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プレス順送型のプレートの材質について
- プレス順送型のプレートにはSKD-11を使用していますが、SKS-3も材料通過面の摩耗が少ないと言われています。
- プレス順送型のプレートの材質について、弊社ではSKD-11を使用していますが、他の方からはSKS-3の方が摩耗が少ないという意見もあります。
- プレス順送型のプレートの材質について、実際のところSKD-11とSKS-3のどちらが良いのかは試したことがないため、他の方の意見を参考にしたいです。
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SKD11を用いて摩耗?が問題になるようでしたらDC53の採用を検討してください。とくにステンレスなど高降伏点材や高精密な加工おいてはワークの押さえ圧によってプレートに凹み(塑性変形)を生じ製品の平坦度など形状精度が劣化するため寿命となる例があります。 DC53を焼き入れ後、520-530℃X2回 高温焼きもどし(硬さHRC62-63)、さらに経時変寸を抑えるため400℃の安定化処理をしてください。プレートの耐凹み性はSKD11と同じ硬さレベルで25%以上アップし、寿命向上が期待されます。リードフレームの形状精度を確保する手段としての実績があります。なお、DC53(大同特殊鋼)の類似鋼種として,SLD8(日立金属),SLEIPNER(UDDEHOLM)があります。
サブゼロ処理の効果ですが、残留オーステナイトの分解を促進して、経時変化を押さえることを目的として主に行われています。そのために硬さは若干高くなり、逆に靱性は若干低下します。靱性を希望されるならば、硬さがHRC58程度に少し低下しますが、510℃程度での高温焼もどしをお奨めします。経時変化についてですが、以前は残留オーステナイトの量で判断されていましたが、最近の研究で、高温焼もどし品が残留オーステナイトが低温焼もどし品に比較して、圧倒的に残留オーステナイトの量が少ないのに、2週間ぐらいの短期間に急激に寸法変化(膨張側)が起こることが判ってきました。クリアランス等の管理が厳しい金型部品については、高温2回焼もどし後に400℃程度の温度で安定化処理と呼ばれる処理を行えば短期間の寸法変化を押さえることが出来ると言われています。詳細資料は大同特殊鋼にお問い合わせください。
spitfireさんがおっしゃっているように、コスト的な面で許されるなら、SKD11が良いと思います。両材料とも、見かけ上の硬さはHRC60程度出るのですが、SKD11材は硬い炭化物が多量に分散しているので、SKS3よりは耐摩耗性の面で優れています。また、SKS3は油焼入れで、SKD11はガスまたはちょっと早めの空冷で焼入が出来るため、熱処理後の変形も押さえることが出来ます。穴ピッチに関しても同様で、SKD11材では熱処理前後の寸法変化をある程度コントロールすることは可能ですが、SKS3ではそれが不可能です。
材料通過面の磨耗具合がSKS-3の方が少ないと言う話は聞いたことがありませんが、 もしそうだとしても、SKD-11でプレートを作る方がいいのではないでしょうか。 SKS-3でプレートを製作すると、焼き狂いは大きいし、経時変化も大きいので後で苦労することが多くなると思います。 もし、SKS-3でどうしてもプレートを作りたいという場合にはワイヤーカットの下穴などの焼き入れ前に加工する部分は十分なマージンをとって加工することをお勧めします。 当社で以前SKSにて製作したときにはワイヤー仕上げ穴(丸)の取りしろを0.5ぐらいにしていたにもかかわらず、ぜんぜんとりきれないで残ってしまいました。プレート長は200?程度でですよ! 焼入れが下手だったと言う説もありますが・・・。
お礼
ご返答有り難う御座います。 参考にしたいと思います。 両材に於けるサブゼロ処理での効果とか、靭性とかで 何かと差は出るんですかね? その辺も含めてもう少し調査してみたいと思います。 勿論、加工に於いてはSKDの方がトータル的に 勝っているんでしょうが・・