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アメリカとロシアのインド急接近
最近アメリカとロシアがインドに接近し、核でもかなりの協力関係を築きつつあります。両国が一方は圧力、一方は対話によってイランの核開発を抑え込もうとしているのと非常に対極的で、正直露骨なダブル・スタンダード外交だと思われます。 <米印、核技術協力で合意 中国にらみ関係強化> http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060302-00000267-kyodo-int <印へ核燃料提供で露合意> http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060318-00000014-san-int 中国への牽制の意味があると思えば、今度両国で首脳会談をやるそうで…。 <米中首脳会談 軍備拡大、人権など焦点> http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060318-00000091-kyodo-int 何を考えているのかサッパリ分かりません。恐らく自分たちも先が読めないのかもしれませんが、この米ロの行動について以下の質問をしたいと思います。闊達なご回答をお願いいたします。 1)アメリカの意図 2)ロシアの意図 3)中国への影響 4)パキスタンへの影響 5)イランへの影響
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1アメリカはインドだけでなく本来は仮想敵国として見なしたい中国とも経済では非常に親密な関係を持とうとしています。 21世紀の近い将来もっとも急激な経済発展の可能性が高い国はインドと中国です。しかもこの両国はどちらも米国にはあまり親近感は持っていません、この両国と関係が持てなければアメリカの経済上の力は弱まるでしょうから、それだけは避けたいということで渋々ながらも経済では大いに関係を持とうと考えているのでしょう。 インドはしたたかで核兵器の所有も事実上アメリカに合法的に認めさせてしまいましたし、日本やロシア最近では中国などアメリカ以外の大国とは仲がいいのでアメリカにとって様々な意味で無視できない存在であり軽々しく扱うことが出来ないのでしょう。 2ロシアはそもそもどこの国とも外交上は親交を深めようと思っています。ロシアの意図は自分の国だけではアメリカの圧倒的な政治力、経済力、軍事力にかなわないので他のEU、中東、インド、中国などを積極的に助け経済発展をさせてその結果世界がアメリカ一強からもっと様々な国が同じくらいの力を持った拮抗した状態になればロシアも相対的に力が強まり拮抗した力の一つとなると考えているのです。 実際にロシアは本来は領土問題などで仲が悪かった中国とも経済で親睦を深めいつの間にやら共同で軍事演習をやるほどの良好な関係になっていますし、インドとはもともと仲が良かったのです。 インドと中国というアメリカが手こずっている間にこの両国と一足先に深い関係を持てばかなりの経済上は優位なれるでしょうし、豊富な天然エネルギーを持つロシアはEUとも直通のパイプラインを作り、さらに反米意識が強い中東を味方につけたいと考えて今回のイランへの核の開発問題もこのままではイランは国際社会から袋叩きになってしまうので説得しイラン国内で核開発をしないように求めているのです。 動機はともかく良い考えだとは思います、政治は動機よりも結果の方が重要ですからね。 3中国への影響は、中国がインドとどういう関係を築くかによると思いますが元々インドと中国は領土問題で仲が悪かったのですが、近年の両国の経済発展によってロシアと同様に関係を修復しつつあります。 中国の経済は社会主義の皮をかぶった資本主義です、ビジネスにしたたかな中国人が経済発展の可能性を持った巨大な国がすぐ隣にあるのに目をつけないはずがありません。おそらく中国は近いうちにインドとさらに関係を深めると思います。 ですからアメリカがインドに肩入れしてもインドはアメリカの言いなりになるような国ではないので問題ないでしょうし、今さらアメリカが中国に冷たくすることなどアメリカの赤字ドルを買ってやってる関係上不可能ですからインドの経済が高まればそれと関係して中国もビジネスチャンスが増えるので、どう転んでも中国は損をしないようにすると思います。それとロシアがインドと近づくのはむしろ歓迎するでしょう、この三国は国際社会でも反米的で行動が一致することが多いのもお互いに親近感を深める要因になっています。豊富で安価な労働力と大きな購買力を持った中国と天然エネルギーを中東並に持つロシアとITや労働力を持つインドが協力関係が出来れば経済発展はかなり望めます。 