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WACCをFCF割引率に採用する理由がわかりません
投資効果を算出するにあたって、非常に初心者な質問で申し訳ありませんが、どうしても理解できません。お知恵を拝借頂ければ幸いです。 WACCの算出方法は理解できたのですが、なぜそれを割引率に適用し、投資効果を算出するのかが、理解できません。 例えば、毎年のFCFが100で固定として、WACCに基づく割引率が10%だとします。 その場合、初年度のFCF現在価値は、90.9・・・になると思うのですが、これは飽くまで現在価値の話であって、実際の負債額が実額ベースで多額であった場合、損益上は赤字になることだってありえると思います(例えば、負債額10,000で利率10%であった場合、利息は100発生し、FCFは0になってしまう。) その場合、投資効果がないのは、火を見るより明らかであると思うのですが、WACCに基づく割引率で算出していった場合、投資効果あり(現在価値のFCF×稼働時期-投資額=黒)と判定されてしまう場合があるのではないでしょうか? そうだとすると、アプローチの仕方次第で投資効果の有無の判断に違いが生じてしまうのではないでしょう? そもそも、WACCの割引率は、分母に負債等を置いたうえでの支払利息等の割合であって、FCFに掛け合わせるという行為自体、お門違いに感じます(現在の負債に割引率分をかけて、それをFCFから引くというなら理解できます。それは単純に利息という意味になってしまいますが・・・)。 なぜ、WACCを割引率として採用させる必要があるのでしょうか。 疑問点が分かりにくくて申し訳ありません。よろしくお願いします。
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- Crusadess
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こんにちわ。 FCFは実務で生まれた概念なので、人によって使い方が異なります。人によっては「営業損益+減価償却費-設備投資-運転資本増」であったり、「営業CF-投資CF」であったりします。小生は、「営業CF-現状維持固定資産投資」の意味で使っています。 人によって数字が異なるので、それなりに注意が必要です。 貴方は利払い前の状態をFCFと呼んでいるようです。ですので、「FCF×期間-投資額=黒字」の数字が利払いと一致した場合、それは結局は±ゼロになり、黒でも赤でもない状態という意味になるでしょう。その場合、使ったWACCはIRR(内部利益率)と同じです。 ところで、世間で言うFCFの元は、ウォーレンバフェット氏が1986年に語った「オーナー利益」です。引用文は↓。和訳すると「オーナー利益とも呼ぶべき数字から、深い洞察を得られる。オーナ利益とは、純利益+減価償却+未払金増額-現状維持固定資産投資です」。バフェット氏は、利息費用もオーナー利益計算に入れています。 株主への手紙1986: If we think through these questions, we can gain some insights about what may be called "owner earnings." These represent (a) reported earnings plus (b) depreciation, depletion, amortization, and certain other non-cash charges such as Company N's items (1) and (4) less ( c) the average annual amount of capitalized expenditures for plant and equipment, etc. that the business requires to fully maintain its long-term competitive position and its unit volume. http://www.berkshirehathaway.com/letters/1986.html 現在のCF計算書では、現状維持固定資産投資と拡張固定資産投資が一緒に「固定資産投資」に計上されています。ですので、「減価償却費=現状維持固定資産投資」と仮定するのがシンプルで良い。そう考えると、損益計算書の「純損益=金利費用を差し引く版のFCF」です。 気楽に活きましょう。