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節約と伝熱工学にまたがる質問
- 身近な行動で節約だと思っているが、実際に計算していないため確証がない。知識を持つ方に質問。
- 市販の茶碗蒸しを小鍋に浸けて温める方法と沸かしたお茶を冷やす方法のどちらが節約になるか。
- 節約に関する具体的な事例を挙げて、知識を持つ方の意見を聞きたい。
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伝熱量(単位時間当たり)は、温度差と熱面積に比例します。比例定数を熱貫流係数といいます。 事例1、2とも方法1,2で、熱貫流係数は等しいとします。これを等しくないとすると、面倒になってここでの話題にはならなくなるからです。その他にも単純化して話を進めます。 事例1 沸騰してから適温になるまでの必要熱量は等しいとします。 方法1の伝熱面積は、方法2の1/3だから、伝熱量も1/3になります。したがって、適温になるまでに3倍の時間がかかります。 熱損失がないとすれば、ガスの発熱量は全部茶碗蒸しの 加熱に使われるから、ガスの流量も1/3になります。したがって、全体のガス量は方法1,2で変わりません。 方法1は水量は1/3なので、沸騰するまでのガス量は方法2の1/3でいいはずです。この節約効果は大きく、方法1が節約になる。しかし、上記の議論は熱損失を0としたときの話です。 熱損失(単位時間当たり)はどちらが大きいでしょうか。細かく言えばいろいろありますが、同じ大きさの鍋を使うなら外部との温度差も外部との伝熱面積も等しいとしていいから、方法1,2でほとんど同じでしょう。 とすると、方法1では、3倍の加熱時間になるので、損失熱量全体としては方法2の3倍になるということです。 結局、100℃まで加熱するガス量の差と、損失ガス量の差との差の問題になり、加熱時間の長さの問題になります。 方法1は、方法2の3倍の加熱時間が必要だから、加熱時間が長くなれば、沸騰までに節約したガスを損失で食いつぶしてしまいます。 で、この時間の兼ね合いを熱効率など仮定して計算してみたい気もしますが、上の議論は現実離れしていて益がないのでしません。 現実には、蓋をするでしょうから方法1の伝熱面積を方法2の1/3とするのは過少でしょう。沸騰状態であれば、蒸気で加熱されるので、熱貫流係数がいくらか違ってくるとしても、伝熱面積は2/3以上にはなるでしょう。 結論として、 方法1は、沸騰するまでの節約効果が大きく、伝熱面積もそれほど小さくはならない。したがって、方法2より節約できる。 事例2 事例1ほど難しい話ではなく、単に同じ熱量を除去するのに水道の水を使うか、冷蔵庫で電力を使うかどちらが安いかという話です。直接冷蔵庫で冷やしてはいませんが同じことです。 100℃、1kgのお湯を20℃にするとします。除去する熱量は、(100-20)×4.2×1=336kJです。 水道の水温を15℃として、最終的には20℃で放流しますが、平均温度は30℃とします。必要な水量は、336/((30-15)× 4.2)=5.3kgで、0.0053m^3です。 COP=3の冷蔵庫なら、336kJの熱量を除去するのに336/3=112kJの電力を使います。これは、112/3600=0.031kWhです。 水道料金、地域によっ大幅に違うが、私のところでは、0.0053m^3で0.99円ほどで、下水道料金も含みます。 電気料金、地域差はほとんどなくて、私のところでは、0.031kWhは0.87円ほどです。これに保冷剤のコストがかかります。 結論として、 水道料金は地域によって2倍ほどの差があると思います。ちょっと条件を変えれば違ってくるので、私の地域では、方法1と方法2とでは差異はないとします。
補足
意外な結果ですね。でも事例1の茶碗蒸しの場合、その人は蓋をしてないんですよ。 しかも沸騰してからもぐつぐつと沸かしっぱなしで結構な熱量が蒸気になって逃げていっていると思います。それに方法1の場合、茶碗蒸しは蒸気というより外気に接しているので、 そこそこ温まった茶碗蒸しから外気に逃げる熱量も、時間が長い分多くなると思います。 蓋なし方法1の場合一番最後に温まるのは最も面積が大きい上円面部分の中心部です。 茶碗蒸しは固体ですので熱伝導のみで下の一面のみから、より距離の離れた上面部まで温まるまでには、 方法2のより距離が短くしかも全体から温度が伝わるばあいの3倍よりもかなり時間がかかるように思います。 しかし蓋をした場合、それに事例2は殆ど金額的に差が無いのですね。参考になりました。