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トランス脂肪酸の含有量の多い脂質を多用される理由
トランス脂肪酸が動脈硬化等の心臓血管系の病気を促進することはよく知られています。 最近は、花粉症などのアレルギー症状の助長要因としての可能性も浮上してきました。 ところで、食品の中で特にトランス脂肪酸含有量が大きいものとして、加工油脂(マーガリンやショートニング等)がよく知られていますが、日本では、パンや洋菓子のほとんどと、揚げ物やチャーハン、ピラフなどにも広く使われています。 最近は、和菓子にもマーガリンが使われることが多くなってきています。 また、ファットスプレッドやチーズフィリングなどの○○スプレッドや○○フィリングといった複数の原料からなる食品材料にも、トランス脂肪酸が少なからぬ量が含まれている場合が多いようです。 コンビニやスーパーの店頭に並んでいるパン、菓子パン、洋菓子などパッケージに表示された原材料名を見ると、大部分のものに、マーガリン、ショートニング、、○○スプレッド、○○フィリングなどの記載が無いものを探す方が難しいほどなので、日本の食品がトランス脂肪酸含有量の多い食品に占拠されつつあるようにさえ思えます。 食パンも、フランスパンなどのごく一部の例外を除いて、日本で販売されているパンの大半にショーоニングかマーガリンが使われています。 国産のビスケット、クラッカー、ロールケーキ、洋生菓子なども同じような状況です。 小売店が自店で揚げている惣菜や弁当の具材としての揚げ物類には、原材料の表示がないものが多いですが、こちらには、揚がったあとのサクサク感に優れるとして、ショートニングが多用されているようです。 しかし、意外にも外国から輸入される食品の原材料名を見ると、こうした材料が記載されている例が少なく、それに代わってバターが使われていることが多いですね。。 外国産のビスケットやクッキーなどは、その好例です。 つまり、日本の食品業界では、特に好んでトランス脂肪酸含有率が高い材料が使われているということがわかります。 これは、なぜなのでしょう? ひとつには、食感(揚げ物のサクサク感等)や見た目の艶(和菓子のマーガリン等)、舌触りの滑らかさ等を改善する効果があるでしょう。 そして、最も重要な理由は、その低い価格にあるようです。 日本では、酪農ビジネスは極めて厳しい環境にあり、外国産の安価な乳製品にいつでも容易に壊滅させられ得る状況にあります。 廃業に追い込まれる酪農家も後を絶ちません。 こうした中で、牛乳の価格は低く抑えられたままになっているため乳製品の生産量は減少することもあって、その結果バターの価格が需要を満たせず高騰しました。 こうした国産バターの不足と高騰が、我が国のショートニングやマーガリンへ等への過剰な依存体質を生み出したのではないでしょうか? トランス脂肪酸の含有量をできるだけ抑えた食用油脂に置き換えていく方針は、ミスタードーナッツなど僅かな数の企業だけが細々と取り組み始めたようですが、こうした動きがあまり拡がらない最大の理由は、その対策に大変なコストを要することにあるようです。 私は、トランス脂肪酸が有害であることがわかっていても、それをできるだけ食品から排除しようとすれば、特に中小零細の食品産業が大きなダメージを受けることが予想され、それがトランス脂肪酸の規制に食品業界が消極的な理由なのではないかと見ていますが。こうした業界の事情を顧客の健康より優先させる姿勢は、果たして社会的に許されるものなのでしょうか? 単にコストを優先しているだけなのでは? 食品安全委員会の委員の人選は、本当に妥当なものなのでしょうか? なお、食品中のトランス脂肪酸の危険性についての議論でよく挙げられる下記の論点は、問題の論点をすり替えているだけなので、今回は対象外とさせていただきます。 ・トランス脂肪酸は、天然の食品中にも含まれているので、問題ない。(人工的に作られた油脂にが丹生されるトランス脂肪酸の濃度は、天然の食品に含まれるものより遥かに大きいため) ・日本人の食生活では、欧米人より遥かに脂質の摂取量が少ないため、日本人はさほどトランス脂肪酸に神経質になる必要はない。(食の欧米化が進み、脂質摂取量が増加したことが原因である乳癌や大腸癌の患者数の顕著な増加が見られる現状で、日本人の食生活が低脂質であるとは、全く言えなくなってきているため) ・有害性については、飽和脂肪酸もトランス脂肪酸も似たり寄ったりなので、ことさらトランス脂肪酸だけを悪者にするのはおかしい。(トランス脂肪酸は、元々食品にあまり含まれていなかったにもかかわらず、人為的に量産されてしまっている点で、本質的に比較対象とすることはおかしい どれもこれも似たようなものだとして、論点をぼかすことで、トランス脂肪酸の問題をうやむやにしようとする意図もあるのでは?) ・トランス脂肪酸の問題は、食品安全オタクや、同マフィア、食品安全に過剰反応する消費者団体の陰謀によって誇張されているだけである。(このような議論をするのであれば、有害性を小さく評価する意見を表明している団体側の意図や裏事情も斟酌しなければならない)
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お礼
ありがとうございました。
補足
>日本の食品業界はトランス脂肪酸排除にドラスティックに進んでいるはずですよ、ということです。 日本の食品業界が、行政が示した指針に誠実に対応していれば、そのようになっているのでしょうね。 でも、本当にそうなっているんでしょうか? そこを疑っているわけですね。 その根拠として、過去の食品業界の振る舞いを考えているわけです。 不正や偽装が発覚するたびに業界全体としても襟を正して再発がないように努めることを約束してきた若江ですが、その結果はどうだったでしょうか? 食品業界がモラルが高く、過去の不正を本当に反省していたなら、不正や偽装の事例が後を絶たないことなど、あり得ないはずですが、実際はご存知の通りですね。 私が一番申し上げたいのは、食品業界に対しては、性善説で臨んでは絶対にいけないということです。 性悪説に基づいてで臨むべきです。 どの会社も不正をやっている可能性があるという前提で厳し医監視の目にさらさない限り、今後も不正や偽装はなくならないでしょう。 そんな体質の業界に、自主性を求めること自体が、甘すぎるのではないでしょうか?