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大雪の原因にPM2.5もあるんじゃないでしょうか?
お世話になります。 今世紀最大の寒波ということでの大雪でしょうが、ふと、中国のPM2.5の影響もあるんじゃないかと思って質問させていただきました。 人工降雨だと、雨雲に核となる物質をまくと雨が降るそうですが、そういう意味からすると、PM2.5も大雪に影響しているんじゃないかと思いました。 いかがでしょうか?
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どうでしょうね。個人的には違うというよりそれを断言するには・・・。まあ、今の中国情勢では、すぐにPM2.5の排出が消えるとは思えませんし、数年様子を見れば分かるような気がします。 一応、この説について、即座に判断できない理由と、実際の原因になり得る別の要素を記載します。PM2.5は九州地方や中国地方などに流れていますから、そこでは極端に雪が多いわけではありません。どちらかというと、大気循環(ジェット気流の流れ/偏西風の蛇行)の問題が大きいと思われます。 これは、気象学における大きな空気の流れが蛇行する現象によるものです。 これは気づく人は気づくでしょうけど、日本が大雪になる前に、北米で大寒波がやってきます。これが実は大きな理由に繋がります。基本的に、北米で大雪が降るときには、それからしばらくすると(または同時に)日本も大雪がどこかに来ると思ってよいかもしれません。その理由は、高気圧と低気圧の関係にあります。 低気圧と高気圧はお互いに高気圧、低気圧、高気圧、低気圧と挟むように存在します。それが、緯度に対してなのか、経度に対してなのかまたは、台風のように移動性で突如生まれるのかの違いによって違いますけど、突発的なものは、主に南(赤道付近)の海上で生まれてやってきますので、今回は外します。 そして、これは小学校から中学校の理科で習うのですが、空気には冷たい空気を持つ寒気団、そして暖かい空気を持つ暖気団の2つがあり、その中でも水気を含んだ気団はある条件を与えると、降雨や降雪の原因になります。それが、低気圧が発生した時です。 気団は一般に、偏西風が蛇行していなければ、決まった場所に存在します。気圧の谷となる場所です。しかし、偏西風が何らかの理由で、蛇行すると、その蛇行に合わせて高気圧と低気圧が絡み合うように挟み合い、身動きがとりにくくなる現象が発生します。これをブロッキングと言います。 これが発生すると、本来はもっと北にあるべき寒気が南下したり、もっと南にあるべき暖気が北上してしまうため、本来は、そこでは雲ができない場所でも、その境目に当たれば雲ができるのです。これを前線や気圧の谷と言うのですが、経度に対して交互に高気圧と低気圧が極端に並ぶようになり、しかもその動きが、遅かったり、日本の南から北に上っていくような蛇行曲線を描くと、南では温帯の空気を含み雨でも、北になるほど寒帯の空気が強くなり雪を長時間、大量にもたらすようになります。 即ち、日本の陸地、地理にピタリと寄り添って北上するため、雪が東北以北でたくさん降るようになっているのです。それをもたらすのは、大気循環(気流)となります。 尚、上空と地表面との温度差が大きくなると、雲はできやすくなります。即ち、温暖化すると洪水が起きやすいというのは、そういうことです。 この理由は、真夏に冷蔵庫で冷やしたコップに水滴が付く現象を考えれば分かると思います。氷水なら、すぐに水滴が付きます。地下水などではなっても、氷水ほどすぐではなく、その量も氷水には勝てないでしょう。温度差のないぬるい水では発生しません。 要は、温度差が大きくなるほど飽和水蒸気量の関係で、温度差が極端だとチリが少なかろうが、多かろうが、飽和してしまい水滴になります。 それが、一定の重量を超えると雨や雪となり地表に落ちてくるのです。 このあたりの関係も考えると、なかなか面白いかもしれません。 尚、人工降雨を行う場合には、ある条件が必要です。それは、一定の上昇気流があるか、空気の流れが乱れている。または高気圧の周辺部であったり、高温多湿、多少の雲があるといった条件が必要です。下降気流が多い(高気圧の直下)ところでは、いくらチリを撒いてもそこには雨は降らない可能性が高いです。それは、空気が乾いているためです。 即ち、どこでも人工降雨が可能とは言えないのです。 いかがでしょうか? 上記のような理由もあるので、それらの粒子状物質が多少なり、雪や雨の量を増やしている可能性は、あるかもしれませんが、今の段階でそうだというのは難しいといえます。
お礼
素晴らしく科学的な解説をありがとうございました。 とても参考になりました。