刑事法

質問

AさんはBさんを騙してBさんの体に爆弾をまきつけた。コンビニで強盗をして10万円を奪ってAに渡さないと爆発させると脅された。Bさんはコンビニで店員を脅し10万円を強奪した。Bさんが10万円を強奪しようとする際、コンビニ店員がBに対して正当防衛による反撃をすることは許されるのですか？そしてAさんとBさんの罪責はどうなりますか？

回答No.1

hekiyu

面白い問題ですね。

Bさんが10万円を強奪しようとする際、コンビニ店員がBに
対して正当防衛による反撃をすることは許されるのですか？
　　↑
Ｂの行為は責任だけでは無く、違法性も阻却されます
ので、店員が正当防衛を行うことは出来ません。
やるなら、緊急避難ですね。

で、緊急避難が成立するか、といえば、成立しないでしょう。
他に方法がない、とまでは言えないからです。

しかし店員が事情を知らないで反撃したとすれば
正当防衛の意思で、緊急避難行為を行ったことになり
違法性の錯誤、という理論的に複雑な問題になります。

この場合は、通説によれば故意が阻却され、過失の
存在を前提に過失犯が成立します。
過失傷害とかです。
過失も無い、と認定される場合もあるでしょう。
その時は無罪です。

そしてAさんとBさんの罪責はどうなりますか？
　　↑
１，Ｂ
　違法性、少なくとも責任が無い、ということで犯罪は
　成立しません。
　責任がない、とする理論を期待可能性の理論といいます。
　日本には、期待可能性が無いとした実例はありません。

２，Ａ
　Ｂに対する脅迫やら、殺人未遂やらの成立が考えられますが
　Ｂの行為が違法性を欠きますので、教唆などの共犯は成立
　しません。
　しかし、Ｂを道具として利用した、ということで間接正犯が
　成立し、強盗罪の正犯になります。