4イスラム教の国でありインドとも仲が悪いパキスタンは取り残された感じですね、もともと経済的な発展は望める状態ではないですしアメリカはインドと関係が深まればさらにアメリカは圧力を強めるでしょうし当面は今の状態が続くのではないでしょうか。 5インドに米露が接近したこととイランは直接は関係はないでしょう。ちなみにイランは元々ロシアと仲がいいのと他の反米の中東諸国との連携がありますが、今のままなら国際社会から冷たくされるのをロシアが何とか調整してくれようとしていますからロシアの指示に従って核の開発をやめるかどうかが重要になってくるでしょうね。 イランも中東諸国を除いて唯一の強力な後ろ盾であるロシアから嫌われたくないでしょうから、最終的にはロシアの案に少し手を加えてもので妥協すると思います。 ちなみにこのように世界は目まぐるしく動いている過渡期ですが日本は単純にアメリカ追従だけですからもう少しインド、中国との関係も考えなければ取り残されるでしょうね。
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- maddog
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正直、両国のダブルスタンダード外交は今に始まった事ではないので、どうせ今回もどれだけ旨みに肖れるか、黒幕達が算段でもしていることだと思います。 やられる方もそれに合わせて、形骸化するばかりで、もはや「伝統」といったところですね。 もっとも、拒否すればどうなるか、今回も含めて既に証明されていますが…。 「中国への牽制」という意味は、現在、親中の立場にあるインドは、当初から当てはまらないかと思います。 牽制というより、保険も兼ねた「安全装置」といったところではないでしょうか。 1)アメリカは実際には親中の立場を取っていますし、インドも親中であり、特にインドは経済発展が目覚ましく、次の投資先と注目されてる訳ですから、むしろアメリカが近づかない方がおかしいかと思います。 そもそも「牽制」という言葉自体に語弊があり、反中から目を逸らさせる為の、誤解を招く言葉だと思っております。 2)ロシアは石油資本を背景にして、世界の覇権を取り戻したいと考えていますので、アメリカと同じく、次の投資先と見られるインドに近づくのは当然かと思われます。 特にインドは以前から親ロでしたし、今回の流れは予定道理の動きかと思います。 これらについては質問者様が仰いますように、アメリカが武力行使をして世界の信頼を失い、疲弊している背景でロシアが積極的に対話に出て関係を強めるなど、次の覇権先を廻ってのダブルスタンダード外交が既に展開されているかと思われます。 3)現在、中国とインドは親密な関係にある以上、アメリカから高レベルの核技術を手にしたところで、何ら牽制にはならないかと思います。 アメリカもその事は重々承知の上でした事でしょうし、中国側も牽制とは捉えてはいないと思われます。 特に現在の中国は、アジアでの覇権を強める事で、いずれアジアだけでなく世界全体でも覇権を強めたいと考えていますので、国際非難を浴びるような武力行使をできるだけやめ、内部からの思想による懐柔政策の方が経済的にも国際的にも有益な事から、途中からさり気なく切り替えていますので、軍事的対立は無いかと思われます。 4)パキスタンは政治力が弱いなどの国内事情や、インドのように経済発展が望めない上、アフガニスタンとの国境地域にオサマ・ビン・ラディンが潜伏しているなどの指摘も受けています。 今回、その点をアメリカから指摘され、望んだインドのような核開発技術が受けられない以上、いずれ中国からの技術提供を請けることになるかと思われます。 その際、親米よりも親中になる可能性が強まりますし、インドが親中・露・亜であり経済的にも強まるなか、パキスタンの力関係は必然的に弱まるかと思われます。 また、潜伏しているといわれるビン・ラディンの動向も気になりますし、インドの核開発技術提供を受け、今まで以上に国内が不安定になり現状が厳しくなれば、再びアルカイダの出現なども考えられますので、インドとのカシミール地方を巡っての緊張緩和を努めてきたムシャラフ政権にとっては、頭の痛い問題だと思われます。 5)インドと違ってIAEAにも加盟し、査察もきちんと受けていたイランは、今回の米国の対応を見てますます核開発に力を入れるかと思われます。 いくらロシアや欧州がお墨付きを与えても、アメリカの承諾を得られなければ、仮に核を捨てても国連に制止する力がない以上、隣国のイラクのように侵略されるサマをまざまざと見せ付けられたわけですから、仮にアメリカが懐柔策に出たとしても応じない可能性があります。 当然そうなれば、戦争の気運が高まりますし、中東情勢の悪化は欧州にとっては頭の痛い種だと思われます。 もっとも、中東諸国の台頭を嫌う黒幕達や、新しい戦争のビジネスマネーを望む彼らには別の話ですが…。
