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「民族自決」の弊害とは?新たな戦争の火種になる可能性も
- 「民族自決」とは、各民族集団が自らの意志に基づいて、その帰属や政治組織、政治的運命を決定し、他民族や他国家の干渉を認めないとする集団的権利ですが、「民族自決」が逆に新たな戦争の火種になる可能性もある。
- オーストリア・ハンガリー帝国の解体や第二次世界大戦終結後の東西冷戦で、「民族自決」の適用により民族間の混乱が生じたことが示されています。
- 中東やアフリカ各地の紛争も「民族自決」の原因の一つであり、国際社会が「民族自決」を放棄しない限り、紛争は解決されない可能性があります。
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「民族自決が紛争を生み出す」という仮説は正しいと思います。ある国を侵略するために、A族とB族の間に紛争の火種を蒔いて、内紛の混乱に乗じて侵略するという手段が取られました。列強国がA族のみを優遇し、徹底的にB族との差別化を進めることで、自分は直接には手を下さずに占領、植民地化を成功させるという手段で、欧米やソ連の共産党が進めました。 1.連合国は戦勝国なので、戦争責任を負わなくてもいいように戦後の外交を先導します。例えば原爆や空襲は一般人を標的にした「人道に対する罪」に当たりますが、東京裁判では基礎すらされていません。トルーマンは当然ながらA級戦犯で裁かれるべきが正当な裁判だったのですが、米国(連合国)主導の裁判では望むべくもありませんでした。 2.世界各地での戦争や内戦は、その各地での政治、民衆の在り方に よると思います。他の部族との敵意や、政権に対しての敵意が紛争の基にあることは確かでしょう。ただし極貧の少数部族が高価な武器を手にする現在の紛争の資金源は、先進国がもたらしています。
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- SPS700
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1。「民族自決」が新たな戦争の火種を生み出したなら、連合国側に戦争責任として追及されるべきでしょうか? いいえ、そうではないと思います。 2。中東やアフリカ各地に紛争が絶えない理由も、「民族自決」が原因なら、国際社会が「民族自決」を完全に放棄しない限り、紛争は消えないのでしょうか? はい。 しかし実際問題として核家族という最小の集団の中でも、親子喧嘩、兄弟喧嘩が絶えず、二家族以上、種族、と増えるとだんだん何を自決するのかわからなくなります、 だからと言って大国が少数民族の宗教を弾圧したり、臓器を取り出して売ったり、集団処刑したり、民の個人情報を盗用してもいけないと思います。 今の戦争は、富の分配が不均衡に行われ、その解決策についての意見が全体主義と自由主義に分かれていることが原因かも知れません。
- koncha108
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この質問はとても回答しにくいです。と言うのが、「民族」と言う言葉の捉え方に日本人独特の物があるらしく、英語や西洋語でその概念に相当する言葉が無いそうです。強いて言うと同じ歴史や宗教、文化・風習を共有するエスニック・グループと、歴史的にある一定の土地 (Nation)に帰属するナショナリティーの中間くらいの意味合いだそうです。日本の場合、人種、言語、歴史、文化、国と国家を日本人が共有しているので、日本人と日本民族(大和民族)をほぼ同義で使っている様です。多分、朝鮮や漢民族が大多数の中国でも成り立つ概念と思います。ちなみに中国はそれもあってか、習近平の夢では、「中華民族の偉大なる復興」としていて、中華民族に60の少数民族も含めるとわざわざ注釈しています。長くなりましたが、もう少しお付き合いを。 「民族自決」と言う概念の代表例として、レーニンの「平和に関する布告」とそれにのっとりつつも対抗したウィルソン米大統領の「14カ条の原則」があるのですが、日本語訳では14カ条の原則には2箇所「民族による自決」が出て来ます。 https://www.y-history.net/appendix/wh1502-007.html 10と12。ただ、これの英文はそれぞれ、 10. The people of Austria-Hungary, whose place among the nations we wish to see safeguarded and assured, should be accorded the freest opportunity to autonomous development. 