- 締切済み
真空蒸着の方法と注意点
- 真空蒸着とは、有機膜を積層するための技術です。
- 金で真空蒸着をすると、ショートが起こることがあります。
- ショートを回避する方法はあるのかを知りたい。
- みんなの回答 (1)
- 専門家の回答
みんなの回答
ショートした状態が見えないので何ともいえませんが基板の温度は何℃くらいですか?バスケットとの距離はどれ位ですか?金の蒸気が基板に衝突したときにクエンチして有機膜をひっぱり破いたか膜が温度に耐えられなくて破ったとか・・・?スパッターでやってもだめですか? アルミはご承知の通り密度が金に比べて1/6以下で融点も700℃足らず、一方 金はMPが1000℃を超えますから基板無加熱では蒸着したときの膜に対する熱的衝撃が大きいのではと考え引っ張り破くと書きました。(ショートした現物を観察していないので)まずは故障箇所の観察ですね。突き破っているのか溶かしているのか位、膜とAuの界面観察をすることでわかると思います。 ところで元々その膜はAuに対してオーミックにならないこと(仕事関数)はわかっているのですね? 基板に先にAu蒸着+有機膜+ITOではだめなのですか?あるいはダメージを避ける為に最後のAuは極薄く蒸着して見るとか・・・ スパッター/蒸着の比較も運動エネルギーと熱エネルギーの違いからか奥が深いようです。蒸着でも抵抗過熱とEBでは様子が違いますよ。 単純にガラス基板の加熱/非加熱でAlやAuの密着強度や膜質を調べるところから始めたほうがよさそうに思います。既に条件を把握していたら御免なさい。 界面の観察もいきなり切り出すのではなく、まず現状をルーペや実体顕微鏡で見てはいかが?突き破っているのかメルトなのか応力で敗れているのか・・・失敗したサンプルは貴重です。いきなり切り出したりTEM用の薄片を作ったりすると失敗した原因を自分で蹴散らすおそれがあります。あるがままの現物を観察しつくしてから界面の断面を見ても遅くは無いですよ。おっと失敗品の測定は方針違反でしたね。成功品しか測定しないというのは作り方が確立した後ならともかく失敗品の原因を調べるのが近道だと思いますがアングラでやるしかないのかな。 質問当初より具体的な膜の構造がわかりました。最近ではITOは大気圧でコーティングできるそうですよ。でもAuは赤外線の反射も狙っているのかデポの順を変更できないみたいですね。抵抗線加熱でできるか否かはショートした原因を見極めないと答えは出ないと思います。Alではコンタクトが成功しているのですから・・・。 赤外線ランプで試料を加熱する装置ではランプの反射鏡は金メッキです。 電気炉でもゴールドファーネスというのがあります。 http://www.ishikawa-sangyo.co.jp/products/furnaces/gold_furnaces/index.html
お礼
回答をいただきまして、有難うございます。 基板は加熱をせず、バスケットには20Aの電流を流しました。基板温度及びバスケットの温度を測定する装置がないので温度についての情報はありません。真空度は約10の-4乗パスカル程度です。 バスケットとの距離は8cmです。 金の蒸気がクエンチして、有機膜を引っ張り破くということは頻繁に起こるのですか。また、そのようなことが起こっているかどうかはどのようにして確認できるのでしょうか。 スパッタリングでも行いましたが、同様の結果でした。また、蒸着の50倍のエネルギーがスパッタリングではかかるという記述が文献にありましたので、スパッタリングは一度しか行っておりません。 再度ご回答いただき、有難うございます。 基板温度の制御も必要とのこと、ご指摘有難うございます。やはり、温度差のよるエネルギー差はかなりのものになるのでしょうか。 そうですね、界面の観察は行いたいと私自身も思っておりましたが、残念ながら界面の観察をすぐに行える環境にございません。ちなみに、ご指摘は収束イオンビーム法FIBなどで断面を切り出し、TEMなどで観察するということをさしていらっしゃるのですよね。 はい、エネルギーレベルを考える限り、オーミックではなく、整流特性を示すと考えております。われわれは、固体電解質を用いた色素増感太陽電池を作成しようと、ITO/ 無機n型半導体 / 色素 / 有機p型導電性高分子 / ホールブロッキング材料 / Auという構造のデバイスを作成しております。 ご指摘の構造は、ガラス基板 / Au蒸着 / ホールブロッキング材料/ 有機p型導電性高分子 / 色素 / 無機n型半導体 / ITOということだと思いますが、最後の半導体とITOの均一なコンタクトをとるのが困難だと思われます。当方では、ガラス上にITOがパターニングされたものを透明導電膜として用いているためです。ITOを均一にコーティングする手段が当方にあれば、以前から行いたいとは考えておりました。 やはり、抵抗加熱と他の形式では、金属の振る舞いがかわってくるのでしょうか。抵抗加熱ではできないということもありえるのでしょうか。 何度も回答をいただき、有難うございます。 まずは、ガラス基板への密着性の確認をということですが、ガラス基板を加熱せずに直接Auを蒸着し、実体顕微鏡観察を行いました。問題がないように思われます。密着強度というものの測定は当方では現在できる環境にありませんので、わかりかねます。 次にデバイスの表裏から実体顕微鏡観察を行いましたが、このレベルにおいても問題は確認されませんでした。 まずは、基板の加熱から行ってみたいと思います。 最後にご指摘いただいたAuの効果ですが、赤外線の反射効果が金にはあるのでしょうか。不勉強なもので、今まで存じ上げませんでした。また、これは一般的に知られている性質なんでしょうか。