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抗ガン剤がガンに効かないことがあるのはどうして

「ガン漂流」(奥山貴宏)という本を読みました。 著者がガン(肺、すい臓、脳)にかかってしまうのですが、 抗ガン剤治療をしても「著変なし」(腫瘍の大きさに変化なし)で、最終的に使える抗ガン剤がないという状態になり、とうとうお亡くなりになります。 抗ガン剤は一般の細胞よりもガン細胞をより多く死滅させるらしいのですが、どうして効果がないのでしょうか? 著者は頭髪が抜けたり、悪心、悪寒に襲われたりする副作用に苦しめられます。 ということは抗ガン剤が効いているということなのですが…。 どう考えても多少は効果があるはずなのでけれど。 腫瘍が小さくならないのはどういう理由によりますか? よろしくお願いします。

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  • pathology
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回答No.2

まず根本的に生命の神秘は永遠の謎であり、説明不可能です。生命があることを前提にして癌を考えると、 正常の機能を失い、正常の制御を受けることなく無軌道に増殖し、発生部位から遠くへも飛び火(=転移)することによって、宿主(癌をもっている人)の健全な生命現象を損ない、最終的に死に至らしめる病気です。 細胞が増殖するということは、正常な細胞でも制御下で行なわれています。怪我をして治る過程では、そこの細胞が急速に増殖しています。毛髪や爪も伸びていきます。全身の臓器は神経を除いて、細胞は常に増殖して徐々に古いものと置き換わっています。 正常な細胞が増殖するときは、「増殖しなさい」という指令が細胞外から細胞表面へ伝わり、その指令は細胞内でいくつかの段階を経て細胞核というところに届きます。指令の種類や伝達の経路は単一ではなく、現在知られているものの他にもあるでしょう。 癌は増殖速度が速くてさらに止められない状態なので、増殖の指令から伝達の過程を邪魔する薬剤が「ある程度は」効きます。これが抗癌剤(抗腫瘍剤)です。 最近では、遺伝子の研究から特定の癌が用いている増殖の指令伝達を分析して、そこを阻害する薬剤も開発されるようになってきました。 しかしながら、抗癌剤は(ある種の特別な癌を除いて)癌細胞を完全に殺すことはできません。なにしろ癌は、もとは自分の細胞から生じた異常な細胞です。正常な細胞を殺さない程度に投与している以上、完全に治癒させることは困難です。 抗癌剤が対象となる癌に対して最初から効果を示さないことは珍しいことではなく、また当初は腫瘍が縮小しても、再発時には効かなくなることはよくあります。癌細胞が当該の抗癌剤による作用に影響されない増殖指令伝達経路を用いているからかもしれませんし、抗癌剤を無力化する仕組を備えていることもあり得ます。再発時に効果が低下するのは、抗癌剤に耐性を獲得した細胞が増殖するためだと考えられています。 現状で、癌を確実に完治させる方法は外科的に完全に切除することです。もしも、薬が効くのが当然であれば、癌というのは「ごく普通の恐くも何ともない」病気のひとつになるでしょう。

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  • inoge
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回答No.3

うーん がん細胞だけを殺す薬剤,というのは現時点では有りませんが,将来も無いとは限らないでしょう がん細胞と正常細胞は元が同じですから違いが少ない その少ない違いをとらえるのが抗癌剤の基本戦略です 抗癌剤が効かない理由はいくつかあります. まず,薬が細胞まで届くかどうかも重要です 届かなければ効かない 抗癌剤は副作用もキツい場合が多いので,投与時の血中濃度に限界があります.脳など薬剤の届きにくい組織や血行の少ない腫瘍の場合などがこれに当たるでしょう.癌は血管が少ないものは中心部に壊死をきたすほど虚血になるのです. 例としては悪性リンパ腫,脳以外のものは薬剤治療で 半分ほどは助かるのですが,(囲碁の藤沢秀行先生が有名ですね)脳原発又は脳転移があったものはほぼ100%たすかりません.顕微鏡で見ると両者の違いはほとんどありません. 細胞だけでなく,場所も悪いのです. 細胞自体もどんどん細胞分裂をきたすのですから, 抗癌剤投与を繰り返すとその中の薬剤に何らかの耐性 (標的となる退社経路を迂回したり,細胞表面抗原が変化したもの)だけが生き残ると効果がなくなります. もちろん,薬剤が最初から効果がない場合もよくあります もっと詳しいところは本を読んでください

  • inoge
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回答No.1

↓この本に書いてあると思います

参考URL:
http://www.uchu-dou.co.jp/tokushu/Drug.htm