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ろうづけ製品の歪みメカニズムについて(再質問)
- 質問を締め切っておきながら、アドバイス頂いたコメントの一部に対して現実と異なる点に気づきました。それは、ろう付け後に発生するインボリュートスプライン歯形の変形のメカニズムに対する説明の箇所です。
- テスト結果によると、ろう付け時の変形も圧入時の締代に対してほぼ比例的な変形を確認しました。つまり、圧入代が大きいと圧入時変形とろうづけ時変形は共に大きくなったということになります。
- また、圧入箇所が外側から高周波コイルで熱せられた時、ワークは自然空冷で常温に戻りますが、変形は過熱された時に生じた変形量がそのまま残ると解釈することができます。加熱時間が長いと塑性変形が大きくなる可能性もあると考えられます。
ろうづけ製品の歪みメカニズムについて(再質問)
質問を締め切っておきながら、アドバイス頂いたコメントの一部に対して現実と異なる点に気づきました。 それは、ろう付け後に発生するインボリュートスプライン歯形の変形のメカニズムに対する説明の箇所です。 頂いたアドバイスは、 「この残留した応力により加熱時に変形が発生する。残留している応力が一定なのだから、材料温度が一定ならば、当初の圧入代によらず変形量は一定になる。」 でしたが、テスト結果は「ろう付け時の変形も傾きは小さいですが、圧入時の締代に対しほほ比例的な変形を確認しました。」 つまり、圧入代が大きいとそれだけ、?圧入時変形 ?ろうづけ時変形は 共に大きくなったということになります。 この矛盾点をどう理解すればいいのか?改めてご指導いただけないでしょうか?よろしくお願い致します。 尚、「【A】だけをロウ付け時と同じくらいの温度まで圧入せずに単品状態で加熱できた場合に歯面の変形は同様に発生するものでしょうか?」という質問をさせて頂き、「応力を発生させているものがないので変形しない」という推察をお聞きしました。 この部分は、変形の発生メカニズムを明快にする重要なことだと思いましたので、現物でなんとか確認してみようと考えています。 現物ワーク【B】の圧入部の径を【A】の径よりも大きく修正して、圧入しない状態を造り、加熱条件を変えないで、?銀ロウ無し ?銀ロウありでロウ付け作業を行ってみたいと計画しています。 この状態で変形量を確認して、推察頂いたことを証明してみようと思います。 準備に少し時間がかかりそうですが、結果がでたら ここで報告したいと思います。 基礎知識不足で疑問が膨らんできます。 圧入時に耐力に負け、中側の中空部品(スプラインブッシュが加工されています)が歯形を狂わせるように塑性変形することは理解できます。 圧入箇所(詳細には、圧入箇所の上側のろうを流す部分)が外側から高周波コイルで熱せられた時、説明の通り耐力は低下し、変形が加速することを理解しようとした時、ワークは自然空冷で常温に戻りますが、変形は過熱された時に生じた変形量がそのまま残ると解釈すれば、いいのでしょうか? もし、そうだとした時、その現象を何かに例えて説明して頂くことはできないでしょうか? テストデーターの一部を紹介させて頂きますと・・・ ?圧入締め代が、φ0.037あった場合、圧入時にBBDの変化量は-0.037、この状態でろう付けを行った後に同じくBBDの変化量をみると-0.084(ろう付け単独で-0.047) ?圧入締め代が、φ0.010だった場合、圧入時のBBDの変化量は-0.004、この状態でろう付けを行った後に同じくBBDの変化量をみると-0.037(ろうづけ単独で-0.033) ※BBDの測定位置は圧入箇所の長さエンドに近い場所(奥側)です。直交座標を仮定し2方向の測定結果を平均しています。 上記の傾向に、更にろう付け時の加熱温度(加熱条件的には、加熱時間の増減で中部品への熱伝達で最終到達する温度も変化していると判断しています。)が大きな要素として変形量に変化を与えているということは、1回目の質問投稿で説明したとおりです。 ※銀ロウの溶解温度としては、液相線650℃、固相線620℃です。 圧入の時の塑性変形の引き金は、引張りと圧縮だと思います。 これを加熱した場合、耐力低下による塑性変形の進行の他に、【A】と【B】の熱膨張の仕方が異なることによることが外力とはならないのでしょうか? 加熱時間が長いと塑性変形が大きくなることに注目すると何か関係がありそうな気がするのですが・・・・ 1回目の投稿です http://mori.nc-net.or.jp/EokpControl?site=default&event=ZE0002&tid=308377
