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福祉経験者の方へお聞きしたいことがあります。
その質問はずばり、あなたはどんな価値観に基づいて福祉をしていますか? ということです。僕は福祉系大学の2年生なのですが、将来福祉の道に進むべ きか非常に悩んでいます。何をよりどころにして福祉というものを実践していっ たらよいものかわからないのです。 ご意見をお寄せいただいた方のものを鵜呑みにするというわけではありませ んが、先輩達は一体どんなことをやって福祉をやっているのか、教科書に載っ ているようなものではなくて、現場で働く人の生の声が聞きたいです。たくさ んのご意見をお寄せいただければ幸いです。
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わざわざ、お返事をいただき、ありがとうございました。 さて、二点ご質問をいただきましたが、私が過去に関わった中で、最も印象深いケースをお示ししたいと思います。 介護保険制度の導入前の話ですが、80代の痴呆症の母と独身で無職の50代の長男の二人暮しの家庭でした。長男には収入の途がなく、母の年金で生計を立てていましたが、長男のギャンブル癖のせいでいつもすぐに年金を使い果たしてしまい、母にあたるという生活でした。次男は遠方で生活していましたが、母や長男との仲は険悪で、絶縁状態にありました。 私が関わるようになったきっかけは、深夜母が入院している病院に入り、母に向かって裁ちバサミを振り上げているところを看護婦が発見し、警察沙汰にはしないが善処策を講じて欲しいと病院のMSWから要請があったところからでした。当然病院からは長男は出入り禁止となりました。 母には判断能力がないため、まずは母の生命の安全を確保することとしました。幸いにも緊急措置を受け入れてもらえる特養ホームがありましたので、ホームに事情を説明し、受け入れていただけるようになりました。そして長男には母が入所したホームの所在を知らせず、収入の途を見つけ、自活するよう説得し、長男もそれを了承しました。 また、長男は以前精神科の病院で看護助手をしていたので、仕事上で付き合いのある病院に声かけなどもしていました。 ところが、母がホームに入所して数ヵ月後、長男が首を吊って自殺したと警察から連絡が入り、慌てて駆けつけました。長男の姿と残されていた遺書を見たとき、私はやりきれなさでいっぱいになりました。次男にその旨を連絡しても、「関係ない」との一点張りで話にならないので、やむなく私が長男の密葬の手配を行い、遺骨を付き合いのあるお寺で永代供養してもらうこととしました。 以上の例では、本人に意志判断能力がなく、家族の援助が得られなければ、本人の生命及び財産を保全することが優先されますが、それがいつも100点の正解ではないということを私は思い知らされました。 私は今でも当時のケースワークは間違っていなかったと信じていますが、心のどこかでわだかまりは残っています。 その一方でほかの対象者の笑顔とお礼の言葉で勇気付けられたのも事実です。 ご質問の回答になったかどうかはわかりませんが、私も色々と考えさせられたケースなので、ご参考になればと思います。
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- nacchan-k
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私は、中3なのですが、今、将来に向けて 特別養護老人ホームでボランテイアをしています。 最近は、ボランテイアも増えています。 私は、受験前になると内申書にかいてもらえるから やるというのではなく、本気でやろうと思っています。 私がやっている所は、ほとんどが車椅子で、 痴呆症の方もいます。言うことを聞いてくれないときも あります。1ヶ月に1回ということもあって、 だいぶ雰囲気も変わってしまいます。 お年寄りが汚いだとか、やだとか言う人もいるけれど お年寄りは、今までの時代を支えてきた方たちだし、 いずれ自分たちもそのように介護してもらう立場になるのです。私は、とてもそんな事は言えません。 そんな事を思っている方は、絶対に長続きはしません。 お年寄りのため・・・と思っているなら お年寄りのために尽くせると思います。 本当にやりたい事が何なのか、よく考えて下さいね。
お礼
僕よりぜんぜん年下なのに、僕よりはるかに高いモチベーションをお持ちに なっていますね。その歳で汚い部分とか、日常生活とは程遠いところにある社 会福祉の常識を知っているし、受け止められている。すごいです。 僕の中の迷いというものの原因に、障害者の施設に実習に行ったときに、と んでもないものを見てしまったことがありました。頭部右上側面が、右目のあ たりまで完全に陥没しているんです。ものすごいショックを受けました。 でも、福祉をやるということは、そのようなことも避けては通れないという ことなんですよね。nacchan-kさんのおかげでその覚悟ができました。お力を 分けていただいてありがとうございました。これからもがんばってください。
- pom_ta
- ベストアンサー率33% (1/3)
