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MIM成形品の熱処理
お世話になります。 MIMにて成形した製品の熱処理について教えて下さい。 成形後に応力除去、組織安定化等の目的で焼鈍工程は必要でしょうか。その場合、熱処理方法は雰囲気炉、真空炉、大気炉の内どれが最適でしょうか。 また、熱処理が必要になる材質、精度等の条件がありましたら教えて下さい。大変初歩的な質問ですが宜しくお願いします。
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焼結に先立って「焼鈍」が必要か、との趣旨の御質問と解釈して間違っていませんか?MIMは通常の粉末冶金と較べて成形圧力が際立って低いため、 焼結を省いて、生のままで使用できるとは想像も出来ません。 つまり成形後に必ず焼結するのであれば、逆に焼鈍の必要性は小さくなると申すよりも「無い」と言い得るのではありませんか? もし御質問を枉げて理解していたならば大変失礼なことですが、焼結に先立って焼鈍されている事例は皆無ではないかと思います。 失礼な勘違いをしてしまいました。申し訳ありません。 基本的に二次加工前の焼鈍は不要であるはずです。製品材質に因っては変態速度が遅いために、焼結の冷却過程でも「焼き」が入る場合が無いではないでしょうが、一般論としては前焼鈍を施さないと加工上で問題を派生する とは言えないと考えます。前焼鈍の有無の御判断は、対象材料に即して適宜 為されるべきです。 特殊なケースとして前焼鈍が必要で有る場合のために、御質問の炉形式に ついて少しアドバイスいたして置きます。 焼鈍雰囲気として真空とガスとを比較すると、エネルギコストを含めた処理コストは、概括的に申して真空が高くなり約2倍になります。しかし運転を 管理する容易さと、処理品が酸化されないと言う意味においての信頼性は 真空炉の方が高くなります。しかしコストミニマイズを最優先するべきでしょうから、例えば高クローム,高マンガン,あるいはバナジューム鋼、 またはチタン系等でなければ、雰囲気炉を選定された方が良いはずです。 ニッケルやコバルト,およびモリブデン,タングステン等は、酸化物の化学的な安定性が低く、工業規模のプロセスにおいても比較的容易に還元が可能 [酸化を回避する事が容易]であり、炉の雰囲気に神経質になる必要は有りません。雰囲気ガスの種類には幾つかを挙げることが出来、ガス単価にも 大きな開きがありますが、処理材料に拠って適不適を判定する必要が有ります。茲ではアドバイスのいたしようもありませんので割愛します。研究して 見てください。
お礼
早速のご回答ありがとうございます。焼結の件は私の勉強不足で、MIM工程に焼結が含まれているものと思っておりました。お聞きしたかったのは2次加工前の焼鈍の必要性でしたので、質問の言葉足らずでした。では焼結後に焼鈍が必要な場合はあるのでしょうか。 お礼が遅れて申し訳ありません。とても丁寧なアドバイスをありがとうございました。今後の参考にさせて頂きます。