文書の「偽造」とは、作成名義を偽った文書を作成することです（運転免許証の写真や氏名を変えるなど、新たな文書を作ったと言えるほど重大な部分を変えた場合を含む）。
文書の「変造」とは、作成名義はそのままで、文書の非本質部分に変更することです。
「作成名義」とは、簡単に言えば「その文書の正当な作成者」のことです。「その文書を作成する権利・権限を持つ人」と言ってもいいでしょう。
公文書とは、「官公署・公務員」が「職務上」作成する文書のことです。公務員が作っても、単なる備忘メモ（どんなに詳しくても）や、同僚間の連絡書などは公文書になりません。
さて、改竄が問題になった文書は「公文書」でしたっけ？ 公文書なら、
Ａ：作成名義を偽っていれば（作成名義人でない人が作成名義人の名前を使って文書を作成していれば）偽造です。
Ｂ：作成名義人でない人が、作成名義人名を偽らず、元からある文書の枝葉部分の内容を変えたなら変造です。
Ｃ：作成名義人が自分の名前・権限で文書を作成していれば、たとえ内容がウソでも偽造になりませんし、変造にもなりません。虚偽公文書作成罪になります。
結局、れいの『公文書の「改竄(改ざん)」は、公文書の「変造」とほぼ同じか』どうかは、文書作成権限・義務の有無とその文書の作成名義がどうなっているかなどなどの要因で決まります。
複雑なので、いま結論を出すことはできません。
> 公文書の「偽造」罪と、公文書の「変造」罪とは、法定刑は同じ
です。
但し・・・ 文書偽造罪については「目的犯」です。行使の目的がなければ犯罪不成立です。文書変造罪についても目的犯だったかどうか、記憶がハッキリしません。たぶん、同じです。が、刑法条文をご覧になってください。同一条文の一項と二項です。
なお、法定刑は偽造も変造も同じです。
補足
偽造と変造の詳しいご回答ありがとうございました。 大体、分かりました。 偽造と変造についての良い書籍(刑法各論の本)があれば、お教え頂けませんか?