わたしは、つい最近まで福祉事務所のケースワーカーをしていましたので、その経験から感じたことを述べたいと思います。 まず、福祉の仕事が「いつも相手に感謝される尊い仕事」と思っておられるのなら、今すぐその考えは捨てたほうが良いと思います。 福祉の仕事は、その性格上、対象者の生活環境や家族の状況等に多かれ少なかれ接することになります。その中で人間のいやな部分や醜い部分を否応なく目の当たりにすることも多々あります。 また、福祉の仕事に携わる人は、対象者の親族ではないわけですから、対象者の人生全てに関わり、その事についての全責任を負うことができるわけでもありません。 私の先輩の中には、理想と現実とのギャップや、対象者に同情しすぎてしまった結果、悩んだ末に体調を崩したり、精神的に不安定になってしまった人もいました。 福祉の仕事の目的は、「対象者の自立した生活」を支えていくことと私は思っています。そのためには、対象者の自己決定権をできるだけ尊重し、自己決定ができるよう可能な限り情報を提供し、対象者が自分でできることを少しずつでも引き出していくことが重要であると思います。 私の大先輩は、よく「冷静な頭と温かい心で対象者と向き合い、一緒に悩みなさい。」と言っていました。私はこの言葉は福祉に携わる者の心がまえの至言であると思っています。 おそらく今後実習等で現場に接することもあろうかと思いますが、大いに悩んだほうが良いと思います。その中で、対象者の人生が少しでも良い方向に向かうことに喜びを感じることができたら、是非福祉の道に進まれることをお勧めします。がんばってください。
お礼
大学の授業で先生がよく似たようなことをおっしゃっていたのを思い出しまし た。pom taさんのおっしゃっていることは、心構え、覚悟の基本だと思います。 授業を通して、僕の福祉に関する価値観は粉々になり、今、再構築している 真っ最中です。今は受け止められないことが多く、うまく組み立てられない状 態ですが、少しずつ強くなって、形作っていこうと思います。 ところであつかましいようで申し訳ないのですが、もしもよろしければ職場 における理想と現実のギャップを例示していただけませんでしょうか。また、 知的障害者や痴呆症の老人のように自己決定権がなあっても使えない利用者に 対してはどのように接すればいいのでしょうか。
僕は理科系大学に通う大学4年生です。 福祉に携わっていると言う訳じゃありませんが、 教育実習の一貫として老人福祉施設にいった事が あります。そこでいろいろな話を聞きました。 僕は今、福祉の道とは少し掛け離れたところにい るかもしれないけれど、できることならそういっ た道に進みたいと思っています。 僕は母と従姉妹が看護婦で、弟が私立の作業療法 士2年生ということもあり、いろいろ聞かされる 事があります。しんどいだとか、むかついたとか 先輩から怒られるとか。でも彼らは辞めたいと思 った事はないそうです。患者さんの笑顔が辛い事 をふきとばしてくれるといいます。ですから、 Meehisaさんも福祉を受ける人たちの喜ぶ姿をより どころにしてがんばってほしいです。福祉関連は 仕事の量に比べて給料は安いかもしれません。 しかし、福祉の手を待っている人たちがいる事も 忘れてはいけないことです。もし、真剣な気持ち で将来福祉の道に進もうと思っているのであれば がんばって下さい。
お礼
なるほど、喜ぶ姿ですか。僕は福祉というものに疑いのまなざしを向けていた のですが、一番もちベージョンの基本になるというのはまさにそのようなことで すね。そもそも僕は児童福祉に興味があって、何らかの問題を抱えて苦しんでい る子供の手助けをしたいと思ってこの道に進みました。それは僕が施設出身とい うことも少なからず関係しているし、自分の欲望の満足ではなかろうかという想 いもありますが、私利私欲という浅はかで軽薄なものではありません。 福祉の授業をしていく中で、価値観が揺らいでいくことがあります。僕がまさ にその真っ只中にいます。でも、根本的なことを見失ってはいけませんよね。こ のメールを見て、僕はそのことを思い出せました。ありがとうございました。
お礼
ジレンマがあるという話は大学の先生もよくなさっていたのですが、ここまで 具体的で、想像もつかないような事例は初めてです。このような非常に辛く悲し い体験というものは思い出すだけでも精神的に大きなストレスになるというのに、 僕のような弱虫のために語ってくださいまして本当にありがとうございます。 色々なことがいっぱい頭の中を駆け巡って、あまりお返事らしいことはできま せんが、社会福祉というものの、本当に深いところにあるものを例示してくれた 回答です。このようなことをも飲み込んだ上で、社会福祉を実践なさるかたがい らっしゃる。それがものすごく励みになりました。 社会福祉というものに疑いを抱いていました。ケアマネが利用者からお金を騙 し取ったとか、増えつづける児童虐待に児童相談所は一体何をしているのかとか、 疑いを持つエッセンスはたくさんあります。でも、それはあくまで表に出ている 所だけで、その中をのぞくと、pom taさんのように、問題に対して本気でぶつ かって、本気で悩める実践者がいるのもまた事実ですよね。 おかげで躊躇させているものが体から離れました。これからは本気で勉強しま す。ありがとうございました。また何か書き込みがあったら、もしよろしかった らそのときはよろしくお願いいたします。