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反りや曲がり、ねじれの部類の変形が、大きな割合を占めているのでは。 tanは、隣辺分の対辺(対辺/隣辺)ですから、隣辺=圧入代って考察するなら、 対辺も比例して大きくなり、入り難くなりますってな具合です。 さて、設計ではインロウはできるだけ短くとなっていて、30mmの板厚にφ40mmH7穴を明け、 軸又はボス形状の物をφ40mmh7でインローセットする場合は、5mm程度を接触させ、 後はφ39.8のマイナス位とし、表面仕上げコストもカットする考えで設定します。 それ位、隙間が狭い厳しい物なので、異なる対処か、是正工法を用いるべきと考えます。 昔は、角ねじのナットとねじを合わせ確認していましたね。 それと、同類位精度の厳しい分野(製品)です。(マシン精度と環境が「相対的にです)
すいません素人のたわごとです >?銀ロウ無し ?銀ロウありでロウ付け作業を行ってみたいと計画しています。 と、あるので ろう材自体の張力から受ける応力の影響は無視できるほど微細なものか否か? 因みに私は電気屋 電子部品をハンダ付けする際に極度に小さい部品はハンダの収縮応力が問題になります http://www.murata.com/ja-jp/support/faqs/products/capacitor/mlcc/mnt/0001 このような事は考慮に値しない微々たる応力かも知れませんが ご参考までに
お礼
回答ありがとうございます。 決定的なことは言えないのですが、初めに投稿した説明にも載せた通り テストの過程で、圧入後ろう付けするパターンとロウを流さず同じ条件で加熱した場合で、インボリュート歯形の変化を調べました。 結果としては、ロウを流さないものも大きく変化しており、私の考察では変化のしかたもロウ付けした場合と変わらない程度と判断しました。 したがって今回の場合、とりあえずロウの影響は少ないものと仮定しましたが、次のテスト(圧入しないで加熱する)の際、もう一度この仮定を確認する意味で2つのパターンでテストしてみようと考えております。
「圧入代が大きいとそれだけ、?圧入時変形 ?ろうづけ時変形は共に大きくなった」「この矛盾点をどう理解すればいいのか」。 質問にある事例をまとめると下記の通り。 圧入代0.010の時、圧入時変形-0.004、加熱時変形-0.033[今回質問から] 圧入代0.025の時、圧入時変形-0.022、加熱時変形-0.015[初回質問から] 圧入代0.037の時、圧入時変形-0.037、加熱時変形-0.047[今回質問から] 圧入代が大きいとそれだけ?圧入時変形は大きくなっており、疑う余地はない。一方「圧入代が大きいとそれだけ?ろうづけ時変形は大きく」なっていない。 「残留している応力が一定なのだから、材料温度が一定ならば、当初の圧入代によらず変形量は一定」だが、注意してほしいのは「材料温度が一定ならば」の条件。 加熱時に変形を起こす応力(室温圧入後の残留している応力)は一定なのだが、この応力は、加熱しても[A]と[B]の寸法差が変わらない限り変化しない。そして[A]と[B]の温度が同一の場合には、[A]と[B]の寸法差が変わらない(熱膨張係数がほとんど同じだから)。さらに[A][B]の最高到達温度が一定ならば、「当初の圧入代によらず変形量は一定」になる。 初回の質問では、話が複雑になるのを避けるために[A]と[B]の温度が異なっている場合についてはほとんど触れていない。しかし加熱条件から見て[A]よりも[B]の温度が高いことが容易に予想される。[B]の温度が[A]よりもかなり高いと、加熱時には焼嵌めを緩めるような状態になり、冷却時には逆に焼嵌め状態になり、加熱時の変形を起こす応力そのものが変化してしまう(回答(1)や質問追記2もその一例)。さらに[A][B]それぞれの最高到達温度も変動している(主に加熱時間により)。 これを考えて「材料温度が一定ならば」の語句を入れた。 加熱時の変形量が、上記事例のように説明しにくい状況にあるのは、[A]と[B]の温度がよく判らないのが原因。[A]と[B]の温度が測定(さらには制御)されていれば、加熱時変形は安定する。 ただ加熱時に変形が増加することは確かであり、これに基づいて状況を推測するしかない。続きと他の質問への回答は明日。 