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遅れ破壊とは?
- 遅れ破壊は高強度ボルトだけでなく、他の形状の部品でも起こり得る可能性があります。
- SUJ2やSKD11などの焼き入れされた部品での遅れ破壊の実例は存在するのか疑問です。
- 遅れ破壊を防ぐためには、中心の焼き入れや水素の侵入を防ぐ対策が有効かもしれません。
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水素脆性処理としてよくベーキングで水素を飛ばすと聞きますが正確には飛ばすのではなく(部品外)部品内の拡散水素を拡散させるが正しいです。 つまり鋼中の水素量はベーキング前と同じでその水素が一箇所に集中しないように拡散させるのがベーキングの目的です。 中心に焼きが入ってない部品、象徴的なのがタッピンねじで浸炭処理により表面はHv700、中心はHv400程度。このタッピンねじでもベーキングはMUSTです。 又、ちょっとしたベーキング処理のミスで遅れ破壊は起きてます。 形状がシャフト形状、限りないストレート形状で軸力やトルク等掛からない仕様では衝撃による破壊はあっても遅れ破壊は聞いた事が無いですね。最もきちんと焼鈍した話ですが・・・ 水素の介入ですが基本的に鋼を酸洗いすると発生します。よってメッキの種類では無く処理の方法で見極められます。例えばダクロ処理(ジオメット)等は良い例でしょう。
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遅れ破壊とは材料用語集やねじ用語集の解説では 「腐食性環境の中で材料に一定の応力をかけておくと、ある時間後に破壊す る。これを遅れ破壊という。」 「使用環境から鋼材に侵入する水素によっ て、鋼材の延性又は靭性が低下した事による影響で、引張強さ以下の負荷応 力のもとで、ある時間経過後に突然脆性的に破壊する現象。遅れ破壊は、強 度が高い鋼(引張強さ1200MPa以上)ほど感受性が高くなると言われている。」とあります。 つまり環境要素による電気化学的な腐食が原因となります。こうした要素に 感度が高いほど遅れ破壊の確率は高くなると考えます。 参考論文を添付しておきます。
小生は、三つの要因が大きいと考えます。 先ず、一つは貴殿が記述の水素脆性。 次の一つは、熱処理(焼き入れ)や転造による内部応力。 最後の一つが、ねじ特有の引張応力作用です。 これが一番大きいと考えます。 理由は、ねじの軸力はねじ締めトルクにより発生し締結力となります。 このねじの軸力は、外部からそれより大きな力(応力)が掛からない限り常に一定です。 また、外部から締付トルクで発生する軸力より大きな力が掛かる使用方法は、ねじの 締め付け使用方の範囲では非常に稀です。 ですから、ねじの軸力設定は許容応力的観念がなく、“最小引張破断荷重”にて 設定される事が多いです。 ですが、振動等がねじに掛かるとねじが緩みますが、その原因としては軸力が一瞬なくなる 事が知られています。 その逆で、軸力の2倍程度が一瞬掛かる事も予想できます。 すると、荷重条件は片振りや両振りの繰り返し(動)荷重条件に近くなり、大きな意味で の疲労限度が発生するので、ねじの“最小引張破断荷重”と“軸力”の設定が重要に なると考えています。
過去、水素脆性について詳しい人はメッキ屋さんが多かったと思われるが、お尋ねの全般的な内容に即答できるプロが現れるのかナ? 抽象論でなく具体的に特定して聞いた方が、私レベルでも答えやすいのでは >SUJ2やSKD11をHRC60 軸受や金型の材料。これで連続静荷重を受ける使い方はあまりしないので、遅れ破壊とは異なる。とくに金型は応力限ギリギリで使うから『アー、ヤッパリ、ダメか、でも水素脆性だったのかナァ?』で済んでしまう。 問題になりそうなのは、ハードクロムかけて使う場合。当然ベーキングしないとダメで、メッキ屋さんの役割重要。 あと、水素を取込みそうな使い方があるのかもしれないがよく判らない。 ・中心の焼きは入っていない → △ SUJ2の高周波など中心部は殆ど関係しないハズ ・引張応力がかかってない → ○ ・切り欠き係数が低い → ○ ・水素が侵入していない → ○ のどれか<でなくて全て>があれば遅れ破壊しない。 このサイト内検索では事故例無し。 失敗知識データベースを調べると、遅れ破壊の登録は2件ともネジのメッキ。ベーキング忘れ1件と、可能性が捨てきれない1件。 まぁ、危険性を忘れないこと、作業確認の充分な体制があれば心配しすぎるには及ばないっいうことかと。 実際に事故起きて、上記作業忘れみたく単純でなかったら、究明には大変な努力を要すと思います。 失敗知識データベース ジェットコースター事故 ← 原因は疲労破壊だったが 言葉で検索可能 http://shippai.jst.go.jp/fkd/Detail?fn=0&id=CZ0200802 <↑自信あり>はチェックミス…
水素だけ悪者に するとはまると思う http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E7%B4%A0%E3%81%9C%E3%81%84%E5%8C%96 しかし、ぜい化を引き起こす影響因子が多く複雑にからんでおり、その本質が現在も不明である。つまり、水素ぜい化は拡散性水素の局在化に関連した現象であるため、水素量のほかに、拡散のパラメータである、時間・温度のほか、応力状態(応力三軸度)・ひずみ・そもそもの材料強度にも依存する。加えて、材料中の拡散性水素の挙動を把握することも困難であり、本質的解明を阻害している。 強固な設計を目指すより 力を受け流す設計にしたほうがいいと思う