リーダー格の武士を殲滅することはあっても、一党殲滅は不可能だと思います。歴史をみても、棟梁・謀反人の男系は殺されても、あとの多くの人々は命を救われて、亡くなった人の霊を慰め、冥福を祈って日々過ごしていますよね。
昔読んだ本には、こんなことが書かれていました。
辺鄙な山村では、村人以外との交流はままならない。狭い村の中で婚姻を重ねていくうち、いろいろな問題が起こってきた。そんな村にも時折来訪者がある。山で修行する山伏、聖、他の村を追われて来た者・・・。村人たちは、彼らを歓待し、村の女を世話した。それは、村の存亡を左右する大切な行為であった。歓待された者は、村を去るとき、実は自分は何某と言う立派な氏の出である。世話になったお礼に、またもし、子ができたなら、その子のためにも、家系図を残そう。などと言って、でたらめな、少しばかり聞きかじった知識で家系図を書く。あるいは、みなさんはこんな山奥で生活するような人たちじゃない。世が世なら天上人の近くにいらっしゃる人たちだ。と、持ち上げいい加減な作り話を聞かせる。家系図を書いてやる。それを後生大事に保管した。
といった落人村がたくさんあったようです。
日本人は、どうしても判官贔屓なところがあるので、平家の落人という方が希少価値もあって、喜びます。平家もいろいろ。棟梁から下人まで、何がしかの関係があれば、すべて平氏の落ち武者といっているかもしれません。確かめるのは、不可能でしょう。mieekoさんのおっしゃるように「事実か嘘かは、あまり追求せず夢のあるお話として」受け止めるのが良いように思います。
補足
「落武者となり山間部などに隠れ住む者が出たことも、資料的には事実のようです」の史料をぜひ参照したいのですが、刊行されていますか?『大日本史料』のように。