前回質問への回答で考えたモデルでは説明できないことが明らかになってきた。新しいモデルが必要。 まず[A]と[B]の温度。前回は同一としたが、「今度は【A】と【B】に温度差があることを前提に」する。 もう一つ。前回は質問追記にある「圧入での変化は圧縮応力による塑性変形だとしても」に引張られてしまい、「圧入応力は圧入時の塑性変形により緩和され、残留する応力は一定になる」としていた。しかし今回の圧入代の実績を見ると最高で0.037mm。元の径が示されていないが、例えば30mmならば0.12%であり、圧入時変形はほとんど弾性変形と考えられる。このため圧入代が大きいほど圧入後に残留する応力も大きいと考えられる。 もう一つ思案していたのが[B]の最高到達温度および[A]と[B]の温度差。上記「お礼」により[B]は800度以上。予想よりも驚くほど高い。一方[A]は550-600度程度か。 [B]が800度まで上昇すると伸びは1%(800x12x10E-6)、[A]が600度まで上昇すると伸びは約0.7%。その差0.3%は圧入代よりも大きく、加熱前や加熱途中の塑性変形が無かったとしても、圧入は完全に緩んでしまう。 結局、最終的な変形量は、「加熱途中の塑性変形」と「加熱後の冷却時の焼嵌めによる塑性変形」により決まるものと考えられる。 変形量の実績を見ると、圧入変形量は明らかに圧入代に依存しているが、加熱時変形量は圧入代によらず、ほぼ一定に近いと言える。また?-?に比べて?-?の方が加熱時変形量が大きいのは、?-?の[B]の方が肉厚が大きいことが原因だとすると、この二つの現象は、変形が「加熱後の冷却時の焼嵌めによる塑性変形」であることを示していると考えられるが、この先はまた明日。 まず訂正。 『最終的な変形量は「加熱途中の塑性変形」と「加熱後の冷却時の焼嵌めによる塑性変形」により決まるものと考えられる』を 『最終的な変形量は「加熱途中の塑性変形」と「加熱後の冷却時の焼嵌めによる弾性変形+塑性変形」により決まるものと考えられる』に訂正。 疑問点への回答。 「ワークは自然空冷で常温に戻りますが、変形は過熱された時に生じた変形量がそのまま残ると解釈すれば、いいのでしょうか」 その通りです。塑性変形は弾性変形や熱膨張とは異なり、再度塑性変形を加えない限り元には戻らない。 例えばリングを高温に加熱すると熱膨張により径が大きくなる。高温で押し広げ加工をし、室温まで冷却する。冷却により熱膨張分は収縮するが、押し広げ加工をした分はそのまま残る。 「「加熱時変形は圧入代によらず、ほぼ一定に近い」という解説ですが、私には緩やかですが比例関係にあるように見えます」 小生はそうは思わない。むしろ総合変形量(圧入時+加熱時)が圧入代と強く相関していることの方が意味があると考える。 下記のモデルで考える。 (1)[A](S40C HRC17-25)が[B](S48C生)に圧入されている。 (2)圧入代は様々だが、圧入変形は弾性変形内である。 (3)[A][B]を加熱する。加熱時の温度は[A]よりも[B]の方が高い。 (4)最高到達温度は[A]が550-600度、[B]が800度。 (5)冷却過程での温度は[A]と[B]のどちらが高いかは不明。 (6)冷却後の[A]の圧入前対比収縮率は圧入代と強く相関している。 [A][B]に何が起きているのか、なぜ[A]が収縮しているのかを検討する。続きは明日。まず頂いた資料を良く見ます。資料の内容によってはモデルが変わるかも知れない。 資料見ました。測定の生データは判りましたが、これらとは別に現象を理解するためのグラフを作る必要がある。 まず横軸を圧入代、縦軸に、既にある「圧入時変形量」と「加熱時変形量」の他に「総合変形量」を追加して描いてほしい{図S}。 もう一つ{図T}。X軸に温度、Y軸に[A]の外径、[B]の内径とし、熱膨張による寸法変化を描く。当然直線。 X軸の目盛は、[A]は左端20度、右端600度、[B]は左端20度、右端800度にする([A]と[B]で目盛が異なる)。[A]については左端のY値を20mmとした1本だけ。一方[B]については、左端のY値を20-0.010mm(最少圧入代)[B1]と、20-0.037mm(最大圧入代)[B2]の2本。Y軸は拡大して[A][B1][B2]の差が明確になるようにする。 この図により加熱した時に何が起こっているかを考える。 [A]線よりも[B]線が下にある状態が圧入(締り嵌め)状態。圧入応力により変形している。