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下山事件の死因の東大と慶応の判断について
どちらが医学的に正しいかは結論が出ていないと思います。 どちらの判断が当時の権力者に都合の良い判断だったのでしょうか? 権力者もGHQとか日本政府とか警察とかいろいろあったと思いますが、この件についてどこが支配的だったのでしょうか?
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>下山事件の死因の東大と慶応の判断について >どちらが医学的に正しいかは結論が出ていないと思います。 ●回答・・・公式的にはそうですが、現在では自殺説の方が確率が高いのではないかと思います。 1986年にサンケイ新聞が米公文書館で発見した数点の下山総裁の遺体の写真について法医学者の多くは自殺と推定しています。 また、弘前大学教授夫人殺人事件、財田川事件、松山事件などの冤罪事件において古畑教授の鑑定を覆す事例が続出し、下山事件でもその鑑定の信頼性が揺らいでいる部分もあります。 ちなみに、1991年のサンケイ新聞で、事件当時、刑事部長で捜査にあたっていた坂本氏は「いつかは法医学の進歩が古畑さんの誤りをただしてくれるものと信じていた」と語っています。 >どちらの判断が当時の権力者に都合の良い判断だったのでしょうか? ●回答・・・おそらく他殺でしょう。 当時の合同捜査会議の内情を1986年11月26日の毎日新聞が伝えています。それによると当時の警視庁の坂本刑事部長の話によると、捜査本部は「自殺」の結論を出していましたが、古畑教授が「他殺」を主張して譲らなかったそうです。また、官房長官は坂本部長の報告に不満で、「帰れっ!」と怒鳴ったそうです。 事件当時、自殺説をとった毎日新聞の社説には、 「下山事件については左翼の凶暴なテロの憶測が大衆の心を支配しているように思われる。国鉄労組や共産党に対しては、こういう憶測が生まれた事を気の毒に思う。彼らにとっては実に迷惑な濡れ衣であろう」 とあります。 当時の権力者(国、GHQ)としては、 「国鉄の人員削減を速やかに遂行したい」 「共産党シンパ等の左派が国鉄労組で力を持ったり影響力を持つ事を避けたい」 という考えがありました。 下山総裁が他殺なら、国鉄労組内の共産党シンパや左派に、それこそ濡れ衣を着せ、問題人物・危険分子を排除するちょうど良い好機となったでしょう。それこそ前述した毎日新聞の社説の内容に沿うような形になったかもしれません。 しかし、自殺では危険分子の排除に動く事もできません。 だから官房長官は坂本部長に「帰れっ!」と怒鳴ったのではないかと。 後に起きた「松川事件」なんて、事故の原因を労働組合のせいにして、その勢力を削ぎにかかった事件でした。 下山総裁が他殺と断定されたなら、似たような事が起こっていたかもしれません。 >権力者もGHQとか日本政府とか警察とかいろいろあったと思いますが、この件についてどこが支配的だったのでしょうか? ●回答・・・警察だと思います。 他殺の方が国やGHQには都合が良かった筈なのに、そうはなりませんでしたから。
お礼
どこかの新聞社の論説主幹かと思ってしまうような見事なご回答をありがとうございました。何せ生まれる前の事なのでリアルタイムに知らないのと、いろんなフィルターがかかっているだろうこともあっていろんな文書を読んでもすっきりしなかったのが大変すっきりした気がします。 亡くなった総裁や濡れ衣を着せられた左派の人々も正しく理解されているのならわだかまりも解けるものと思います。それと同時にやはり権力には魔物が巣食っていることも実感します。今度の秘密保護法案も誰が力を持っていてどうしようとしているのかしっかり見守っていかなければいけないとあらためて思いました。