>いつも緊張してしまい自分の言いたいことが伝わっていない気がします。
緊張は、どなたでもされています。
そのことが、「仕事モードに切り替えるための程よい緊張」と「失敗するのが怖くて、ガクガクふるえてしまう緊張」とに分けられるだけです。もちろん、厳密には分けきれませんが・・・
「程よい緊張」に持っていくのには、私の知る限り、4つの方法があります。
一つ目は、質疑応答時に備えて、徹底的に調査をすること。
御自身のプレゼン資料と、それに関する事項の理解度・習熟度が、同程度では、自信をもってプレゼンはできません。あくまで、私の経験ですが、プレゼン資料の20倍くらいの背景知識や因果関係等々を知らないと、説得力のあるプレゼンはできません。自信がついていない知識を、他人に話すときは、どうしても声が小さくなりますし、説得力のある話し方はできません。
二つ目は、リハーサルを徹底的にやることです。
今は、スマホでムービーも取れますし、音声録音をもできます。プレゼンの直前には、本番と同じように、声を出して、さらに、身振り手振りを加えて、「本番と同じように、口と体を動かしてください」。そして、録画・録音をしたプレゼンを見直してください。私もそうでしたが、「自分で自分のプレゼンを見る」と、周囲からの評判が良くても、自分自身が、自分のプレゼン力の未熟さに打ちのめされて、「プレゼンの練習をしよう」という気持ちが湧いてきます。実際に、私は、空いている会議室や建物の屋上で、作成したプレゼン資料を片手に、「声を出して、身振り手振りをしながら、プレゼンの練習」をするようになりました。
三つ目は、プレゼンの冒頭で、「私は、あがっていますが、誠意をもって、プレゼンさせていただきます」と「あがっていること」を吐露・発言することです。
たまたま偶然、テレビで見たのですが、お笑いコンビ「カラテカ」の矢部さんで、極度の緊張状態の中、プレゼンをする設定で、脈拍・心拍数等をはかる実験がありました。
驚くべきことに「私は緊張しています」と冒頭で話した途端に、緊張度の高さを表す(医学的)指標が全て下がったのです。ありのままの自分をさらけ出すと、「間違ってはいけない」という思い込みから開放されるのが、主たる原因ではないかと、実験に協力していた医師が、話していた記憶があります。
四つ目は、プレゼンの資料を、同僚・上司に、事前にチェックしてもらうことです。
会議の前に、会議の資料を見せては、二度手間で他人の時間を邪魔することになるので、程度の問題があります。しかし、客観的にチェックしてもらえることは、一番目や二番目に通じますが、完璧に限りなく近い資料を作れますから、それをなぞることで、プレゼンを理路整然と進めることに、大いに役立ちます。第三者のチェックを仰ぎましょう。
以上の四つが、ほとんどの人に通用する、「程よい緊張」への移行術だと思います。
残りは私が、やったことです。
誰にでも、通じるものではないので、もしも・万が一、使えそうならば使ってみてください。
・資料が、複数のタイプに分かれる時は、色の違う付箋を予め貼っておく。
例えば、資料A・資料B・資料Cに別れている時は、Aに赤付箋・Bに青付箋・Cに黄色付箋を、貼っておきます。そして、会議の途中で、「ここまで、赤付箋の資料でしたが、次は青付箋の資料の話になります」と話せば、資料ごとの大見出しを見なくても、スムーズに必要な資料を選んでくれるので、会議・プレゼンの進行がスムーズに行きます。
・できるだけ数字に関するプレゼンでは、エクセルでグラフを作る。
当たり前のことですが、数字は、数字そのもののだけでは、理解しがたいです。時間的な流れが、重要なデータには、折れ線グラフ。部門・担当者ごとの数字の違いを確認するには、ヒストグラム(柱上図)。割合・比が重要ならば、円グラフ(パイチャート)等々です。
・会議の途中では、ホワイトボードやパワポ映し出しているスクリーンではなく、聴き手を観るふりをする。
当たり前ですが、会議の参加者に背中を見せていては、自分の声が、直接、会議の参加者に届きにくくなります。会議の参加者を見るふりをして、「左前方手前→左奥→会議室中央最後尾→右奥→右前方手前」順に、壁や柱を見ていけば、「正々堂々とした振る舞い」と勘違いしてもらえます。こういう細かいテクニックでも、話し手の言うことを信頼してもらうのに、役立ちます。
・資料のページをめくるタイミングに、「一言」添える。
例えば、「次は、4ページの話になります、めくってください」は使いませんでした。「ここまでは、今年度の予算に関する話でしたが、4ページ目は、新年度の予算案の話になります。ページをめくって、4ページから、お話しします」等です。話し言葉が、冗長になる欠点を有していますが、資料の内容を把握している人間だと勘違いしてくれて、話の説得力が増します。
以上です。少しでも参考なれば、幸いです。
お礼
詳細かつ、分かりやすく教えていただきありがとうございます。ポイントが押さえられ大変参考になりました。自身の足りていないことが多くあることに気づいたので、一つ一つ克服できるよう取り組んでみます。