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樹脂成形について

最近、樹脂を扱うようになったので初歩的な質問なのですが、 異樹脂同士を2色成形すると引っ付かないのはなぜでしょうか? 基本、熱処理や接着材を塗布するなどの工程が必要とのこと なのですが。 おわかりになる方、お願い致します。

みんなの回答

回答No.1

合成樹脂はモノマー(単量体;小さな分子)を付加反応か縮合反応のどちらかを使って重合させポリマー(重合体;巨大分子)にして作られています。モノマーを列車の1両としたら、ポリマーはそれを連結した列車全体の関係になります。  あらかじめ作ってある樹脂を加工して接着しようとするので、樹脂にはその列車の「連結器」に当たる分子同士をつなぐ場所はほとんど残っていません。長い列車になってしまったら、先頭車両と後部車両の2個しか連結器は残っていないわけです。だから一度樹脂にしてしまうと、再び化学反応によってこれをつなぐということは不可能です。  接着剤を使わずに接着できるのは、 ●表面の分子の鎖同士を絡ませあうことができる場合。  これは表面を少し溶かすか、溶かした樹脂を相手の樹脂に流し込む場合です。表面が溶けたような状態になれば、『似たもの同士は良く混ざり合う』という相互溶解を利用して接着できると考えてよいでしょう。これは熱可塑性樹脂(=加熱してやわらかくできる樹脂)なら加熱して表面を溶かすことが可能ですが、熱硬化性樹脂(=一度作ったら加熱しても融けずに分解するだけ)の仲間は割れた石と同じで加熱しても表面はやわらかくならないので、同じ熱硬化樹脂同士でも接着はできません。 ●異種の樹脂同士  この場合、縮合重合によって作った樹脂と、付加重合によって作った樹脂の接合が考えられますが、この二つの基本的な性質は水と油の関係といってよいことになります。  縮合重合ではほとんどが水の脱水によって分子をつないでいますが、未反応の部分には連結器に当たる水酸基-OHやカルボキシル基-COOHがわずかに未反応で残っていたり、分子の中に電気的な偏りを持っていますが、これは基本的に親水性で水になじみやすく油(炭化水素)とはなじみにくい性質です。これに対して、付加重合による樹脂は炭化水素の仲間と考えてかまいません。  お互いに全くなじまない関係です。熱処理等をしても、加熱した水と油が混じらないのと同じで、接着できないと考えればよろしいかと思います。  

wve63874
質問者

お礼

丁寧な回答ありがとう御座います。 非常に分かりやすい説明でした。 とても助かりました。

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