発生する応力は、0.037mm(20mmの0.19%)の場合でも弾性率(2GPa)×0.19%=370MPaであり、[A][B]の耐力には到底及ばない。つまり圧入応力での変形は弾性変形だけである。[B]線が[A]線の上になると隙間嵌め状態になり、応力は消滅する。 圧入代0.01mmの[B1]線では、200度(B線の温度目盛)程度ですでに[A]線よりも上になる。 圧入代0.037mmの[B2]線では、400度程度までは[A]線の下であり応力が発生しているが、400度程度では強度はあまり低下しないので、塑性変形は起こらない。400度以上では隙間嵌めになっている。 以上から、圧入と加熱過程では塑性変形は起こっていないことが判る。低温側で弾性変形していても、高温側で隙間嵌め状態になると弾性変形は元にもどり、[A][B]の寸法は圧入前寸法に対して熱膨張分の変形だけになる。 現象としては、圧入は無関係で、600度に加熱された[A]を800度の[B]に焼嵌めしたことになる。焼嵌め代は圧入代と同じ値になる。 このように考えると、「圧入代と圧入時変形(弾性変形)量」はあまり意味がなく、「焼嵌め代と焼嵌め後の変形量」で整理できると考える。 なお「圧入代と圧入時変形量」の関係は、理想的には完全に直線になるはずだが、生データでは直線から±0.005mm程度に上下しており、変形と測定のバラツキはこの程度あることが判る。それを加味すると{図S}がほぼ直線になるのではないかと予想している。 長々と検討したが、結論はこの質問の回答(1)に示された考えと一致している。 圧入部の寸法測定位置???のうち?の変形量が最も大きい。[B]の形状から、?は根本に近くて変形しにくいのに対し、先端?に近いほど花が開くように少し塑性変形したのではないかと思う。 また上記から「ロウ付けで歪む機構」は、焼嵌めによって、15頁「ロウ付けで歪む機構」と同じことが起こっていると考えて良い。なお15頁の図では歯の山が膨張するように書かれているが、小生の感覚では、歯の山が膨張するのではなく、主に肉の薄い歯の谷が円周方向に縮んだり、内側にせり出すように変形するのではないかと思う(正確には有限要素法などが必要)。 加熱時間の影響は、時間が長いほど[A][B]に最高到達温度が少し上昇していると考えれば良いのではないかと思う。 10:36と11:17の「お礼」を見ずに投稿しました。 後刻追記します。
お礼
回答ありがとうございます。 実は「黒猫」さんの回答を待望しておりました。引き続きご指導よろしくお願いします。 まず最初に、「圧入代が大きいとそれだけ、ろうづけ時変形は大きくなる」ことを証明するために載せたデータですが、初回投稿分については機種が異なります。 詳細を説明させて頂く意味で同機種のデーターを追加させてもらいます。 ?圧入代 0.010の時、圧入時変形 -0.004、加熱時変形 -0.033 ● ?圧入代 0.013の時、圧入時変形 -0.015、加熱時変形 -0.036 ?圧入代 0.014の時、圧入時変形 -0.011、加熱時変形 -0.040 ?圧入代 0.019の時、圧入時変形 -0.014、加熱時変形 -0.038 ?圧入代 0.022の時、圧入時変形 -0.021、加熱時変形 -0.040 ?圧入代 0.026の時、圧入時変形 -0.021、加熱時変形 -0.044 ?圧入代 0.027の時、圧入時変形 -0.018、加熱時変形 -0.031 × ------------------------------------------------------------------ ?圧入代 0.022の時、圧入時変形 -0.011、加熱時変形 -0.049 ?圧入代 0.024の時、圧入時変形 -0.020、加熱時変形 -0.047 ?圧入代 0.025の時、圧入時変形 -0.019、加熱時変形 -0.045 ?圧入代 0.030の時、圧入時変形 -0.030、加熱時変形 -0.045 ?圧入代 0.033の時、圧入時変形 -0.027、加熱時変形 -0.048 ?圧入代 0.035の時、圧入時変形 -0.026、加熱時変形 -0.052 ?圧入代 0.037の時、圧入時変形 -0.037、加熱時変形 -0.047 ● 今回投稿の最初には?と?を代表として挙げさせて頂きました。 尚、?~?と?~?は、【B】の外径狙い寸法が異なります。 上記のデーターをグラフ化しますと一部に得意な点(?)はありますが、圧入代に対するインボリュート歯形の変化は圧入時もロウ付け時も(傾きは異なりますが)比例的な関係にあるとみなせると判断したわけです。 