別に飲まれる必要はありません。
初めから飲めませんと宣言すればいいだけです。
接待での酒席というのは、あくまでも顧客との人間関係の親密化が目的です。
いずれお分かりになられると思いますが、あくまでも仕事上の立場どうしでのお付き合いです。
学生時代のように人格どうしのお付き合いではありません。
取引が無くなれば自動的に消滅してしまう関係です。
ベテランの営業マンほど接待の酒席が終わるとヨレヨレになります。
それぐらい神経をすり減らしています。
幾ら飲んでも酔ったらオワリです。
ベロベロに酔っているようでも冷静に状況を判断しています。
なまじ飲める駆け出しの営業マンは海千山千の相手に文字とおり潰されます。
酔い潰されたら、あとの交渉は全て先方に主導権を握られてしまいます。
酒が一滴も飲めない営業マンは珍しくありません。
二次会だろうが三次会だろうが付き合います。
カラオケもガンガン歌います。
飲む練習よりも、とっさにどんな話題にでもついていけるだけの知識を蓄えて下さい。
まい日、新聞の社会面に目を通して今現在何が話題になっているのか常に頭へ入れておいてください。
特に顧客の会社や工場などがある地方紙の記事には注意して下さい。
ネットで概要は読むことができます。
日経などの経済紙も経済政治欄だけではなく文化欄にも目を通しておいてください。
人間は教わるよりも教える方が優越感を持つ動物です。
常に直近の話題を相手から引き出すようにして下さい。
但し、政治、宗教の話題は御法度です。
相手の好みに合わせて釣りだろうが競馬だろうがポップスだろうが茶道だろうがさりげなく引き出せるようになったら一人前です。
自説を滔々とのべても害あるのみで何の益もありませんから充分注意して下さい。
営業という仕事は相手に喋らせたら勝です。
自分がまくしたてているような営業マンは三流です。二流にも入れてもらえません。
サラリーマンの飲み会は学生時代の飲み会とは目的も趣旨も全く違います。
常に人物評価の場です。
上司や先輩も単の飲んで騒いでいるだけではありません。
アイツはこういう場合どんな対応をするのか、ということを常にお互いに観察しています。
昇格転属などの際に上司クラスが集まって評価検討する際の重要な情報です。
昼間の仕事などというものは、余人を持って代え難し、などというもは存在しません。
平社員の個人の能力に頼っていたのでは会社はたちまち倒産してしまいます。
要はアルコール飲めるかが否かなどということは何の価値もないということです。
せいぜい、飲んだ方が話の取っ掛かりを付け易いだけの話です。
そのうちに相手の会社のお歴々からアイツがいれば間違いなく帰れるからアイツを呼べ、とお座敷がかかるようになります。
頑張って下さい。