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フッ素樹脂(PTFE)の特性
精密機械の機構設計を行っています。 装置内にテーブルを受けるベアリング入りの樹脂ローラがあるのですが、 回転しているうちに変形が生じてしまいます。 推測ですが、原因は樹脂ローラがベアリングに対して追従して 回転しておらず、すべり接触することにより変形していると思われます。 【ローラ】 ・外径:Φ18 ・内径:Φ13-0.05/-0.15 ・幅 :5 【ベアリング】 ・686-ZZ(外径:Φ13) 使用環境は0℃~常温を不定期に繰り返し、常時水に浸っています。 PTFEの特性上、温度や水分に対する許容は大きいと思うのですが、 実際には何かトリガーになるような現象があれば物性値が変化してしまうのでしょうか? 対応策として、ベアリングの圧入代を大きくしようと考えておりますが、 どの程度が妥当なのでしょうか? ベアリングと樹脂ローラがお互いに追従して回転すれば、ベアリングの 引き抜き力は問いません。 何かご存知のことやアドバイスを頂ければ幸いです。 よろしくお願い致します。 質問に回答して頂きました皆様、ありがとうございます。 その後の状況報告と質問がありますので、追記させて頂きました。 ・ベアリングを圧入したPTFEローラは、時間経過と共に 圧入がゆるくなりました。 但し、ゆるくなるが、ローラは変形する場合としない場合があります。 ⇒この原因については、構造上の問題も起因していると考えています。 ●ローラを装置に組み立てる際、組立先である2つの協力会社のA社でのみ 変形が発生している。 ※ここで質問です。 ・PTFEの特性上、0~20℃付近で最も変形するようですが、 温度が高い状態(30℃程度、或いは人肌の温度)で組立・調整したと仮定 すると、この温度域でローラとテーブルのクリアランス調整をしても、 実際の使用環境(0℃~常温の繰り返し)では、 組立時と比較してローラは膨張するのか、或いは収縮するのか どちらになるんでしょうか? 膨張するのであればクリアランスが小さくなり、変形につながるのは 理解できますが、各温度域の線膨張係数から判断する限りでは、 収縮するように思います。 初歩的な質問のように思いますが、回答頂ければ幸いです。 よろしくお願い致します。
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PFAコーティング等で実施するのは、 ベアリング外周面のみ、薬品で腐食させ、表面粗さを上げるです。 ベアリングが過酷な使用条件でない(低負荷低速回転)なら、はけ塗り でベアリング外周面のみ腐食&洗浄させたら如何ですか?
他の回答者さんと同様ですが、 ? ベアリング(鉄鋼)とPTFE(樹脂)の線膨張率の差 ? 樹脂特有の熱クリープ現象<圧入代拡大の効果は、これを要確認> ? ベアリングの外径表面仕上げ精度とPTFEの摩擦係数 <摩擦係数が低いPTFE材料なので、グリップ力が低くなる> ? PTFEの非粘着性 が要因でしょう。 対策は、ベアリングとPTFEのグリップ力を上げる(例えば、凹凸形状 でグリップ力を上げる。<結果的に、摩擦係数を上げる> 叉は、諸事情や諸問題があるでしょうが、PTFEコーティング(できれば、 PFAコーティング)を考えてみれば如何でしょうか? 以下に、特性表等の資料を記します。 http://www.ka-giken.com/tokusei.html 若しくは、PFAライニング。
補足
回答ありがとうございます。 >対策は、ベアリングとPTFEのグリップ力を上げる とありますが、ベアリングはメーカ品のため加工できませんが、 樹脂ローラの表面粗さを上げるということでしょうか? ローレット加工など、金属に行うのであれば有効なように思いますが、 樹脂にはあまり効果が期待できないように思いますがいかがでしょうか? 具体的なアドバイスを頂けると幸いです。
回答(1)さんも書いていますが、PTFEは非常に柔らかい材料です。 いくら強い力で圧入してもクリープでだんだん穴が広がり、そのうち抜け落ちます。 またPTFEは金属の数倍~10数倍の線膨張係数があるため、0℃~常温といった使い方では中の金属との線膨張係数の差から圧入の力が弱まります。 特に20℃付近に転移点があり、大きな体積変化を起こすため注意が必要です。 普通市販の樹脂ローラ(ベアリング入り)だと外側の樹脂素材はPOMやMCナイロン、U-PE、PEEK等が使われており、PTFEは非常に例外的だと思うのですが、PTFEでなければいけない理由は何でしょうか? どうしてもPTFEという事であれば、接着しかないと思うのですが、それほど強い接着力ではありませんが、PTFEの表面を荒らす処理を行い、エポキシ系の接着剤を用いれば接着可能です。
お礼
回答ありがとうごさいます。 PTFE採用の経緯は、他の樹脂では摩耗量が多かったこと、吸水による変形を避けるためです。 PTFEの線膨張係数が20℃(≒常温)付近に転移点があるのは知りませんでした。この温度域で大きく体積変化を起こすのであれは致命的ですね。 恒久対策としては、PTFEから他の材質への変更を考えております。 現状、PTFEで量産しているため大きな変更ができないため、暫定対策として ベアリングとローラの接着方法を検討してみます。
PTFEの特徴として、化学的安定性、吸水性ゼロ、低摩擦係数、熱膨張率大、軟らかい、があります。全て数値は省略。 これだけで現象は説明出来ると思います。 熱膨張率大+低摩擦係数+軟らかい=変形、ベアリングを圧入固定 しにくい 化学的安定性+吸水性ゼロ+軟らかい=物性値は変化しない。機械的には クリープ変形が生じやすい 対策 ●ベアリングの一部に凸を形成してカラ滑りを抑制できないか。不可能なら凹でもある程度効果あり。 これは全く別分野で経験してます。接着不能なので機械的アンカー効果を持たせるしかない。凸部材とベアリングは接着可能だし、溶接なども考えられます。 ●常時水浸でベアリングは大丈夫?
お礼
回答ありがとうございます。 まず、常時浸水については耐水性のものを使用しており耐久試験でも 確認しておりますので問題はありません。 クリープ現象ですか。 なるほど。そこは頭になかったですね。 そもそもPTFEを採用するに至ったのは、他の樹脂では激しく摩耗してしまうことや、 水分による変形を避けたかったためです。 耐久試験ではこのような不具合が生じなかったので問題ないと判断していたのですが、 厳密には耐久試験と最終の量産品と条件が多少異なるところがありましたので うかつでした。 ベアリングとPTFEの固定方法(接着)について、検討してみようと思います。
お礼
本件について、業者と打ち合わせをしました。 その結果、ベアリングの外周を何かしらの形で表面粗さを上げる方法は お勧めできないとのこと。(ここの業者では難しいのかも知れませんが。) と言う訳で、圧入代は変更せずにエポキシ樹脂系の接着剤での ベアリングとローラを接着させることになりました。 試作品が出来上がり次第、評価したいと思います。 ありがとうございました。