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マルテンサイト変態と無拡散変態の比較
- マルテンサイト変態と無拡散変態の成長伝播速度は約100000cm/secであるが、水焼入れと油焼入れで残留オーステナイト量が異なる。
- マルテンサイト変態と無拡散変態の特徴の一つは成長伝播速度の高さであり、約100000cm/secと非常に速い。
- 水焼入れと油焼入れでは、マルテンサイト変態の成長伝播速度に違いはないが、残留オーステナイト量には差が現れる。
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大変古い質問ですが、内容が高度で、専門家でないと答えられないため、質問検索される方のためにも、回答を投稿します。 1. 伝播速度。回答(1)の通りです。 2. 水冷と油冷での残留オーステナイト量の違い。炭素鋼の焼入でも、水冷材よりも油冷材の方が残留オーステナイト量が多くなります。それを示した例が文献(a)の図1にあります。図の説明は1頁目の右下にあり、「水冷に比して油冷の方が多くのオーステナイトを残留する」と書かれています。 3. 原因。冷却過程での「オーステナイトの安定化(stabilization)」が原因です。詳細は文献の3節を見てください。簡単に言うと、マルテンサイト変態量は温度に支配されているので、連続急冷すると順調に変態が進みます。しかし一度冷却が滞ると、次に変態を再開させるには、少し大きく温度を下げることが必要になります。多分反応を進めるために必要な活性化エネルギーが増加するものと思われます。油冷も一応連続冷却ですが、水冷に比べると冷却過程での安定化が大きくなるわけです。
>マルテンサイト変態は無拡散変態で、成長伝播速度は約100000cm/sec この意味は、一つの結晶粒について、マルテンサイト変態が起こるのは 極めて短時間に完了することを意味するものであって、マクロでみた場合 のマルテンサイト変態が短時間に終了することを意味するものではありま せん。マクロなマルテンサイト変態は、温度範囲MsからMfに亘って時間を 掛けながら進行するものと理解した方がいいと思います。 このために、冷却速度によって残留オーステナイト量が変化するものと 思います。十分な説明にはなっていないで済みません。冷却速度と残留オ ーステナイトの関係の一例を参考URLに示します。 最終的な冷却温度だけで、オーストナイト量が決まるのであれば、熱処理 の理論は随分と単純化されるものと思います。履歴(温度や時間の経過) が結果を決めるおおきな要素であることが、熱処理のポイントと思います。 ご不満かとは思いますが、これ以上の説明はは小生の手に余ります。専門性 の高い方からの回答がつくことを期待します。
お礼
ご回答ありがとうございました。 冷却速度によって残留オーステナイト量が変化するのは理解できます。 しかし、冷却速度が異なっても、最終的な冷却温度が同じであれば残留オーステナイト量は同じになるように思うのですが、何故オーストナイト量が異なるのでしょうか? 知見がありましたら教えていただけると幸いです。 よろしくお願いします。