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/ w / はなぜ軟口蓋音なのでしょうか?
/ w / なぜ、ただの接近両唇音ではなく、 接近両唇【軟口蓋】音なのでしょうか? http://en.wikipedia.org/wiki/English_language#Consonants によると labial ではなく velar になってます。 どこの部分が軟口蓋に接近しているのか教えて下さい。 お願いします。
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- Nakay702
- ベストアンサー率79% (10007/12518)
なるほど、面白いご指摘ですね。 これは、調音点が軟口蓋(舌背を軟口蓋に近づけて発音)と両唇(唇は丸めて発音)の2か所にある、いわゆる「同時調音」する音声である、ということだと思います。厳密に言えば、〔w〕は軟口蓋+両唇音でしょうが、中心となる調音点をとって軟口蓋音と言うことになっているんですね。 ところで、このように見ると、「調音点が2か所」ある音声はほかにもありますね。例えば、次のような音声です。(以下の例では、「主調音点→副調音点」の順に書きます)。 〔b〕両唇軟口蓋(有声摩擦)音 〔v〕歯唇軟口蓋(有声摩擦)音 〔k〕軟口蓋両唇(無声破裂)音 〔g〕軟口蓋両唇(有声破裂)音 厳密に言えばこのような表現になるはずなのですが、通常は、それぞれの中心となる調音点だけをとって、次のように言いますよね。 〔b〕両唇音 〔v〕歯唇音 〔k〕・〔g〕軟口蓋音 言語史上、これらの音は共通に持つ「軟口蓋性」を通じて相互に入れ替わったり移行したりする、という現象が見られます。(以下で、「ラ」はラテン語、「ゲ」はゲルマン祖語を指します。) 「欲する」:volere(ラ)→vouloir(仏)、querer(西)/ will(英)、wollen(独) 「戦争」:werra(ゲ)→werra(古代高地ドイツ語)、war(英)/ guerre(仏)、guerra(西) 同じ1つの語から派生したこれらの語について、それぞれの語頭の子音を比べると、〔v〕〔w〕〔k〕〔g〕各音の「近親性」がうかがわれますね。 また、こんな現象もあります。あるスペインの方言では、bueno「良い」と言うべきところで、よくgüeno〔グエノ〕と言うのです。これなども、〔b〕〔g〕両音の「近親性」を示す例と見ることができるだろうと思います。 以上をまとめると、次のことが言えると思います。 「音声学的に見て同時調音の弁別特徴を持つ単音でも、音韻論・音素論的には、そのうちの中心となる調音点1つだけをつけて、一般に『○○音』のように呼ぶことになっているのである」、と。 以上、ご回答まで。
- SPS700
- ベストアンサー率46% (15297/33016)
[w] は、下記のように、日本語では「両唇軟口蓋接近音」、英語では labio-velar approximant です。 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E5%A3%B0%E4%B8%A1%E5%94%87%E8%BB%9F%E5%8F%A3%E8%93%8B%E6%8E%A5%E8%BF%91%E9%9F%B3 http://en.wikipedia.org/wiki/Labio-velar_approximant 軟口蓋に舌面を近づけた母音の [u] に近い半母音だからです。
お礼
ありがとうございます。
お礼
なるほど。 軟口蓋と両唇の両方を使っている。 名前は、中心となる調音点だけを取っている。 ということですね。 口の形も発声の仕方も単純ではないから、 名前の付け方もそう単純にはいかないのですね。 地域や歴史も関わってくるのでしょうか。 ありがとうございます。