お答えします。
まず、(1)給与面について
介護士に比べて、看護婦業務のできる看護師になった場合は、明らかに毎月の手取りで2万円以上UPします。
しかし、看護助手といった病院内での生活基盤など医療ではなく、生活介助(QOL)向上のための補佐役として働く場合は、この限りではありません。
賞与についても、夏・冬のボーナスの倍率がUPするのが一般的です。
(2)精神面について
病院の勤務に限らず、看護婦の資格を取得した場合における介護業務と、看護婦の資格取得しないまま、介護業務を続けるのでは、その勤務内容も職域も大幅に変わってきます。
ア:ケアプランに従って、要介護者の介護プランを企てる場合に、例えば、絆創膏を貼ってあげる作業ひとつにしても、目薬をさしてあげる行為そのものにしても、疥癬などの皮膚病に対してお薬を塗ってあげる作業にしても、なにひとつ、介護士の判断ではできなかったものが、看護師であれば、その準医療行為に当たる対処と生活介助ができうるといった利点があります。
しかし、これはあくまで、ケアプランに則った支援ではなく、介助目的でもなく、明らかに医療行為に順ずる医療介助ができるということにほかなりません。
イ:貴殿が訪問介護(在宅型・訪問型)について
サービス提供責任者の立場であり、毎月役所に提出される、支援プラント(要支援1・2)と介護プラン(要介護1・2・3・4・5)の請求金額に対する支援および、介助内容をつぶさに閲覧でき得る立場の介護士さんであれば、ケアプランにおける点数と負担金(応益負担分)はご存知でしょうから、要介護者の介護度合いに従って、介護プランが作成されている以上、たとえ看護師資格を有していたとしても、その医療行為を伴う生活介助には、限界があることを知るべきです。
*これはどういうことかと申しますと、介護の職種としてその業務に携わることができたとしても、介護プランに無い準医療行為は、在宅介護や訪問介護の場合は、一定の業務は看護師でないとできないからです。
バイタルチェックも、厳密には看護師しかできませんが、一般的には訪問看護士の方でも業務としてしています。
傾聴についても、看護師の立場で知りえた情報を介護日誌に記録する場合も、おのずと作成する手間が、介護士の場合とでは違ってきます。
つまり、これは、ヒアリハットで済まされる内容であっても、看護師であれば始末書問題まで発展します。
ウ:責任の所在と範疇について
介護士の立場での限界と、看護師になってしまったがうえでの苦労を、現在の段階で考察してくださいというのが、無理な話ではありますが、個人の仕事に対する向き合い方で違ってくると思います。
看護師に向く性格の人は、「人に指図することが、平気でまた、指図してもその裏づけとなる知識も経験も十分にある人」は、看護師を目指すべきです。
しかし、自分の行いや良かれと思った行為が裏目に出たり、ちょっとした齟齬(認識の違いを含む)から、要介護者の親族やケアマネジャーといざこざが耐えない人は、看護師は向きません。
私が思う貴方の性格上の結論です。
>裏切りもの扱いするのではとたぶん揉めると思います。
こういうふうに、他人の立場と職場環境を人間的なコミニュケーションを量りながら、仕事を今されている貴殿の性格を思うと、看護師は向きません。
看護師は、人が死ぬのも、当たり前、ターミナルケアであっても心が動じず、淡々と事務的に仕事ができる人間でなければ、勤まりません。
ナイチンゲール聖典や、ヒコプラテス聖典などの、看護業界における崇高な看護精神とは、まったく裏腹の世界であると言えます。
ご自身の、お悩みは十分すぎるほど、判ります。
唯、看護師になって、要介護者の支援や介助に関する業務が、介護福祉士のときよりも、広がるとお考えのようですが、実務と諸問題を毎日聞かされている私としては、お勧めではありません。
貴殿が、「病院勤務もしてみたい」と介護の現場を離れて、医療の第一人者となりたいと思うのであれば話は別ですが、介護の中身で悩まれているのでしたら、人員不足からくるケアプランの介助や介護の中身を、ケアマネジャーを通じて見直してあげたほうが得策のような気がします。
そもそも、介護福祉士の仕事と看護師の仕事は対極的立ち位置です。
まったく、両者を同等の立場で、介護の世界へ持ち込むと、仕事になりません。
十分お考えの上、転職をお考えになられたほうが、良いと思います。
今年、4月から職域加算手当て(訪問看護士=介護福祉士)の施設に従事する人数から給与面でも加算額が増設されましたから、現状でも悪くはないのでは思います。
貴殿の益々のご活躍をお祈りします。