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ハイスの特性とホブへの頻繁な使用の理由
- ハイスは旋削用インサートチップよりも滅多に使用されない材質ですが、それに対してホブでは頻繁に使用されています。なぜなのでしょうか?
- ハイスは歯車の歯切り加工に用いられるホブでよく使用される材質です。ホブへの頻繁な使用の理由について詳しく解説します。
- 旋削用のチップにはほとんど使用されないハイスが、なぜホブには頻繁に使用されるのでしょうか?その理由について解説します。
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もう、どうでも良いのかな? ホブにはハイス材が殆どである理由は 価格対性能の問題です。 ハリネズミのような形状のホブを 超硬で製作しようとしますと物凄い工数が掛かってしまい 高価になってしまいます。 しかし、それだけのメリットが生まれるかと言いますと 殆どの場合生まれないのです。 超硬材を使用する時のメリットは加工スピードの高速化なんですが 実際の生産時間では加工そのものに掛かる時間よりも その他の動作に掛かる時間の割合の方が高いのが殆どです。 ですから、超硬にして高速にしてもさほどメリットが生まれないのです。 また、ギヤーの精度の関係から(歯型・歯筋etc) ホブの逃げ面の摩耗の程度は表面から数ミクロン以内で 管理しなければならなく 昨今ではコーティング技術が非常に進歩してまして 超硬を使っても使用できるのは 表面の皮一枚って感じですので コーティング処理での対応で十分なのです。 また、旋削と異なり空転時間が非常に長いので 温度変化が非常に高いと言うのも ハイス材が使用される要因の一つですね。 なんか日本語がおかしかったかな?<(_ _;> ホブが実際に加工している場面を思い浮かべてみて下さい。 するとホブの場合一回転中に加工している時間は 極僅かだと言う事に気付かれると思います。 これは旋削の場合ですと強断続切削になりますよね。 そして、超硬・サーメットの場合 焼結と言う製造方法で作られています。 解り易く言いますと焼き物と言う事になります。 この製造法ですと表面に引っ張り応力が発生してしまうので 温度変化が激しいと、ここからクラックが入り 欠損してしまいます。 ハイスも焼きを入れておりますので 同様な力が働くのですが 靭性能力の高さによって 欠け易さが セラミック>サーメット>超硬>ハイス となる訳です 付け加えて PVDでコーティングを行うと 逆に表面に圧縮応力を付与させる事が出来るので ちょうど良い具合になります。 ホブですと膜厚が結構厚く3~4μほどあります。 超硬より硬い物質が十分な厚さを確保されていれば あえて超硬以上の材質を使う必要が無いんですよね。 旋削ですと摩耗による寸法変化は補正する事ができますので コーティングした場合、膜厚は厚い程言い訳ですから CVD法を選択する必要があり 自ずとハイスは使えなくなり またチップのような単純形状の単一大量生産品ですと 超硬やサーメットのような焼結品の方が 逆に安くできると言うのもあるかと思います。
そうですね私も正直言って資料を見たときは驚きました。 ご覧になったサイトはホブ盤のメーカサイトの技術資料という形で紹介されていますが 有る意味最先端の技術で、メーカの技術力をコマーシャルしている意味合いも濃いと 思います。 資料が全ての条件を示しているとは思えませんので一般的にはハイス=100m/minとは ならないと思います。
お礼
ありがとうございます. ホブの一般的な切削条件は各ホブメーカーさんに直接聞いてみようと思います.
以前のご質問で紹介したサイトですが http://www.kashifuji.co.jp/tech/t-001-j.html このようにハイス一辺倒ではありません。 ただ一般的なホブは確かにほとんどハイスです、なぜか?それは切り込む形状にヒントがあります。 いわゆる必要な形状が幅が狭く奥深い、つまり工具にとっては過酷な条件なのです。 旋削の深い溝入れ、タップ、ドリルなども同じような条件と言えます。 つまり刃形状と加工形状が近く刃物をソリッドで製作しなければならない場合ハイスがベストと言えるのでは無いでしょうか。
お礼
ありがとうございます. つまり過酷な条件下では高い条件で切削するのは難儀であり、そのために超硬ではなく、ハイスを使用する、ということでいいのでしょうか?ということは、紹介していただいたサイトのハイスホブの切削速度100200m/minというのは旋削のイメージできつい条件だなぁと思っていたのですが、ホブでは低い条件にあたるのでしょうか?
補足に関してですが..この件では私は素人にですのでその点内容に至らないことがあってもご勘弁願います。 可能性としては、すくい角を大きくしたり、加振(振動切削)したりすること程度しか思いつきませんが...実験と言われている所もありますので、そんな条件を加えられるものかどうか。ある意味、そのときの実験条件(切削条件)では構成刃先が出来るというのも結果ですし。 そういえば、いま普通のスローアウェイバイトを使われておられて、ブレーカなしのチップなら一般には切れ味は悪いと思います。諸先輩方がハイスで削られていたころは、もっとすくい角をつけていたと思います。
お礼
アドバイスありがとうございます.参考にさせていただきます.
#1 の最後のところ少し言葉が不足していたようです...すみません。 >ホブに関しては、逆に切削速度が低く超硬の適応域を下回り欠損しやすいとか、価格上昇に対し寿命は延びたのかといったことから試作はともかく使われるにいたってないのだと思います。 この部分は超硬ホブに関してでハイスホブの内容ではないです。
お礼
なるほど.理解しました.ありがとうございます.
概念のこととして各切削加工の難易度があります。容易から難しいを並べるとこうでしょうか。 旋削>フライス>エンドミル>ドリル>タップ>歯切 容易なものは切削条件はより高くなり、難しいものは相対的に低い切削条件になり刃具材料により脆性を必要としています。超硬は脆いですから難易度の高いところはまだ達していない(達せられない?)という感じです。 もう少し具体的な話にすると、旋削では現在用いられている切削条件ではハイスは耐えられません。切削速度が速く、熱が上がりすぎるためです。切削条件を落としてまでハイスを使う必要は一般にはないはずです。 ホブに関しては、逆に切削速度が低く超硬の適応域を下回り欠損しやすいとか、価格上昇に対し寿命は延びたのかといったことから試作はともかく使われるにいたってないのだと思います。
お礼
返信有難う御座います.たいへん、参考になりました. また、回答に対して質問なのですが、「ホブに関して試作はともかく使われるにいたってない」ということは旋削のチップだけでなく、ホブに関してもハイスはほとんど使われていないということなのでしょうか?
補足
あともう一つ.今ハイスのノンコートインサートチップを用いてSCM材を旋削する寿命実験をしようとしているのですが、構成刃先ができてしまい正確な寿命判断(逃げ面摩耗幅によって寿命を判断する)ができません.構成刃先ができないようきつめの条件を色々振って旋削するのですが、構成刃先ができないような条件のときはどうしてもすぐに刃先に焼きが入るか、刃先ごとチッピングしてもってかれてしまいます. ハイスチップで構成刃先ができないように、かつ刃先がいかれないような条件で逃げ面摩耗幅によって寿命を判断することはやはり無理があるのでしょうか?
お礼
ありがとうございます.情報は多い方が良いので助かります.ところで最後の文なのですが、「旋削と異なり空転時間が非常に長いので温度変化が非常に高いと言うのもハイス材が使用される要因の一つ」というのがよくわからないのですがどういうことなのでしょうか?