- 締切済み
抗がん剤とは
なぜ効く場合と効かない場合があるんでしょうか。 抗がん剤ががんにだけ作用する仕組みってどうなってるんですか?
- みんなの回答 (3)
- 専門家の回答
みんなの回答
- jing0708
- ベストアンサー率59% (485/810)
全く間違いである回答が多いので、ご説明します。医療系の研究・教育に携わっている者です まず、抗がん剤というものには大別して2種類あります。ほかの回答者さんは1つの物しかお答えになっていません。 ・所謂”抗がん剤”:細胞増殖速度が通常細胞よりも早いことを利用し、細胞分裂を阻害する薬。従って通常細胞にも悪影響を及ぼし、俗に言われる副作用、吐き気、嘔吐、脱毛などが生じやすい ・分子標的薬:がん細胞にのみ存在する特定の分子を認識し、そこを目標に攻撃を集中させるタイプとがん細胞が維持するために必要な力を削ぐタイプに分かれる。前者が抗体医薬品、後者がチロシンキナーゼ阻害薬など。がん細胞にしか影響が現れないため通常の抗がん剤のような副作用はでない。但し、がん細胞に似ている細胞には影響が出ることもあるためイレッサ(肺がんの治療薬として開発)には間質性肺炎といった形で影響が出る場合が稀にある。また、抗体医薬品はアレルギーを起こすことが稀にある。 効く場合と効かない場合があるという点については、上記の2種類によって理由が異なります。所謂”抗がん剤”と呼ばれる絨毯爆撃型の抗がん剤は低分子化合物で(代表例はシスプラチン)人間にとっては本来毒です。従って、解毒的に働く生体防御機構が強く働きがん細胞まで薬が届かないケースがあります。 具体的には、薬物排泄型のトランスポーターである P-gp や SGLT ,OATP,OCT,OAT などががん細胞から薬物を排泄してしまうのです。また、がん細胞の種類によってはこれらが通常細胞よりも多く発現している事も最近の研究で明らかになっています。 後者については、がん細胞によっては本来持っているはずの特徴的な分子を持っていないケースがあるのです。例えば慢性骨髄性白血病に多く見られるフィラデルフィア染色体もその1つです。しかし、この染色体の ゲノムDNA のうち 315 番目のチロシンという塩基が別の塩基に転座(遺伝子変異)していることがあります。この場合、本来使えるはずのイマチニブ(グリベック)などに抵抗性であり、逆にポナチニブ(治験段階)が奏功します。 このように前者は毒であるがゆえに生体防御能力が強いがん細胞には効かないことがあり、後者は特定の分子を攻撃するがゆえに、それが変わってしまうと効かないということになります。 また、別の方が例にバイアグラ(クエン酸シルデナフィル)が作用機序不明と答えていますが、全くの誤りです。シルデナフィルの作用機序はグアニル酸シクラーゼの阻害であり、これは陰茎付近に多いのです。従って、陰茎部の一酸化窒素が増え、血管拡張作用が増強することで勃起します。性的興奮などによってではない勃起であるため、性行為自体は可能ですが快感などが得られにくいという指摘も現在は出ています。 抗がん剤については、古い知識を鵜呑みにしている方やテレビなどで知ったつもりになっている方が多いのですが実際の現状とは全く異なります。 気になる場合は専門書などをお手に取ってみることを心からお勧めいたします。
- eroero4649
- ベストアンサー率32% (11074/34518)
「なぜか理由は分からないけど、なんだか効果があるのは明らかだから使っている」なんて薬は特にがん治療薬には多いのですよ。 一例をあげると、あのバイアグラがなぜ男性を勃起に導くのか理由は全く分かっておりません。元々は心臓病の薬を作るつもりだった試験薬が、心臓病には効果がなかったのに治験者から「先生、アレはすげえ薬だね。ビンビンでワイフも大喜びさ」なんていわれたので最終的に薬として認められたのです。 効くメカニズムが分かっていないので、効かないメカニズムも分かりません。
- nagata2017
- ベストアンサー率33% (6878/20342)
抗がん剤という名前からして 事実とちがっています。 がんに抗する薬剤 ではなく 細胞分裂を抑制する薬品です。 正常な細胞よりも がん細胞のほうが 細胞分裂して増殖するスピードが早い。 という性質を利用して がんの増殖を抑えるという意味ですから 増殖していることに変わりがない。 そこのところをいろいろとくふうして がん細胞のところにだけ集まるようにできないかと研究されています。 細胞障害性抗がん剤 分子標的治療薬 という種類がつくられています 細胞障害性抗がん剤はさらに 代謝拮抗剤 アルキル化剤、 抗がん性抗生物質、 微小管阻害薬 などに分類され 働き方がすこしずつちがいます。 でも まだまだ がん細胞にだけ効く というものはできていません。 がんの種類により これはかなり有効 というものもありますが それが質問の答えでしょうか。 それを詳しく解説したサイトがあります。 http://www.anticancer-drug.net/category/