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ダクタイル鋳鉄とねずみ鋳鉄の差
- ダクタイル鋳鉄とねずみ鋳鉄の差は黒鉛の晶出形状だけではない
- 晶出形状の違いにより引張強度が大幅に異なる
- さらにダクタイル鋳鉄とねずみ鋳鉄は他の点でも異なる要素が存在する
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>実を申しますと、ブレーキシューにFC250を使用しましたが摩耗が早く、FCD500に替えました。一般に強度と硬度は相関関係にありますので強度で数倍強いFCDなら硬度も硬いはずと安直に考えたのです。ところが更に摩耗が早くなり分析したところ、FCDの強度も硬度もJISの規定値に収まっていましたが、殆どがフェライトであり柔らかかった次第です。 JISのハンドブックなどを参考にすると、 引張り強さ ブリネル硬さ FC250 250N/mm2(約25kg/mm2) ≦ 241 HB FCD500 500N/mm2(約50kg/mm2) 150-230 HB であるわけですが、ダクタイルのFCD500の方が強度は高いのに硬さは低いというのは変ですね。一般には、強度と硬さは比例するはずです。 結局、硬さというのは圧縮試験ですが、引張り試験の場合は伸びが強度に影響します。ねずみ鋳鉄FC250を引っ張ると、伸びずにパキンと破断します。ダクタイルFCD500は、降伏した後に伸びが生じ加工硬化して最大強度を示すという違いでしょう。引張り試験の、応力-歪曲線をイメージしてください。 学生のころにダクタイルの説明を受けたとき、マンホールのフタをねずみ鋳鉄からダクタイルにするようになって、割れはなくなったが磨耗が増えたと聞いたことがあります。
(1)の者です。 FCDはFCに比べ←(逆です失礼しました!) 質問様の質問よく分かりました。 同じだそうです。 鋳物の現場技術に書いてありました。
お礼
ご回答有難うございます。 実を申しますと、ブレーキシューにFC250を使用しましたが摩耗が早く、FCD500に替えました。一般に強度と硬度は相関関係にありますので強度で数倍強いFCDなら硬度も硬いはずと安直に考えたのです。ところが更に摩耗が早くなり分析したところ、FCDの強度も硬度もJISの規定値に収まっていましたが、殆どがフェライトであり柔らかかった次第です。そこから色々調べ、質問のような想像をしたのですが、それを決定的づける文献が見つけられず質問した次第です。
引張強度が大きいのに >?耐衝撃性 靭性 が弱いなど は?? >?鋳造性、切削性が良い。 切削性は、やわらかいねずみ鋳鉄の方がいいですよ!
こんにちは (1)さんへ ?は逆ではないですか? 靭性はFDCの方が一般的に優れていると思いますが 加工技術データ様のHPではそう説明してますが↓ いかがでしょうか? HPは産業技術研究所さまの間違いでしたすみません。
FCDはFCに比べ ?耐熱性 FCDの350℃に比べ FCは、250~300℃と低い ?耐衝撃性 靭性 が弱いなど ?鋳造性、切削性が良い。
お礼
ご回答有難うございます。質問が舌たらずでした。次のように想像してますがそれでよいのでしょうか? 黒鉛形状がFCは片状、ダクは球状。FCの黒鉛が詰まった片状空間は材料内部の無数のヒビ割れと解釈できる。荷重をかけるとそのひび割れから亀裂が生じ破壊に至る。だからFCは強度が弱く脆性破壊となる。亀裂成長で破断面は脆性破面になる由。 JISではFCは6種、ダクは0種を加えた7種。同種であればFCもダクも硬度はあまり変わらない。強度ははるかに強いが硬度は変わらない。強度の差は上述の通り。硬度は鉄部分の硬度で決まるので黒鉛の形状には影響されない。硬度がほぼ同じであれば基地の鉄の部分はFCもFCDも差はないのではないか? 結局FCDとFCの違いは黒鉛の晶出形状だけに由来するものであり、鉄の部分は全く差が無い。強度、靭性、被削性等違いは全て黒鉛の晶出形状に起因するものであり、それ以外は全く違いはないのではないか? これが質問の趣旨です。 ご存知であれば御教示下さい。
お礼
ご回答ありがとうござい。 やはりダクタイルは延性破壊となるのですね。DUCTILEは延性がるという意味ですが、私は延性破壊を起こす鋳鉄であるのでこの名前が着いたのだと予想しておりました。因みにFCは脆性破壊を起こしますが、それに対して命名されたのではないのでしょうか? 最初私も強度と硬さは比例すると考え結局それが違うという事実の理由を知りたく投稿したのですが、色々考えたところ結局以下の理由になるのだろうと思っております。 結論はFCの強度が異常に低いということです。 一般に鉄鋼は強さと硬さが比例しますが、それは結晶組織の種類と結晶粒度に左右されます。FC、FCDともJISでは何種か規定されていますが、その種間の強度と硬さの違いは結晶組織と結晶粒度の差によるものと考えられます。したがって強さと硬さは比例関係にあります。 しかし、FCとFCDの強度の差はこの理由とは全く異なるところにあります。 FCDは黒鉛が球状ですが、FCは片状に晶出します。片状黒鉛は材料内に片状の空間(黒鉛が詰まっておりますが)を無数に作ります。言い換えればヒビが無数に存在していると言えます。このような材料に引張力を掛けますとヒビから亀裂が生じ、最後は破断に至ります。亀裂自体は脆性破面を呈します。疲労破壊面と同じです。また疲労破壊と同じように、材料自体が持っている引張強度より遥かに低い応力で破壊します。 結局FCは材料自体が弱いということではなく、このように内部に無数のひびを持っているという構造的な欠陥で強度が低いと解釈されます。また脆性破壊を呈するという事実も亀裂成長で破壊するということで説明がつきます。 このように構造的な理由で弱いのであれば、元々の金属組織的自体が持つ強度はFCDもFCも差が無いのではないかと考えた次第です。 一方で、硬さは金属組織に影響されると考えていますが、その金属組織自体はFCもFCDも差が無いのであれば硬度に差がない事実は頷けます。 多分、FCとFCDの差、例えば強度、破壊性状、被削性もすべてFCのヒビに起因するものではないかと想像した次第です。 想像したのですが、確証が無いので投稿した次第です。 ご回答ではFCDが延性破壊をするとのことで、一つ確証が得られたと思っております。ありがとう御座います。 FCDは黒鉛が球状に晶出するためFCのように亀裂の基点がありません。 そのため延性破壊となり、それ故DUCTILE(延性のある)鋳鉄なのだと思います。 多分、FCの黒鉛が球状であれば、強度はもっと強いのでしょう。 そして、そうならないだろうかと考えて開発されたのがFCDであり、であればFCもFCDも金属組成、粒度自体は変わりがないのでしょう。 その結果、強度には差がありながら硬さには差がないという不思議な現象が起き、それに気付かずに安直にFCDを使用しトラブルを起こした私なのでしょう。