東京から名古屋まで車で競争するとしましょう。
ルートは東名、新東名、中央の3通り。
圧倒的に早いのはどのルートか?
あなたの質問をたとえるならこういう話です。
答えは、どれも大して違いません。
では、この競争に勝つにはどうすればいいか。
答えは単純。
相手より速い車で行けばいいのです。
相手が軽自動車なら2000ccの車で、相手が2000ccならフェラーリで行けば勝ちます。
先ほどは「大して違わない」と言いましたが、基礎重視か応用重視かという設問は実際には大きな差があります。
基礎を無視して応用など出来るはずがないのですから。
勉強とは積み重ねです。
足し算引き算が出来てはじめて掛け算に進めます。掛け算が出来てはじめて割り算に進めます。
掛け算がロクに出来ないのに割り算に進められるはずがないのです。
1.01の法則というのがあります。
1.01、つまり1%ずつ毎日伸びていったら1年間では、1.01^365=37.8になる。
逆に0.99、つまり毎日1%漏れがあれば1年間では、0.99^365=0.03になる。
基礎をおろそかにすれば最終的にはとてつもない差になって現れるというたとえ話です。
勉強が出来る人はフェラーリに乗っているとたとえました。
それは要するに基本スペックの違いです。
まず単純にスピードが違います。
普通の人は1分間に500文字読みます。
勉強できる人はこれが2000だったり、5000だったりします。ビル・ゲイツは10000文字だそうです。
仮に偏差値50の人が500文字、偏差値70の人が2000文字だとしましょう。4倍違いますね。
偏差値50の人が基礎の習得に1時間掛かるとすれば、偏差値70の人は15分で終了します。
偏差値50の人から見て高偏差値の人は基礎を端折っているように見えるかもしれませんが、実はあっという間に通過しているだけです。
次に記憶力も違います。
偏差値50の人が1時間で10ヶの単語を覚え、翌日半分忘れているとしましょう。
偏差値70の人はこれを15分で終わらせ、なおかつ翌日になっても全て覚えています。
普通の人にとっては忘れるのは当たり前のことで、習ったはずなのに覚えていないという単語があっても「あ~あ」と嘆くだけです。
高偏差値の人は既習範囲に未知の単語を発見すると驚きます。そして喜びます。「まだ覚えることがあったじゃないか、ラッキー」というわけです。でも彼らに通常それはありえません。
同様に理解力や発想力などの基本スペックも優れています。
もっと単純なスペックで言うと、聴力も優れている可能性があります。
テレビに向かって耳に手を当てると音声が良く聞こえるはずです。これはより多くの情報量を得ているということです。
高偏差値大の学生に福耳が多いのは決して偶然ではないでしょう。
そもそも福耳を福耳と呼ぶのは福耳の人は優秀であるがゆえに出世するという事なのかもしれません。
基本スペックというと「生まれつき」と誤解する人がいますが、決してそうではありません。
聴力はともかく、勉強に関わる基礎能力はほとんど全て小学校低学年までに獲得可能なものです。