすれば絶対的な必要量が人間や牛馬などと比べて桁違いに少なくて済むので、糞便から得られる残留栄養素のみでも十分に賄えるでしょう。 >肉も野菜も危険 とりあえず糞便食でも十分に必要な栄養素が賄えるという認識は持って頂けたかと思いますが、それでは何故に好んで糞便を食べる動物がいるのかと言うと…それは「他にライバルがいない」からです。 野生動物の生活は24時間365日、生まれ落ちた瞬間から命尽きて終わりを迎えるその瞬間まで、一瞬の気を抜く事も許されない戦いの連続です。常に外敵捕食者から襲われる危険に怯えながら、その合間を縫って自分の食べ物を探さなければなりません。そしてようやく苦労して見付けた獲物も同じ様に命がけで戦っていますので、そう簡単には喰われてくれません。例え喰われるとしても、窮鼠返って猫を噛むの例えの様に一か八かで死物狂いで反撃して来ます。 え、だったら普通に草とか葉っぱとかを食べればイイのでは?~と思うかもしれませんが…余り知られていませんが基本的に全て植物には毒があります。人間が今現在、普通に食材として食べている野菜類にも全て毒があります。ただその含有量が少なかったり、人間には効果が無い系統の毒物なので、普段は全く意識せずに人間は野菜を食べる事が出来るのです。 進化の過程で現在主流の被子植物はその体内に毒物を含んでおり、それによって動物から食い尽くされる事を防いでいます。その防御方法は大きく2つに大別され、それらは「難消化性物質」と「毒物」です。 難消化性物質とは読んで字の如く消化し難い物質を体内に大量に含む事によって、動物に食べられてもただでは栄養素を渡さない様にし、一度に大量に食べられない或いは消化不良を引き起こして捕食者の体調不良を誘発させて学習させ、次回以降から積極的な第一食物候補に選択されなくする生存戦略です。代表的な難消化性物質としては「セルロース」と「タンニン」があり、現在でも多くの動物がこの物質を消化出来ません。 もう1つは既に述べました通り、シンプルに体内に毒性物質を生成して捕食者に直にダメージを与える方法です。被子植物の多くはその体内にアルカロイド系毒物を有しており、これは神経系に作用して嘔吐や呼吸困難を引き起こし、大量に摂取すれば死に至るかなり強力な毒物です。有名所ではトリカブトなんかがその代表例ですね。他にもタマネギの「アリルプロピルジスルフィド(有機硫黄化合物)」や、ジャガイモも「ソラニン」なんかが有り、ジャガイモは今でも年に1回くらいは食中毒事件が起きてニュースなんかで報道されてますね。 >糞便食のメリット 前述のように過酷極まる野生動物食生活の現実を顧みた場合、笑い話でも何でもなく「糞便は糞便食者を決して攻撃しない」ので、また糞便は既にその生産元(笑)である排便者が消化し終わったモノですので、毒物自体が既に浄化無毒化されてたり、難消化性物質も排便者の胃酸などである程度までは溶かされて分解されています。つまり既に「毒味が終わった状態」であるとも言え、それが糞便であるというデメリットさえ克服出来れば理想的な栄養食品なのです。 では糞便食のデメリットは何かと言えば、それは「糞便中に含まれる有毒物質」に他なりません。何だよ、結局はまた毒があるんじゃないかよ!~とお思いになるかもしれませんが…まあそうなんです。基本的に肉食以外の選択肢を取った場合、大なり小なりで必ずどこかで何らかの有毒成分と出くわす事を避けられません。だったら最初から草食った方が手っ取り早いじゃんかと思うかもしれませんが、前段で述べた通り通常の植物には毒以外にも「難消化性物質」が大量に含まれています。セルロースなんかはもうそれ自体が植物の体全体を構成する主成分となっています。 つまり通常の植物食だと毒以外にも難消化性物質もクリアしなければならなくなるため、ハードルが2つある事になりますが。糞便食であれば難消化性物質の方は既に分解済みですので、後は残った有毒成分のみをクリア出来ればご馳走にありつける事になります。直にセルロースを消化して栄養に変える事が出来る動物はいないので(腸内細菌の助けが必須)、この難敵セルロースを既に分解してくれているだけで、糞便食は非常に大きなメリットがあると言えます。 それでは糞便に含まれる有毒成分は何かと言うと、これは基本的に排便者の腸内細菌である大腸菌が作り出す「ベロ毒素」です。いわゆる病原性大腸菌O-157のヤツです。この毒素に触れると腸内壁が出血して下痢症状を引き起こし、最終的には何も食べていなくとも下痢症状(下血)が止まらなくなり死に至ります。大変危険な毒素ですが…何とこのベロ毒素は人間には致命的ですが、牛や豚といった家畜類には何の害も及ぼさないのです!また同じく昆虫類を含む節足動物もこのベロ毒素はほとんど無害で、人間にとっては毒物そのものとも言える糞便もハエやフンコロガシにとっては何の問題ない食物となるのです。 --- 長くなりましたので要約しますと… + 糞便には意外と栄養がある。 + 肉食には獲物に反撃されるリスクがある。 + 草食にも毒物のリスクがある。 + 糞便食は安心安全(少なくとも昆虫にとっては)。 + マイナーニッチな食材はライバル不在で独占出来る。 ~となります。 P.S. 糞便を肥料として使う事がありますが、それは糞便に含まれる栄養素を直に利用しているのでは無く。糞便を一時的に肥溜めに保管滞留させて細菌によって発酵させ、それによって二次生成された「窒素」と「リン酸」が野菜などの植物の生育に欠かせない栄養素となります。 植物は動物とは少し違うので、生育に必要な栄養素も違って来ます。水と酸素はどちらも必須ですが、人間などの動物には欠かせない必須アミノ酸は植物には必要ありません。逆に植物は光合成によって必須アミノ酸を作り出す事が出来るため、十分な水と酸素と二酸化炭素と光、そして前述の窒素とリン酸が必要になって来ます。 窒素は大気中に大量に含まれますが、リン酸は自然界にはほとんど存在しないため、植物は常にこのリン酸を必要量確保するために四苦八苦しています。現在、農業で使われている化学肥料は基本的にこのリン酸を補うためのものです。 一般に動物の糞便にリン酸は含まれますが、他にも動物の死骸、特に骨に多く含まれるため、「きれいな桜の木の根本には死体が埋まっている」みたいな伝説が生まれる下地となります。