日本語の民族に対応する部分は、「(オーストリア・ハンガリー帝国の中の)国々(the nations)の中で我々が保護し安全を保証がされることを期待する、地域に住む人々」の様です。 12. The Turkish portion of the present Ottoman Empire should be assured a secure sovereignty, but the other nationalities which are now under Ottoman rule should be assured an undoubted security of life and an absolutely unmolested opportunity of autonomous development, and the Dardanelles should be permanently opened as a free passage to the ships and commerce of all nations under international guarantees. 日本語の民族に対応する部分は、「(オスマン帝国の中のトルコに対し)それ以外の現在はオスマントルコの支配下にある国々(nations) 」 これを解釈すると、ウィルソンが考えて、協商連合国(連合国)が納得しそうな、自治を保証すべき地域(国)に住む人たちで、歴史のあるタイミングで、他の帝国の支配下になっていた人たち、の事を便宜的に民族と訳している様に見えます。ちなみに、nationと言うのも日本語の国とは少しずれていて、しっかりした憲法や法律の元に管理されている国家(state)に対して、日本人どうしで「お国はどちら?」と言う国に近いと思います。 1. 元々ウィルソンの14カ条の原則は、日本語の意味で言うところの民族の自決では無く、帝国主義的な他国の侵略・併合を戦勝国にも認めず敗戦国が帝国主義で占領・併合した地域を手放せと言うのが主旨だったと思います。だからナチスのオーストリア併合は、その原則が守られずナチスを台頭させたことに問題があったのであって、いわゆる民族自決の問題では無いと思います。 2. 中東の問題は複雑すぎて、第一次世界大戦後の枠組みに今の問題の要因を求めるのは難しいです。遠因はもちろんありますが。イスラエルは、様々な人種が含まれるユダヤ教を信仰するエスニックグループによる国家ですが、nationとしては遠い昔に失われていて、強引にパレスチナ人を追い出して国家を作っていて、いわゆるnationとは言いにくい。しかもアラブ人種が20%くらいいてイスラム教ともキリスト教ともいます。イランはイスラム教徒と言うエスニックグループが支配する国ですが、革命前の王政から国土と国民をそのまま引き継いでいるので、nationとは言えるけれど、多くのエスニックグループを含んでいて日本語の意味で言うところの多民族国家。イラクもシリアもサイクトピコ協定でイギリス、フランスの都合で国境が定められた物の、元々異教徒、異宗派のエスニックグループが共存していて、独裁者が現れて支配者集団と被支配者集団に別れ、そこに欧米や周辺国の介入があり、親米、反米にも別れ、グループ間や独裁者、欧米ロシア軍との戦いがあって憎悪の連鎖が細分化して渦巻いていると言う流れと思います。そもそもnationと言える様な共同体が形成されていないのでは無いかと思います。 アフリカも元々種族が共存していて、nationと呼べる様な物が形成されていないうちに欧州各国の介入で国家ができて、種族が支配者と被支配者に別れてしまったと言う流れが多い様に思います。
- princelilac
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民族自決は、少数民族と多数民族を強制的に対等の立場に置く政策です。少数であるなら、住む土地も狭く、消費する食糧やエネルギー、物資も少なくて済むはずなのですが、それを対等にしようとするものです。文化や言語、風習、歴史なども法律で対等にしようとするものですが、所詮は無理な話です。例えば方言を法律で禁止したり、推奨したりするような行為です。 2つの質問はいずれも民族自決権というナンセンスな政策を大国の都合でゴリ押しすることです。少数民族に対して支援をちらつかせ、見返りとして資源を独占する権利を得るような思惑で動いているのです。 「自由」「平等」を唱える運動は、得てしてその真逆の思想を広げるための作戦であることがほとんどです。「不自由」で「不平等」な立場の少数民族を立ち上がらせ、紛争の種を蒔いて世論を二分させ、気が付いた頃には国全体を牛耳るのです。気を付けなければいけません。