指摘されている【A】と【B】のロウ付け時の温度を私も知りたくて施工メーカー様に尋ねましたが、見た目を経験的に答えてくれるだけで、正しいことはわかりませんでした。 私が作業現場で観察した印象で話しますと、【B】の外側は赤熱していますが、【A】は差作業完了するまで金属色のままですから、かなり温度差が発生しているものと思います。 (施工メーカー様は【B】外側は、800℃以上になっていると思うということでした。) 尚、これはロウ付けのテクニックとしてメーカー様から聞いたことですが、加熱は銀ロウの置かれた位置を狙うのではなく、2~3?(どちらかと言えば圧入部に近い)から加熱し、徐々に上部へ熱が伝わるようにしなければ溶けたロウがうまく流れないそうです。いわゆる熱い方にロウを引っ張る(重力作用方向ですが)ようなイメージだそうです。 むしろロウの置かれている辺り(【B】のトップ)の外側は赤熱してない気がします。 (ロウは650℃で溶けるので、これ以上にはなっているはずです。) 熱膨張に関してですが、指摘の通り【B】はS48C生材、【A】はS45C調質材で熱膨張係数はほとんど変わらないと思いますが、前日の通り【A】と【B】に温度差があるとすれば瞬間の出来事にしても、膨張の仕方は異なるはずです。 実は、インボリュート歯形の変形を減少するには、圧入代を小さくする(【A】の外径を小さくする)ことが、事実として総合的に効果があったので すでにこの対策は運用しています。そのトライアル時に次のようなアクシデント発生がありました。 ロウ付け時に【A】が【B】の中で下に落ち込む方向へ位置ずれを起こしてしまったことです。 【B】の内径が加熱により 【A】の内径よりも拡大した結果、重力方向に落ち込んだものと解釈しました。おそらく【A】の内径加工がツールが原因で規定外の寸法に拡大していたため、圧入代が極めて小さくなってしまった状態でロウ付けされたのだと思います。 指摘されたように焼き嵌めに類似した現象が起こっているのは明らかです。 例えば圧入代の正常な状態でも【B】への加熱温度は高いので【B】の内径は瞬間的に拡大し、【A】の圧入部にとってみれば拘束が緩められる方向に作用し、次にこの加熱により若干拡大した隙間にロウが流れ込みますが、加熱の停止と共に、【B】の内径は収縮し元に戻り【A】のロウ付け部には圧縮の作用が高まるので、歯形の変形は大きくなると推定できます。 しかし、このロウ付け部の変化量より、圧入部(ひょっとしたら最大加熱部である原因が大きいか?)の変化量のほうが遥かに大きくなるのが事実です。 これを書きながら、ひとつ言い忘れたていることがあるのに気づきました。 他の機種についてのデーターでは、圧入代に対する歯形の変化量を圧入時、ロウ付け時で見た場合の傾向は、変わりないのですが、代表寸法として捉える最も変化の多きいい箇所は、圧入部の一番奥ではなく、そこから数?上側の位置になります。 ひょっとしたら、その位置が最も加熱される部分に当たるのかもしれません。但し、圧入部であることは同じです。 事実を言い漏らさないように記述していたら、長い文章になってしまいました。 内容を理解することすらめんどうだと思いますが、該当箇所にロウ付け時に何が起こっているのか?今度は【A】と【B】の温度差があることを前提に事実(ロウ付け時の圧入代に対する歯形変形量は比例するを含む)を説明できるメカニズムに気づかれたことがあったら、ご指導いただきたく思います。 よろしくお願い致します。 回答ありがとうございます。 私の説明不足が多く、ご迷惑をお掛けしていると反省しています。 もし、もう少し時間を割いて話を聞いて頂けるならば、テストデーターを下記のサイトからダウンロードできるようにしてみました。 ワークの大きさや加熱に使う高周波コイルなどの位置関係などもわかるように描いてみましたので、参照して頂けたらと思います。 (但し、このファイルはシステム上、1週間しか保存されない仕組みになっていますので、ご了承ください。) http://3.gigafile.nu/d3876bfe90101d85c9dd03504cbbbdb70-1217 「加熱時変形は圧入代によらず、ほぼ一定に近い」という解説部分ですが、私には緩やかですが、比例関係にあるように見えます。 又、【A】部品の外形を細くする対策は、-φ0.010程度を従来より細くして圧入代をφ0.010程度小さくすることを狙ったものです。 お忙しい所を恐縮ですが、もう少しご指導頂けますようお願い致します。 