kaitara1
質問者

お礼

東南アジアのどこかの地域で落下する糞便を家畜に与えているところがあるという記事を思いましました。小便と対照的に大便は栄養豊富なのですね。

すると、全ての回答が全文表示されます。

その他の回答 (4)

回答No.4

 eroero4649様のご回答に加えて 体外で消化できた有機物  ご存じの通り、ハエは幼虫も成虫も顎も 蝉や蚤の様な 吻も歯もありません。 ではどうして食べられるかとな ると消化酵素を体外に撒き散らかし、消化されたものを 啜ります まぁ、大量の酵素タンパク質を必要とするので 唾腺の巨大染色体が選択されるわけですが…  余談ながらこの食べ方は一般細菌や菌類(カビ)には 普通のことになります。  ついでにウジ療法。お肉がごっそり持って行かれます。 とある手術を足首(外側)に受けたのですが、痒くて ギプスを取ったら傷口でシンクロナイズドダンスして おりまして… 今もそこのお肉はほぼ無し。 骨膜の すぐ↑に皮膚がある状態です ではでは

kaitara1
質問者

お礼

消化酵素を外へ出して分解されたものを啜るというのははじめてうかがいました。ウジ療法の後遺症に悩まされたのですね。

すると、全ての回答が全文表示されます。
  • eroero4649
  • ベストアンサー率32% (11216/34842)
回答No.3

あんま詳しく分からんですが、たぶん化学的に変化したタンパク質が好きなんだと思います。糞便って腸内細菌の死骸の塊ですから。 ウジは腐った肉を好むんですよね。だからウジ療法というのがあるのです。ケガなどで皮膚や筋肉が腐ると腐敗して雑菌とそれによる毒が発生して危険ですよね。膿も出るし。ウジは腐敗した部分を好んで食べるので、あえてウジを傷口に置いて腐ったところを食べさせるのです。 腐った肉というのは化学的に変化を起こしたタンパク質ですから。ま、我々人類も自分たちの口に合った腐敗したものを「発酵」と呼んで好んで食べますからね。

kaitara1
質問者

お礼

確かにタンパク質は豊富ですね。昔糞便は野菜などを育てる大切な肥料でした。そのため回虫が寄生している人が多かったようです。

すると、全ての回答が全文表示されます。
  • hiro_1116
  • ベストアンサー率30% (2582/8349)
回答No.2

No.1です。 >生物が作る排泄物はいたるところに存在していないでしょうか。 そうかもしれませんが、それなら、ウジ以外も、それを食物とする方が有利だということにはなりませんかね。

kaitara1
質問者

お礼

植物は糞便を栄養にしているはずですが、動物では具体的には知りません。フンコロガシっていう虫もいますね。

すると、全ての回答が全文表示されます。
  • hiro_1116
  • ベストアンサー率30% (2582/8349)
回答No.1

二つ目のご質問の「自然界で最も多い食料源なのでしょうか」は、おそらくNoだと思います。 なぜ、ウジがいると「自然界で最も多い食料源」と考えられたのか分かりませんが。

kaitara1
質問者

お礼

生物が作る排泄物はいたるところに存在していないでしょうか。

すると、全ての回答が全文表示されます。

関連するQ&A