- 締切済み
BDF触媒はNaOH か KOH それとも別のものがいい?
BDFの自作技情報を整理しています。 私は水酸化ナトリウムで自作しています。 時々、Kが弱いとの記述があります。 意味が理解できません。 使用する触媒の純度や、リン酸カリウムや炭酸カリウムを使用する文脈でKが弱いなら理解できます。 私はその文脈で通常使っています。 アルカリ触媒法によるBio Disel Fuel Transesterification に関する質問です。
- みんなの回答 (2)
- 専門家の回答
みんなの回答
- kenchin
- ベストアンサー率56% (398/700)
>>『水酸化カリウム(KOH)は苛性ソーダより弱いから、量を1.4倍にして >>使うこと』 >>モルから見ても 1.4 という数字がでてこないので混乱しています。 >>分子量もKOHの方が多いし・・・・・ ご紹介いただいたのHPを見ましたが、恐らく、こういうことじゃないですかね? □ まずは1.4倍の算出根拠から。 話を簡単にするために、メトキシドで考えます。 [反応式] 1)CH3OH+NaOH→CH3ONa (ナトリウムメトキシド) 2)CH3OH+KOH→CH3OK (カリウムメトキシド) どちらも1molのメトキシドを作るためには1molのアルカリが必要ですので メタノール1molなら、NaOHは28g、KOHは36g必要になります。 ですからKOHの必要量はNaOHの場合と較べて 36 ÷ 28=1.2857(倍)・・・・・・・・・式1 になります。 で、これは『濃度100%のアルカリを利用したときの必要量』ですね。 ところが、試薬は100%ではありませんので、ここでその分の補正が必要に なります。 いまJISの試薬特級を見てみますと、NaOHは96wt%、KOHは85wt%で、市販の 薬品も大体これに近似として考えてみます。 すると水分の補正式は「NaOHの水分量 ÷ KOHの水分量」となりますから 0.96/0.85 = 1.1294(倍)・・・・・・・・・式2 となります。 となると、必要になるNaOH量を求めるには式1と式2を掛けあわせれば okで、結果は1.45倍になり、仰る「1.4倍」に近似になりますね。 (0.5の誤差は、想定している水分量の差でしょう) □ 次に「弱い」の表現について。 私の考えでは、同じ量の油を処理するのに、KOHはNaOHの1.4倍必要な事から 「弱い=量が沢山必要」と表現しているんじゃないかと思います。 で....。 ご紹介のHP、どうやらどなたかが和訳されたみたいですね? となると、原文がどういう風になっていたかが根本じゃないですか? 技術英語ってのは結構訳しにくいものですから、その段階での誤訳って可能性 が高いと思われます。 例えば、この場合「Sweet」とか有れば、化学論文(?)で使われている事を 考慮せずに意訳すると「緩やか」とでもする人がいるのかもしれませんが、化 学論文ということを考慮して、正確に意味を表現するなら「同質量でのOH量が 少ない」となります。
- kenchin
- ベストアンサー率56% (398/700)
ご質問前段の「Kが弱い」という意味は私も解りません。 どのような文献でその表現を使っていたのか?をご紹介いただければ、前後の 文脈から意味を読み取る事も可能ですが.....。 □ で、表題の「BDFにはNaOHかKOHか」について。 拙い知識なので、間違っていたらご容赦を。 BDFって、結局はアルコールと触媒を使って、植物油や動物脂肪のトリグリセリドを アルキルエステルに交換する「エステル交換(反応)」だと思うんですね。 となると、相方(トリグリセリド)は固定なので、方法論の違いはエステル交換を 行うためのアルコール源を触媒(アルカリ)が出発点になります。 □ 先ずはアルコール源を考えてみます。 代表的なアルコール源としてはエタノールかメタノールになりますよね? (もちろん、他のアルコール類でも可能ですが、経済コストを考えるとこの二つに 絞られます) 次に触媒を考えてみます。 エステル交換を行うために、メタノールの場合はメドキシド(CH3O-)が、エタ ノールの場合はエトキシド(C2H5O-)が必要となりますので、アルコールとアル カリを反応させてこれらを作ります。 このときのアルカリは、強塩基であればあるほど収量が増える(一定量のアルカリ アルコールから、エトキシドorメトキシドが多く取れる)ことになりますので 一般的にはNaOHかKOHを使う事になると思います。 ※:ですからCaCO3などはこの段階で候補から落ちると。 Ca(OH)2が候補から落ちるのは別の理屈だったと思います。 (たしか沈殿生成が理由だったと。) となると、組み合わせとしては 1)CH3OH+NaOH→CH3ONa (ナトリウムメトキシド) 2)CH3OH+KOH→CH3OK (カリウムメトキシド) 3)C2H5OH+NaOH→C2H5ONa (ナトリウムエトキシド) 4)C2H5OH+KOH→C2H5OK (カリウムエトキシド) の4つになりますが、 a.NaOHはエタノールへの溶解度が低いため、固体のNaOHでは3) の反応速度は遅い。 b.KOHはNaOHに比較して分子量が大きいので必要量が多くなる。 c.カリウムメトキシドは反応が遅いために収量が落ちる(確か....) d.市販のKOHは水分を多く含むためにエステル交換反応を阻害しやすい 注)上記Cは出来たらご自身でも再検してください。 という理由から、実際は1)か4)を使う方法が一般的になっていると思います。 ですから、NaOHでもKOHでも、どちらでも良い(どちらも一法)って事になるん ではないでしょうか?
お礼
大変詳細な御回答に感謝いたします。 ゆっくり読んでみます。 さて、KOHが弱いとする不思議な記述はBDF関係のあちこちで散見されますけれど以下のURLにもあります。 『水酸化カリウム(KOH)は苛性ソーダより弱いから、量を1.4倍にして使うこと』 URL : http://journeytoforever.org/jp/biodiesel_make2.html モルから見ても 1.4 という数字がでてこないので混乱しています。分子量もKOHの方が多いし・・・・・ まったく理解できません。
お礼
そうか! 式1と式2とを! 全く気づきませんでした。 昨日 やっと注文した水酸化カリウムがとどいて、何? 85%?? と思っていたところです。 水酸化ナトリウムの3倍近い価格に驚きました。 御丁寧な御回答ありがとうございました。 これで夜もぐっすり眠れそうです。