いつも夜遅くの回答作業になっている様子で、非常に恐縮しております。 ほとんどマンツーマンの形式で回答頂いていまして 心強く思います。 さて、試行錯誤して何とかもっと状況を詳細に伝えたいと言う思いで、少し強引な手段でしたが、無料サーバーを利用させてもらいました。 文面から資料がダウンロードできたと推測します。幼稚な表現なところはどうかご容赦ください。 さて、その資料には、圧入時の変形としてまだ「塑性変形」と記しています。 2日前より、「圧入時は弾性変形である」という方向の解説をして頂いています。 部品〔A〕に対して圧入代に応じて印加される圧縮応力は理論的に計算し、それが素材の耐力以下か?という観点で検証すればいいかといいかと思いましたが、(悲しいかな)私の能力では実行できません。 現物で〔A〕を〔B〕から抜いて「変化が元に戻ったこと」を確認することはできないだろうか?と思案しましたが、無理な力をかけず、傷つけないできれいに抜くことはむずかしぞうです。 理論的な解説をお願いできたらありがたいです。 問題はここからです。この状態(圧入して圧入代に応じた残留応力がかかっている)ものを加熱すると塑性変形すると解説されています。 これは、これまでに説明されたことを引用しますと、過熱により素材の耐力が低下した為に、弾性変形で耐えていたものが、塑性変形となったと解釈してよろしいでしょうか? 又、もうひとつの変形として「加熱後の(自然)冷却による〔B〕部品の収縮が元に戻ることによって〔A〕部品が圧縮されて変形する」ことがプラスされると解説されています。 この変形に「塑性変形」と「弾性変形」の両方を挙げていますが、この点をもう少し詳細に説明頂ければと・・・・ 圧入代が「総合的な変化量」と相関していることは、私も同じ意見です。 でも自信はないですが、ロウ付け時だけの変化を抜き出した時、資料に掲載したグラフ(やや強引な直線の引き方ですが)のように、傾きは緩やかながら比例関係にある見えるのですが・・・ 最後に『(6)冷却後の[A]の圧入前対比収縮率は圧入代と強く相関している。』 の「圧入前比収縮率」というのが良く理解できません。 引き続きご指導よろしくお願い致します。 すみません。もうひとつ疑問と言い忘れがあることに気づきました。 加熱後の冷却時の焼嵌めによる弾性変形+塑性変形」の部分ですが、最終的に弾性変形分が製品には残っていると言うことでしょうか? 〔A〕と〔B〕はロウ付けされているので、決して外れることはありませんが 外れると仮定した場合は、変形はやや元に戻るという状態にあるわけですね。 そして隠していたわけではないのですが、話が複雑になるので説明していませんでしたが、この合体された軸の別の部分に高周波焼入れを施す箇所があります。 そのため、この軸全体をテンパー処理しています。 この段階で、変形が少し戻る場合があることも確認しました。しかし、これは圧入時、ロウ付け時の変形と比べると小さなものでした。 テストの効率を重視(弊社からの払い出し時と受入れ時で評価)した為に、純粋なロウ付けまでのデーターにならなかったのを今や遅しですが、反省してます。 資料に添付した「受入れ時」というのは、テンパー処理までが済んだものになることを付け加えておきます。
1回目の論議は黒猫さんが詳説しておられフォローを期待しますが、追うのがしんどいと白状し手抜き御免。 「・・・・・当初の圧入代によらず変形量は一定になる」 は正しくないと思います。 焼嵌め加熱側は焼鈍され内部応力が殆ど無くなったとしても、冷却することにより徐々に元の形状に戻ろうと締付ける。その経過中にも焼鈍され締付応力を減らすことはあっても少しな量。冷却が進むと焼鈍されなくなるから、トータルすると締め代と応力とは相関あり。
お礼
回答ありがとうございます。 意識的に焼き嵌めを行っているわけではありませんが、たぶん【A】よりも【B】の方が熱くなって、【A】の外径変化量より【B】の内径変化量の方が大きくなる瞬間があることは間違いないと思っています。 【A】と【B】の間に意識的につくった隙間にロウが流れ、加熱の停止で【B】の内径も収縮し、ロウ付け部ではロウを介在して【B】を更に圧縮する力が作用する?とも想像できますが、ロウ付け時に最も歯形変化の大きい圧入部には何が起きているのでしょうか? それに、ロウを使わない加熱だけのテストでも、同じ傾向となることをどう説明したら良いか? 気づいたことがあれば 指導願います。
お礼
アドバイスありがとうございました。