お礼
>これらについては質問者様が仰いますように、アメリカが武力行使をして世界の信頼を失い、疲弊している背景でロシアが積極的に対話に出て関係を強めるなど、次の覇権先を廻ってのダブルスタンダード外交が既に展開されているかと思われます。 戦争屋ブッシュが武力外交で世界的にひんしゅくを買っている間に、元KGBのプーチンがしたたか対話外交でロシアの威信を確実に復権させている様子が見えますね(笑)。 >また、潜伏しているといわれるビン・ラディンの動向も気になりますし、インドの核開発技術提供を受け、今まで以上に国内が不安定になり現状が厳しくなれば、再びアルカイダの出現なども考えられますので、インドとのカシミール地方を巡っての緊張緩和を努めてきたムシャラフ政権にとっては、頭の痛い問題だと思われます。 仰るとおり、今回の米ロ中印仲良し外交に取り残されたムシャラフ軍事政権の動向が一番危ないと思うんですよ。全国民が反米一色なのに親米政策を取り続けていつ転覆してもおかしくない状況なんですね。ブッシュはもうちょっとムシャラフ政権にてこ入れすべきですね。そうでないと以前お話した 「パキスタンの国際テロセンター化」 の現実化もありえると思います。アルカイダ・パキスタンがアフマディネジャド・イランと手を組んだら悪夢ですよ。今でさえイランの特殊部隊がイラクに潜入してシーア派を先導していると言われているのに…。 ご回答ありがとうございました。
- hinoki45
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>アメリカの意図 インドが大国になったということと、アメリカと敵対する国家で無いという信頼を得ることが出来たということ。そして何より重要なのは核はあってもアメリカまで持っていけないということ。 アメリカがインドの核開発に責任を時代になった。 簡単に言えばおいしいパイです。 >ロシアの意図 もともと、ロシアとインドは仲がよろしい。 しかし近年ロシアは中国との関係を深めており(つまり、インドよりも)このあたりでアメリカが噛んできたと。 隣国に大国があるとどうも、で、ロシアは焦ったと。 >中国の影響 中国へは核というよりもー、通常兵器で笑いをとる流れかと。インド帰りのブッシュには良い手土産が出来ましたよね。 首脳会談は顔は笑って腹でどうとかこうとか。 まあ、会談しないほど仲は悪く無いというあたりです。 >パキスタン アメリカはパキスタン嫌いですから、あの国に核があることがそもそもの間違いです。 >イランの影響 イランは残念ながらどこの後ろ盾も無いので、あはは。ここを弁術でも、力ずくでも、金以外であれば何でも良いので押さえつけることが出来るかどうかがこれからのポイントです。 >ダブルスタンダートとのことですが、この場合スタンダートとはなんでしょう。あんたのスタンダートとは違うのよ、といわれてしまいそうですが。 力関係がものを言うのは今も昔も変わりませんし。
お礼
>あんたのスタンダートとは違うのよ、といわれてしまいそうですが。 いえいえ私もその言葉で米ロの手段を選ばない外交を揶揄したのですよ(笑)。 >もともと、ロシアとインドは仲がよろしい。 ソ連時代からですからね。ブッシュが横入りしてきたので怒ったのでしょう(笑)。それから中国もインドの常任理事国入りを支持する方針になりましたし、関係も改善されています。今後米ロ中印の四つ巴の外交が展開されると思われます。 でもパキスタンのムシャラフ政権をほおって置くとこの政権が崩壊して、アフガンからアルカイダやタリバンがやってくる自体にもなりかねませんので、注意が必要かと思います。
お礼
>今回のイランへの核の開発問題もこのままではイランは国際社会から袋叩きになってしまうので説得しイラン国内で核開発をしないように求めているのです。動機はともかく良い考えだとは思います、政治は動機よりも結果の方が重要ですからね。 同意です。現在イランと交渉できるのは事実上ロシアだけですからね。プーチン外交の手腕を期待しましょう。 >ちなみにこのように世界は目まぐるしく動いている過渡期ですが日本は単純にアメリカ追従だけですからもう少しインド、中国との関係も考えなければ取り残されるでしょうね。 日本は北朝鮮問題とか靖国問題とか東シナ海のガス油田問題とか近隣の事ばかり関心が向く傾向があります。 日本は中東から80%の原油を輸入してインド洋経由でマラッカ海峡を通って手に入れている訳ですから、こういった意味でインドやアセアン諸国との関係も考える必要があると思います。だからこの米ロ中印の四つ巴関係もしっかり世界的視野で把握できる外交を展開して欲しいと思います。