「Hysteresis」は日本語では「履歴現象」と言いますが、かえって分かりにくいので、「ヒステリシス」と呼んでいます。
電気回路では当たり前に使われる方式です。
例えば、街路灯を空の明るさで自動制御して夕方暗くなると点いて、夜明けに明るくなると消えるようにしたいとします。
夕方になってだんだん暗くなってきて、ある設定値になると街路灯が点きます。
しかし、暗くなるのが一気に進めば良いのですが、変化が分からないくらいゆっくりですね?
しかも、電気回路は明るい時から暗くなって行くのか、暗い時から明るくなって行くのかの判断ができません。単純に一定の明るさになったら電気を点けるか消すかです。
従って、設定値の辺りをゆっくり通過すると、「点けるのか? 消すのか? 点けようか? 消そうか? どっちかな? どっちかな?」となって点滅状態になってしまいます。
それを防いで、点くなら点く、消えるなら消えるとハッキリさせるために、例えば明るさが2ルクスになったら点灯させて、3ルクスになったら消えるように設定します。
すると10ルクス→5ルクス→3ルクスでは点灯せず、2ルクスになって点灯します。
逆に夜明けは、0.5ルクス→1ルクス→2ルクスでは消灯せず、3ルクスになって消灯しますが、点灯前の3ルクスでは点灯しなかったので点滅にはなりません。
このONとOFFの設定値の差がヒステリシス幅です。