学校の試験や宿題が出されて、その答を教えろ!というのは余りにも付け焼き刃的で単純すぎる発想だわな。
こうした国語領域の設問(読解を含む)では、先ず逐語訳し、次に意訳するとの筋道を辿らねば適切な回答を導き出すことは困難です。今回の出題は恐らく学校の定期試験でしょう。でしたら目の前にテキストがあるのだから確認もできるはずです。けれども入学試験の場合だったなら、テキストを確認することなど不可能です。けれどもその試験が最後の受験チャンスで他の志望校を全部不合格だったなら、もう後もありません。貴方ならどうしますか?
この「住むべき国求め」の前の部分には「身をゑうなき」との一節があります。平安の昔、都に一人の男がいた。その男はそれなりの身分ではあったものの、周りが出世していくのに対し、自らはその尻目を見るだけの空しい日々が続いていた、とのニュアンスを読みとることができます。
そうした都での生活ともう一方での私生活での倦怠期もあって、この「男なる人物」は早々に都での生活に見切りを付けたといえます。
こうした作品の背景を読み取るために「逐語訳」が必要であり、「身をゑうなき」との内容を如何に具体的に訳出できるかとの出題意図がありますので、少し厳しい言葉を使わせていただきました。
答を書こうとすれば簡単にできます。この段は「東下り」の冒頭ですから、都落ちして東国に新たな生活基盤を求めて出奔する男の物語です。そこから類推していけば答も自ずから明らかになりもします。けれどもそれでは今後の質問者にとってよろしい影響を及ぼす可能性が多くはないと考えての回答です。
解らない単語があれば辞書引き、意味を確認しながら一つ一つ先に進んでいく、そうした基本が常に必要です。