きちんとした解説は#1さんと#3がしておられるので、僕は相対湿度と絶対湿度の概念をわかりやすく説明してみます。
電車を例にしてみます。
200人乗りの電車に100人乗っているとします。
相対湿度は、電車の乗車率50%というのに似ています。
絶対湿度は、電車に100人乗っているというのに似ています。
事実はどちらも同じ「200人乗りの電車に100人乗っている」というものですが、言い表し方が違うし、目的も違います。
乗車率50%と言うと込み具合がわかります。
逆にこれだけからは何人乗っているのかわかりません。
乗車率50%という情報に加えて、定員200人というのがわかって初めて「50%=100人」だとわかります。
もし電車の定員が100人なら「50%=50人」になります。
一方、電車に100人乗っている、と言うと、100人が電車の中でいることがわかります。
逆にこれだけからは、込み具合はわかりません。
定員が500人ならガラ空きだそ。定員100人なら満員です。
100人乗っている、という情報に加えて、定員が200人というのがわかって初めて、「定員の半分しか乗ってないな」とわかります。
さて、なぜこのような2つの違った言い表し方(乗車率vs乗客数、または相対湿度vs絶対湿度)をするのか。それは目的が違うからです。
盆休みで自分が帰省したい場合、どれだけ電車が込んでいるのかを知りたいものです。
乗車率50%と聞くと、ラッキー、空いてる、と思います。
逆に経済統計なんかで何人が年間、電車で移動したのかを知りたい場合、人数が知りたいのです。乗車率は何%でもいいのです。
相対湿度と絶対湿度も、目的によって使い分けられています。
日常生活では相対湿度で、80%なら湿度高い。20%なら乾燥してる。という風にわかって便利です。絶対湿度より相対湿度の方が、湿っている-乾いている、というのをあらわすのに適しています。
乗車率が、込んでいる-空いている、というのをあらわすのに適しているのと同じです。
逆に科学計算なんかでは水分子が何g/m3というような絶対値が必要な場合が多いです。
さて、この2つの換算ですが、重複になりますが基本的に「乗車率50%」と「100人乗っている」というのは別々の情報です。
定員がわからないとこの2つの情報はリンクしません。
定員が6人なら50%というのが3人のことだし、定員1000人なら500人です。定員がわかってはじめて、2つの情報を換算して比べることができます。
湿度の場合、電車の定員にあたるのは気温になります。
飽和水蒸気曲線という、空気の温度と水蒸気の「定員」の関係を表す曲線があります。
大雑把に言うと、気温が上がれば定員が上がります。だから昼間は夜に比べて、絶対湿度は上がっても相対湿度は下がりがちです(気温=定員がそれ以上に増えるため)。