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A7075の硬質アルマイトの仕上がりについて
- A7075の硬質アルマイト処理における斑点やクモリの原因について調査中です。
- 現在の処理方法ではロットによって変色するものと変色しないものがあります。
- 電食効果を抑制するために治具や固定ボルトに亜鉛膜を施すことで変色を防いでいます。
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同じように自社加工品をアルマイト処理専門の外注に出しています。自身そういう問題を体験したことはありませんが、処理屋さんから聞いたことはあります。以下は、その処理屋さんから聞かされた話の記憶に基づくもので、B坊自身の実体験による知識ではないことをあらかじめお断りいたします。 黒い斑点の群生は、アルマイト処理後の封孔処理が不適切で、腐食したと疑われます。数日から数週間おいて腐食が進むとそこが膨れてきたり、針で突いたように小さな虫食いのような孔となることもあるようです。 アルマイトの膜は電子顕微鏡的には蜂の巣状で孔だらけですので、後からその空洞をふさぐ処理をするのですが、それが不十分だったりムラがあったりすると、そこから腐食するようです。 白いムラムラの雲のような曇りは、処理前の苛性ソーダ洗いによる脱脂が不適切で、エッチングにムラができたか、処理終了後の洗浄が不適切だったのではないかと疑われます。 アルマイトは「膜厚20μ」といっても、メッキのように素材の表面に20μ乗るわけではなく、素材の表面が電解液中で酸化されながらアルマイト層が生成される(陽極酸化と呼ばれるゆえんです)ので、膜厚のほぼ1/2が素材に浸透し、残り半分が素材に乗ったような状況になりますが、このときエッチングにムラがあると、白濁りになりやすいようです。 また、処理終了後の洗浄が不適切だと、アルマイト層の無数の孔に電解液の残渣や汚れが染み込んでしまうのだそうです。 以上おおむね処理側に問題があるように思われますが、処理屋は内心しくじったと思っていてもなかなかそうとは認めないでしょう。 加工が悪い vs 処理が悪い と責任の押し付け合いになりそうなので、事と次第によっては、アウト品を別の処理屋に持ち込んで見せるなど、いささかえげつない手も使わざるを得ないかもしれません。 ただし、アルマイト処理では、前処理や電解条件を同一にしても、合金に添加されている元素の影響により、アルマイト皮膜は仕上がりの光沢、発色が異なります。 したがって、A7075のような複雑な合金では、素材の影響も疑われます。 B坊自身の体験ではアルマイトではありませんが、阪神大震災後にジュラルミンの供給が逼迫してやむを得ずK国産を使ったところ、規格上は同じ材料であるにもかかわらず、それまでは何の問題も無く切削加工できていた物が大きく加工ひずみをしてしまい、どんな対策も無駄でまったく使い物にならなかったことがあります。費用と時間を掛けて研究機関にでも持ち込みでもしない限り、こういう問題の原因は加工屋レベルでは突き止められません。 百発百中アウトになるならともかく、因果なことに時々不具合が出る、というのは実に困りもので、良い結果が出ることをお祈りいたします。
お礼
ありがとうございます。 うちの硬質アルマイト処理は耐摩耗性を高めるために封孔処理をしていない 模様です。(メッキ処理業者の助言により) メッキ後の耐食性を考えた時にここも一考が必要ですね A7075の素材バラツキに関してもB坊さんの言われる様な事を聞いたことがあります。 国内で流通しているA7075はほとんどが相当品らしく、加工業者の話によると白銅製のYH75あたりが一番優秀らしいです(高いですけど) ただ、現状使用しているのが応力処理のためにT651でプリテンション処理を している材質を使用しています。 また、投稿以降、社内で調査をしている最中にA7075の表面にすでに黒いブツブツを発見しました。 加工後2日ほど経過した製品なのですが、サビなのでしょうかねぇ・・・ 水性切削油を湯洗浄で乾燥させた後の出来事なのですが、あらためて驚いてます。