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クロメート皮膜とは?耐蝕性や除去方法について教えてください
- クロメート皮膜とは、アルミの素材上にクロメート処理(アロジン等)を施して形成される皮膜です。この皮膜は耐蝕性を持ち、触ったり擦ったりしなければ一定期間耐久性が維持されます。
- しかし、時間の経過や外部からの影響により耐久性は徐々に低下します。特に触ったり擦ったりすることで皮膜が剥がれる可能性があります。
- また、アルコールや他の薬剤による拭き取りは、一部のクロメート皮膜を除去する可能性があります。したがって、クロメート皮膜を保護するためには、適切なメンテナンスが必要です。
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クロメート皮膜の耐食性は、皮膜中に含まれている6価クロムの量で決まります。 この6価クロムは黄色い色をしていますので、皮膜が黄色く見えるわけです。耐食性を発揮する機構は、6価クロムがもっている酸化力によりますが、酸化力を失うと3価クロムになり、黄色い色は失われます。 つまり、クロメート処理した製品が、黄色い色をしている間は、耐食性があることになります。 クロメート膜は、アルコールなどでふき取ったとしても除去されることはありませんが、合成タワシ(なんて言ったかな?)やスチールウールなどの硬いものでこすると、剥がれてしまいます。ごしごし擦れば問題でしょうが、普通に手で触ったりして剥がれることはありません。 傷つけることなく、穏やかな環境のもとでは、数年間の耐食性があると思います。
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今回の回答の元になる文献は、次のものです。 Plating and Surface Finishing 86(8),44(1999) 米国の表面処理の学会誌です。最新の研究論文も掲載されますが、現場で即実用できるレベルの論文もかなり掲載されます。 表面処理に関する文献はそこそこあると思います。 例えば、日刊工業新聞社からもいくつか出版されています。 しかし、実用的なものは数少ない…というのも、個々の事業所による独自のノウハウの部分がおおきく、文献にまとめ切れないからでしょう。 現場に即応したものでは、「めっき技術ガイド」全国鍍金材料組合連合会発行を推奨しますが、残念ながらこれは非売品です。表面処理関係の材料商の方と知り合いなら、分けてもらえるかもしれません。
お礼
自分でもいろいろあたってみようと思います。 何度も御手数をかけて頂き、誠にありがとうございました。
皮膜の残り度合い確認について 亜鉛めっきやカドミウムめっき上の光沢クロメートの定性的な試験方法ですが、参考までに。 製品をアルコールやアセトンで脱脂後、十分に水洗し、乾燥させる。 この製品上に、一滴の酢酸鉛50g/Lの溶液を滴下する。 直ちに黒っぽく変色したものはクロメート膜がない。 1分後に黒く変色したものには、クロメート膜が存在する。 この方法は、鉛の置換析出を利用したもので、クロメート膜そのものを検出するものではありません。また、膜に傷があるとその部分が優先的に変色してしまいます。下地がアルミの場合であっても適用できるとは思いますが、比較対照を用意した方がいいでしょう。変色に要する時間で、クロメート膜の残り具合も判断できます。 いずれにせよ、悪いものを検出するための試験方法として有効だと思います。
補足
度重なるアドバイスありがとうございます。 皆様の知識の深さに驚いておりますが、それらは経験等に基づくノウハウなのでしょうか? 推奨できる文献・書籍・資料等、差し支えのない範囲でお教え願えると幸いなのですが....。
>アロジン#1000(アルサーフ#1000)やアルクロムS10等の無色タイプ>の場合はいかがなものでしょう?(基本的には一緒でしょうか?)目>に見えないばかりに不安もあるのですが、皮膜の残り度合い確認の手>段等はあるのでしょうか? 基本的に一緒です。但し、メーカーさんによって若干変わります。 皮膜の度合いを簡単に見るのは、少し水をかけてみてください。 はじけば、処理されていると思っていいですよ。
お礼
「水のはじき」とは思いもよりませんでした。 早速試してみます。ありがとうございました。
補足
さっそくの、しかも判りやすい御回答を頂き、誠にありがとうございました。 甘えついでといってはなんですが、もう少しだけ教えて頂けますでしょうか? アロジン#1000(アルサーフ#1000)やアルクロムS10等の無色タイプの場合はいかがなものでしょう?(基本的には一緒でしょうか?) 目に見えないばかりに不安もあるのですが、皮膜の残り度合い確認の手段等はあるのでしょうか?