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カルチュラル・スタディーズについて
カルチュラル・スタディーズに興味を持っています。入門書などを何冊か読んでみました。いろいろとためになります。 さて、質問なのですが、カルチュラル・スタディーズは、学問横断的ですよね。私はちょっと勉強するまで勝手に(文化が実践される社会的・政治的な文脈を分析するという意味で)社会学や政治学の分野だと思っていましたが(すみません・・・)、違いますよね。 そこで、「カルチュラル・スタディーズ」を大学で専門に勉強したい、という場合はどこの科に進むのが一般的なのですか?大学によって違うのですか? また(アメリカなど英語圏の)海外の大学での扱いはどうなのでしょう?できれば海外で本格的に学んでみたいとも思っているのですが、やはり社会科学や政治科学に取り込まれているのでしょうか? 今まで学問の畑が全く違っていたので、初歩的な質問かも知れませんが、よろしくお願いします。
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和光大学には「表現文化学部」というのがあり、最近カルチュラル・スタディーズについての入門書を何冊か出して有名な上野俊哉氏などがいます。 ここからは、個人的な見解です。 現在、日本で「カルチュラル・スタディーズ」という学問は、大学などの高等教育機関ではほとんど制度化されていません(その意味で、和光大学は珍しい)。ということは、逆を返せば、もし「研究」の道でキャリアを求めたい場合、「カルチュラル・スタディーズ」専門家として採用されるということは相対的に困難だ、ということです。多くの人は、文学・歴史・社会学・政治学…などの制度化されたディシプリン(学問分野)の中で、カルチュラル・スタディーズ的な発想を学び研究に取り入れることで、カルチュラル・スタディーズを行っているのではないかと推測されます。ですから、カルチュラル・スタディーズ的な関心の持ち方やアプローチ法に理解のある先生のいる学部・学科で学ぶというのが、一番効率的なのかもしれません。特に文学系(英米文学、日本文学など)では、多いのではないかと思います。そのほうが、将来的に「カルチュラル・スタディーズ」で教員公募があったときにも、既存のディシプリンでの公募があったときにも、どちらにも対応できます。また、既存ディシプリンはまだまだ勢力が大きいので、「非」既存ディシプリン出身者がそこに割って入って職を得るのはそうやさしくないと思います。要はトロイの木馬みたいなやり方をすべし、ということでしょうかね? 日本では女性学といえば、まだまだ講座を設置しているところは多くなく、多くのフェミニズム研究者は文学や心理学、社会学や歴史学のポストに身を置いています(上野千鶴子が社会学、田嶋陽子が英文学だったように)。カルチュラル・スタディーズの現在置かれている状況は、それに似ているのではないかと推測されます。 ただ、大学の研究者になりたいわけではない(たとえばジャーナリストなど)、ということであれば、また別です。むしろ和光大の表現文化学科のようなタイプの学部学科のほうが、学際的・学問分野横断的にさまざまな知に触れることができ、有益な面も多いのではないかと思われます。
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- mon03
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カルチュラル・スタディーズといっても、いろいろあるので、どこの学科科と言われても答えが出ないと思うのですよ。いちおう、社会学、政治学、地域研究(アメリカ科など)、文学、歴史学とかでしょうか。 ただ、将来、英語圏の大学でも学びたいというのでしたら、英語を堪能にする必要がありますよね。だとしたら、英文学のある一流総合大学に進むと良いのではないでしょうか。ポストコロニアル批評だとかフェミニズム批評なども、ほとんど英文学研究者ですよね。それから世俗的な話になりますが、英語を専攻すると、大学教授になるのであれ、民間企業にいくのであれ、比較的有利です。潰しもききます。 念のために書いておけば、和光大学のような個性的な大学に進学するのではなく、普通に一流大学を目指したほうが無難です。(和光大学は、モグルのには最適です)。英文学が嫌なら、東大教養学科、一橋大学社会学部などが良いのではと、個人的にはお勧めまします。
お礼
こんにちは。 スミマセン、私は日本では医学部卒なのです。いろいろな問題意識はあるので手当たり次第本を読んだり、時間があるとき現代思想系の人の講演を聴いたりしていますが、学生時から学問の畑が全く違うので、キーワードから検索云々の前の時点で「カルチュラル・スタディーズ」の扱われ方そのものが知りたかったのですよ。ですから質問も「私が(大学に)行きたいので、アドバイス下さい」という質問ではなく、「どこの科で扱われているのか?」という初歩的な質問をした次第です。つまり「そういう問題意識がなく情報を求められても困る」ということ自体がわからない段階なのですよ。ですから >よって、いちおう、社会学、政治学、地域研究(アメリカ科など)、文学、歴史学とかでしょうか。 >ポストコロニアル批評だとかフェミニズム批評なども、ほとんど英文学研究者ですよね。 という情報でも、ふむふむ、そういう状況なんだ、とありがたいわけです。あまりに初歩的な段階で申し訳ないです。 海外の情報を知りたかったのは、英語圏に来年から住むためで、このような分野で大学に進学(というか、もう一度大学に行って勉強)したいと思った場合は海外の大学になるからです。 というわけで、していただいた回答は大変参考になりました。ありがとうございました。
お礼
大変参考になりました。上野俊哉氏については知っていましたが、大学については全く知りませんでした。確かに「女性学・フェミニズム」も日本では講座がまだまだありませんね・・・。英語圏の大学では、ほとんどの大学であるように思いました。 重ねて申しますが、回答は大変参考になりました。もやもやとわからなかった事がきれいすっきりにわかりました。やはり、講座としての「カルチュラル・スタディーズ」はまだ日本では(和光大学を除けば)ない、ということですね。 もし英語圏での事情もご存知でしたら、そちらも教えていただけるとありがたく思います。一度回答頂いた上に厚かましいお願いで申し訳ありません。 回答、どうもありがとうございました。