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SKD11の方がなぜ焼入れ歪が小さくなるのか?
- 鋼球を使ったクイックジョイントの設計において、鋼球がテーパ面に当たる部分の材質をSUJ2の焼入れ焼戻しで製作しましたが、加工メーカーからSKD11を使った方が焼入れ歪が少なくなり加工費を低減できると提案を受けました。しかし、SKD11がなぜ焼入れ歪が小さくなるのかが理解できておらず、回答ができていません。
- SUJ2の場合、焼入れ時に歪みが生じるため、研磨の範囲が広がります。一方、SKD11は焼入れ時に歪みがほとんど生じないため、旋盤で精度を出すことができ、研磨の工程を減らすことができます。これにより、加工費を低減することができます。
- SKD11の方が焼入れ歪が小さくなる理由としては、材料の特性や組織が関係しています。SKD11は耐摩耗性や硬度が高く、焼入れ時の変形が少ない特性があります。それに対して、SUJ2は焼入れ時に歪みが生じやすく、変形しやすい特性があります。そのため、SKD11を使用することで焼入れ歪を抑制し、加工の精度を向上させることができます。
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回答(1)さんのデータよりは少しだけ見やすいと思えるものを示します。 SKD11とSUJ2は用途が異なる為、同列比較データは少ないようです。 ..↓...↓ SLD...YCS3に近い 比較で変寸率=焼き入れ歪みは3倍ぐらいの差があります。説明は回答(3)さんの通り。 SKD11の加工性も回答(3)さんの通り。 研削加工では、加工体積/砥石摩耗体積=研削比という指標があるが、WA砥石ではSUJ2は10以上なのにSKD11は1程度、つまりワークと砥石が同量減るような極端な違いがあります。 CBN砥石ではその差が目立たなくなるが、削りにくいことは確かです。 材料費もSKD11の方が高いので、普通は改良方向が逆のような気がします。 <追>SKD11の加工性の悪さを改良した鋼種も、この日立金属に限らず各社出しています。
「なぜSKD11の方が歪が小さくなるのか」 「歪み」という言葉の意味にもよります。 熱処理による変寸(膨張収縮)なのかか、反り(ソリ)なのか。 どちらの「歪み」にしても、SKD11の方が小さいと思います。 まず、焼き入れ方法として、SUJ2は油焼き入れする必要がありますが、SKD11は空気焼き入れ鋼ですので、真空加熱+ガス冷却が普通です。ゆっくり冷却しても焼きが入るので、ガス冷却の方が反りは小さくなります。取り代を付けておいて、それを仕上げで削り落とすことになると思いますが、その場合、黒皮(酸化スケール)も少なく、その意味でも取り代が少なくて済みます。 次に、どちらの鋼種も熱処理(焼き入れ)で膨張傾向にありますが、SKD11の方が膨張量が小さい傾向にあります。(私もデータを持ちませんが。)また、SKD11では、焼き入れの後の焼き戻し温度を調整することにより、変寸量を調整できます。回答(1)参考 SUJ2では、焼き戻しは低温(180℃程度)であり、これを変える(上げる)と硬さが低下してしまいます。SKD11なら、硬さをあまり下げることなく、ある程度は変寸量を調整できます。絶対60HRCが必要となると微妙ですが。 SKD11は耐摩耗性が非常に高く、削り難いので、逆に嫌うメーカーさんもあります。結局は削った方が安いよ、みたいに。まあ、条件によりますね。
両者とも同じ焼き入れでしょうか? 高周波で表面だけや、窒化処理等で、SKD11を硬度アップする等での比較ではありま せんか?
参考URLにSKD11の熱処理変寸率特性が掲載されているので ご覧下さい。 同様のデータがSUJ2についても見つかればいいのですが、簡単に 検索した範囲では見つけられませんでした。 何かの参考になるかもしれませんので、過去のQ&Aを貼っておきます。